2024年も、数多くのDRPG(3DダンジョンRPG)が発売されていました。本記事では昨年に引き続き、2024年リリースのDRPGについて、筆者の短評付きで振り返ってみたいと思います。なお、紹介順はリリース日順となります。
自作キャラメイク+自動生成ダンジョン+キノコタケノコ戦争。『巡るダンジョン』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:1月23日
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拠点でキャラクターメイキングし、自動生成ダンジョンに潜ってアイテムを集め、キャラクター強化を繰り返す……そんなシンプルなDRPGが『巡るダンジョン』です。キャラクターには自作ポートレートが使え、習得できるスキルもバリエーションに富み、キャラクターメイキングの幅の広さは随一と言っていいでしょう。
しかしながらゲーム内容は強化したキャラクターで自動生成ダンジョンに潜って、敵を倒してアイテムを集めるだけと相当にシンプル。でも、たまにはこういったシンプルなハック&スラッシュ特化タイトルを遊んでみるのも悪くないかもしれません。ゲームシステムにはほぼ影響しないとはいえ、いわゆる「株価」を「キノコタケノコ戦争」と表現しているセンスは好きです。
Lv99のショタ魔王はお姉さんたちに弄られる。『Little Loki & The Yggdrasil Maze』
プラットフォーム:PC(Steam・R-18要素あり)
リリース日:1月24日
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DLSiteで配信されている『小さなロキとユグドラシルの迷宮(R-18作品につき注意)』の英語版です。
プレイヤーは異世界に転生してしまった小さな魔王のロキとなり、元の世界に戻るために「ユグドラシルの迷宮」に挑むのですが……行く手を阻むのはお色気満点の女冒険者たち。主人公はLv99の魔王ですが、お色気耐性が一切ないので相当の苦戦を強いられるハメに……。このゲームは「ダンジョンを制覇する」というよりも、「M向けのえっちなシチュエーションを見て楽しむ」という方が正しいかもしれません。あとSteam版は英語しかないので、日本語でストレスなく遊びたい方はDLSite版を買った方が良いです。
グリッドベース移動+FPS風アドベンチャー!?『FREAKHUNTER』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:1月27日
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グリッドベースのダンジョンを探索しつつ、リアルタイムで敵が襲ってくる……というDRPGは割と伝統的ですが、今作は敵を遠距離攻撃で狙撃するFPSの要素が強い3Dダンジョンアドベンチャーです。
左上のミニマップを頼りにダンジョンを探索しつつ、迫りくる敵を打ち倒すのはFPSの根本的な面白さがあります。超クラシックなFPS風ゲームを遊んでみたい方は手を出してみてはいかがでしょうか。
美少女+シビアなダンジョン探索の伝統(?)ここに大復活。『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ2』
プラットフォーム:PC(Steam/DMM)
リリース日:2月15日
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新たにリメイクも発表された『ToHeart2』のスピンオフタイトル、「ダンジョントラベラーズ」がPCで復活しました。『ToHeart2』のヒロインたちがプレイヤーキャラクターとなり、5人パーティを組んで異世界の迷宮へと挑みます。
但し迷宮の難易度は一切の容赦がなく、軽い気持ちで本作に挑むとプレイヤーの心はズタズタに蹂躙されるでしょう。そういった意味では、DRPG未経験者にはちょっと厳しいタイトルといえます。過去に弊誌では本作のプレイレポートを掲載していますので、こちらも参考にしてください。
暗闇の地下迷宮を探索せよ。『Umbra Fields』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:3月5日
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床のみのワイヤーフレームで描かれる暗闇のダンジョンを探索するDRPGです。ミニマップが常時表示される点やデフォルトの移動速度が速い点は親切なのですが、無意味にダンジョンが広い上、戦闘に戦略性がほとんどない「RPGツクールのデフォルト戦闘」をやらされる、いかにも「RPGツクールでDRPGを作ってみた」的なものをポンと出された感は否めません。
Steamストアページには「日本語対応」とありますが、ほぼ機械翻訳の上、未翻訳の部分やメッセージが多すぎるのも難。
