ハードコアなゲーマーの皆さん!ゲームを遊んでいる際、こんなことを思ったことはありませんか?「このアイテムよく見るけど、どんな味しているんだろ?」と。私はしょっちゅうあります。
そこで、本記事ではこの疑問を「解消」すべく、名前だけはよく聞くくせに実際の味はよくわからない筆頭である「例の食べ物」を購入&調理、その実態に迫るべく調理していこうと思います。
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グッハンティンストーカー(元気のなさそうな声で)。
十数年ぶりとなる続編発売に、もはや古(いにしえ)のPCゲーマー大歓喜の『S.T.A.L.K.E.R. 2:Heart of Chornobyl』をプレイしております。シリーズ特有の異様な集弾率の悪さ(というか初代が酷かっただけともいう)は鳴りを潜め、ピストルでも案外戦えてしまうことに驚きながらもゾーンの深部を目指して日夜冒険中です……。
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もちろん、この連載のことも忘れてはいません。とは言っても、ゲーム内で手に入る食料品は初代のころからあまり変わっていません。一箇所にとどまらず行動し続ける以上仕方ないのですが、プレイヤーはパン、ソーセージ、缶詰、そしてエナジードリンクとウォッカという、栄養バランスの悪い食事を取り続けることになるんですよね。
さすがに味気ないなぁ、と各地を回って見たところ、興味深い描写を発見しました。
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これはゾーンの浅いエリアの拠点「ザリシア」のバーに置かれたテーブルです。トウモロコシやピクルス、ハムが並んでいる中、テーブル中央に置かれた白い物体。他が「切っただけ」や「茹でただけ」などで提供されているのに、あきらかに調理されたものです。
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また、こちらはゾーン中央部の拠点「ボタ山」のバーの机。やはりここにも置かれた白い料理。これは何かあるな……。
そこでちょっと調べてみました。これはユーラシア大陸でよくみられる「ダンプリング」(餃子みたいなもの)料理のひとつです。ウクライナでは「ヴァレーニキ」「ヴァレニキ」という名称が付いており、チーズやジャガイモを入れたりしたのちに茹でて完成させる、水餃子タイプのようです。
そして、珍しいポイントとして、おかずとしてだけではなく、デザートとしても食べられているとのこと。その場合はジャムなどを入れ、甘いソースにつけたりして食べるそうです。
さらに、こちらの写真。
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ちょっと分かりづらいですが、小麦粉系の生地で巻かれた料理かな…?という見た目。こちらも調べたところ、ウクライナ式のクレープのような料理「ムリンツィ」というものがあるということがわかりました。こちらもおかず、デザートの両方で食べられているようです。
たとえアノマリーにまみれた死地のような場所でも、しっかりと現地の料理が根付いているというのはご当地・ローカルみを感じられて良いですね。ゲーム作品として見ても開発がウクライナのデベロッパーということで、現地の文化をしっかり描写することにこだわったのかな、という気がします。こういうの好き!
ということで、ソーセージとパンと缶詰の回にならずに済みました。今回は上記の2品を作っていこうと思います!
ウクライナ料理を作ってみよう
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さっそく下ごしらえから。紅玉を2個用意しました。
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ズバババーンと角切りにカットします。色味もほしいので皮は剥かずにそのまま。
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砂糖、バターと一緒に鍋で火にかけます。
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じわじわと果実の中の水分が出てきたらレモン汁を追加。
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落しぶたをして数分煮込めば、具材になる『りんごフィリング』の完成。皮の真っ赤な色がくすまずに反映されてきれいに仕上がりました。
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続いてはボウルで薄力粉、塩、砂糖を混ぜていきます。
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牛乳、溶かしバターを加えたのち、粉っぽさがなくなるまで混ぜて丸めます。水を使わずに練るのは珍しいですよね。
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一度ラップして30分ほど寝かせておきます。
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寝かせておいた生地がほんの少しもちっとしてきました。これを小さく分けて餃子の要領で仕上げていきます。具材は先程のりんごフィリング、冷凍いちごと冷凍ブルーベリー、クリームチーズです。
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りんごとクリームチーズを入れた第一号。折りたたんだらフォークで端を潰してくっつけています。
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生地が無くなるまでどんどん作っていきます。
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沸騰したお湯へドボン。フチの接着が甘いと中身が漏れてくる可能性があるのでドキドキです。
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3~4分すると沈んでいたヴァレーニキたちが浮かんできます。これを目安に回収&湯切り。
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ちゃんと中身がこぼれずに茹で上がりました。一安心です。完全に水餃子ですが、中にはりんごやベリーが入っています。
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さらに、ムリンツィも同時進行していました。まずクレープ生地を用意します。こちらは薄く作る自信が無かったため冷凍の完成品です。
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クリームチーズ・スモークサーモン・イクラをセットして、キツめに巻いたら完成!
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ということで、ウクライナの料理『ヴァレーニキ』と『ムリンツィ』の完成!
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ヴァレーニキを味見したところ。日本人にはおかずとしての水餃子があまりにもおなじみすぎて、お菓子として食べるこの料理を果たして受け入れられるのか…と思っていたのですが、結果ひとつの違和感もなく、美味しくいただけました。中のりんごフィリングとクリームチーズがまず相性バツグン、そしてその甘い具材と皮との相性もいいんですよね。生地を牛乳とバターで練っているため、ふわっと鼻に届く香りもお菓子寄りだったことが、違和感なく食べられるポイントかも。
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そして、これはサワークリームと牛乳、砂糖をあわせたソースです。これがガツンと甘い。ヴァレーニキ単体で食べると甘さ控えめな「あら、お上品なお菓子だこと」という印象ですが、このソースをつけた瞬間に「ド甘い海外のデザートが攻めてきたぞ!」と合戦が始まる程度には甘いです。でも、このソースが合うんだ…!
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こちらはムリンツィをいっぱい作ってカットしたところ。なんだかめでたさのある見た目ですね、もっとキレイに作ったらおせちに入っていてもよさそう。ほんのり甘いクレープ生地と、中のクリームチーズ、スモークサーモン、イクラ。そんなの合わないはずがない!問答無用に美味!
とはいえ、日本人からするとクレープを使ってしょっぱいおかずを作って、水餃子系のデザートを食べるという混乱しそうな食卓となりました。
ひょんなことからウクライナの食文化に触れることができて、非常に新鮮な経験になりました。ところで、作中各地でヴァレーニキを見かけるのですが、それぞれの拠点にこの料理を作れる料理人がいるのでしょうか…?または、各拠点を回る伝説の料理人ストーカーのような人物が存在している可能性も……?といったところで今回はここまで!また次回!