自動生成の3Dダンジョンに繰り返し潜りキャラクターを強化、最深部を目指せ!『ソウルウィザーズ&ローグライト』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:3月27日
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自動生成の3Dダンジョンに潜り、素材や装備を集めてキャラクターを強化、満腹度に気を付けながらダンジョンの最深部を目指すRPGです。固定キャラクターしか使えないのは残念ですが、毎回ダンジョンから脱出するたびにLv1に戻り、戦闘では拾ったアイテムの活用によるサバイバルが求められる……というゲームプレイは、上手い感じにローグライク要素が絡んでいて魅力的です。
装備品にもソケットや強化オーブといった仕組みがあり、これを強化していくことで強さが引き継がれていく点もなかなか楽しい。見た目はAIイラスト全開感があって、インターフェース・戦闘システムもRPGツクール感が消せていないのが正直な印象ですが、充分遊びこめそうな可能性を感じるDRPGです。
食べて太れば太るほど強くなる!特殊性癖DRPG『Savoring Sword』
プラットフォーム:PC(Steam・R-18要素あり)
リリース日:3月30日
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本作はリアルタイムDRPGで、自動生成の迷宮に巣食う敵を倒しながら奥の階層へと進んでいく……というゲームシステム自体はオーソドックスなものですが、主人公が小太りビキニの女戦士で、しかもダンジョン内にある食料を食べれば食べるほど太って強くなります。
太いのは主人公だけでなく、迷宮に巣食うモンスター娘たちも同じ。カロリー過剰摂取者向けの特殊性癖のワンダーランドです。DRPGは広大だわ(呆れ)。
手描きモンスター娘たちの誘惑。『Dungeon Vixens: A Tale of Temptation』
プラットフォーム:PC(Steam・R-18要素あり)
リリース日:4月8日
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本作はモンスター娘たちの巣くうダンジョンに剣士がソロで挑むDRPGです。本作もセクシャル要素を含むDRPGですが、対象となる敵のほとんどは「モンスター娘」というまだアブノーマル度の低い属性ですので安心してください(何が)。マウスボタンのタイミングよいクリックで攻撃・防御をする戦いはそれなりに緊張感があり、楽しめます。
デッキ構築ローグライト+DRPG……ってマップ常に全開なのはアリなの?『Monster Girl Descent』
プラットフォーム:PC(Steam・R-18要素あり)
リリース日:4月19日
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やっぱり本作もモンスター娘たちの巣くうダンジョンに挑むDRPGです。本作が独特なのは、『Slay the Spire』系統のカードバトルを採用していること……ですが、このバランスがあまりにも悪い!この手のカードバトルには「カードのアップデート」機能があるものも多く、本作もそれを踏襲していますが、カードをアップデートするとコスト増加しつつ威力はほとんど上がらないという、実質的にカードがパワーダウンするアップデートを搭載したデッキ構築型ローグライトを筆者は初めて見ました。
DRPG部分にしても最初から画面右下にダンジョン全体のミニマップが見えており、3Dダンジョンの意味がほとんどありません。モンスター娘のデザインがツボった……という方のみどうぞ。
広大な砂漠を放浪する冒険DRPG!『Crossing The Sands』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:4月20日
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本作は広大な砂漠を舞台にした、6人パーティの『マイトアンドマジック』ライクな古典的3DダンジョンRPGです。砂漠は広大なだけあり、右上に常時ミニマップが表示されているとはいえマップ埋めにはかなり苦労します。戦闘は『ウィザードリィ』方式の伝統的なコマンド式で、ターン制の昔ながらの戦闘が楽しめます。
しかしながら、うっかり敵の巣くうキャンプに飛び込むと高レベル敵の暴力であっさり全滅するのでご注意を。こまめなセーブと着実な進行が必要な、オールドスクールDRPGと言えるでしょう。
物議を醸した学園DRPGも蘇った!『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』
プラットフォーム:PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ
リリース日:4月26日
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2008年にPSPで発売されたファンタジー学園を舞台にしたDRPG『剣と魔法と学園モノ。』シリーズがSteamにも登場しました。
ランダムにシャッフルされるダンジョン構造や、古典的なDRPGを引き継いだキャラクターメイキングなど、DRPG入門者に優しくない面はありますが、全体的にテンポの良いゲーム性や一度踏破したフロアのショートカット、先行してスイッチで発売されたバージョンで追加された「闘技場」を利用したパワーレベリング、クリア後ダンジョンでの無数のレアアイテム掘りなど、深く遊びこめる要素は揃っています。
ゲームの基礎部分が古すぎることはもはや否めませんが、キャラクター成長とアイテム掘りを楽しむゲームとしての完成度の高さは今でも健在です。
新たな学園生活も(溺死トラップはそのままに)蘇った!『剣と魔法と学園モノ。2G Remastered Edition』
プラットフォーム:PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ
リリース日:4月26日
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2009年にPSPで発売された『剣と魔法と学園モノ。2』のリメイク版もSteamにも登場しました。全体的にグラフィックがリファインされ、かつ声優によるNPCたちのボイスも追加されて賑やかにはなったものの、全体的な敵の強さやダンジョンの難易度は上がり、かつ職業の種族制限も厳しくなったことで冒険はよりシビアさを増し、PSP版を遊んだユーザーに初見の衝撃を与えた「溺死トラップ」が中盤以降乱発される点もそのままです。
ただ、溺死トラップには一応の対処法が用意されており、ゲームが中盤を越えるとこちらもインフレじみた戦闘力を得られるようになるので、その領域にたどり着けるか否かで評価が分かれるタイトルといえるでしょう。
なお、Game*Sparkでは『剣と魔法と学園モノ。』シリーズ2作のSteam版のプレイレポートを掲載しておりますので参考にしてください。
英単語を推理して導き出せ!クラシックだけど新しい単語探しダンジョンAVG『Cryptmaster』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:5月10日
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本作の舞台はモノクロで描かれる地下の迷宮。プレイヤーは謎の悪魔の導きに従いながら、ダンジョンを探索します。ダンジョンには宝箱も多く配置されており。その中に何が入っているのかを「TOUCH」「HEAR」などの質問で様子を探りつつ、提示された文字数をヒントに当てることが要求されます。また、敵との戦闘では各キャラクターの行動も「HIT」「ZAP」などといった英単語で指定する必要があり、どのような行動が使えるのかを探していくのもプレイヤーのミッションのひとつです。推理力を問われるかなり面白いダンジョンアドベンチャーなのですが、やはり全編英語というのが日本語話者としてはハードルが高く、かつゲームの性質上日本語へのローカライズがまったく期待できないのが残念なところです。まじめに英語を勉強してれば、もっと本作の面白さを感じられるし、伝えられるかもしれない……!と思ったゲームでした。
放て強大な百合パワー……がナーフされてしまった。『ウィッチ・アンド・リリィズ』
プラットフォーム:PC(Steam・早期アクセス)
早期アクセスリリース日:5月24日
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発表時は「百合DRPG」として注目を集めた本作。満を持してSteamに早期アクセスで登場し、その強大な百合パワーを見せつけるような連携攻撃には可能性を感じたのですが……あまりに強力過ぎたらしく、アップデートにて合体技はかなりのナーフを受けてしまいました。これにより、筆者としてはこのゲームから尖った「牙」の部分が抜かれてしまい、ただの『世界樹の迷宮』クローンになってしまったなあ……というのが正直な印象です。
とは言えまだ早期リリースの段階で今後百合パワーが復活する可能性もありますし、現時点でも「かわいらしい百合風味のキャラクターで『世界樹の迷宮』風のDRPGを楽しむ」という需要には応えられるゲームかと思います。なお、弊誌では「牙」を抜かれる前のプレイレポートも掲載していますので参考にしてください。
奇跡の大地はまだそこにある。『エルミナージュOriginal』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:5月24日
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2008年に第1作がPS2で登場した『エルミナージュ』シリーズ第1作リメイクの日本語版がついにSteamに現れました。基本的なシステムは『ウィザードリィ』を踏襲しつつも、顔アイコンの取り込みに対応した自由なキャラクターメイキング、そして個性あふれる職業、そしてどこまでもキャラクターを育てられる要素と、改めて「奇跡」的な出来を感じるDRPGです。本作の紹介記事は以下のリンクです。やれ!いますぐやれ!やって、弾けてみろ!!
実質的な「DRPGの原点」に触れたい方に。『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』
プラットフォーム:PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ
リリース日:5月24日
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1981年のオリジナル版登場から43年が経ち、『ウィザードリィ』第1作のフルリメイクが正式リリースされました。実質的な「DRPGの原点」がこうして蘇ることは、喜ばしい事だと言えます。
早期アクセス当初はゲームシステム的にも結構難がありましたが、度重なるバージョンアップで「オリジナル版のリマスター」としては快適な部類に仕上がっています。とは言え、現代の便利なDRPGに慣れきっていると、本作は厳しい作品であることも確かでしょう。その厳しさも歴史の一つとして受け止められるかどうかが、本作の評価に関わってくるのではないでしょうか。
魔法使いの弟子はネコを追う。ピクセルアートリアルタイムDRPG『Labyrinth: The Wizard's Cat』
リリース日:6月1日
プラットフォーム:PC(Steam)/iOS/Android
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偉大なる魔法使いの弟子であるプレイヤーは、卒業試験として師匠の飼い猫を探すことを命じられます。そのときプレイヤーはネコを追った先に、広大なダンジョンが存在するなど思いもしなかったのです。
そんな導入で始まるソロ探索のリアルタイムDRPGで、敵の攻撃アニメーションの間隔を見てのヒット&アウェイや、数々のリアルタイムトラップを潜り抜けていくこの手のDRPGの入門作としては悪くない出来かと思います。
遊びやすさにこだわったラノベ原作DRPG『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ Quest of Memories』
リリース日:6月20日
プラットフォーム:PC(Steam)/PS5・PS4/ニンテンドースイッチ
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原作は「小説家になろう」発のライトノベルで、アニメ化もされた「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」を初期の『世界樹の迷宮』の開発で知られるランカースが3DダンジョンRPGに仕上げたゲームが本作です。本作は主人公である現世からの転生者・ルーデウスの大人時代の回想という形でゲームのストーリーが語られていき、3人パーティでそれぞれの個性的なスキルを使いながらダンジョンを攻略していきます。
敵を倒して得るスキルポイントでスキルツリーからスキルを習得・強化することができ、振り直しも自由なのでキャラクター育成もやりやすく、またダンジョンからはいつでも脱出できるなど遊びやすさは数あるDRPGの中でもずば抜けている部類です。
やや難易度の尖り方にかける印象がある、一部のクリア必須のミニゲームの難易度がやや運任せで高いという問題こそあるものの、3DダンジョンRPGの入門者、あるいは原作ファンならば遊んでみても損はないゲームと言えるでしょう。本作については過去に弊誌にプレイレポートを掲載していますので、そちらもご参照ください。
異世界転生したらそこは3Dダンジョンだった!?『Get To The Gate』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:8月19日
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新作ゲームを買いに行く途中でトラックに轢かれて死んでしまったマリア。彼女が転生した世界は……まさにそのゲームの中でした。このゲームをクリアしたら生き返ると伝えられたマリアは、島中を奔走します。
本作は一見リアルタイムDRPGに見えますが、完全ターン制DRPGで、火球が飛んでくるようなトラップもありますが、ボタンを押してグリッド表示することで危険なマスを表示することができるという仕組みになっています。
ダンジョン内では「マナ」が有限であり、体力回復や遠距離攻撃、帰還といったスキルの使用に必要なリソースなのでマナを切らさないように考えつつ先へと進む、アドベンチャーゲーム色の強いDRPGです。日本語訳はそこそこのクオリティで、遊ぶには充分です。
燃料の続く限りダンジョンを潜り続けろ。『ISEKI』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:9月3日
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燃料が続く限りダンジョンを探索し、燃料が尽きる前に拠点に帰還、探索で得た素材で燃料保持量やパーティメンバーの装備を強化していき、さらなる深層を目指す……というダンジョンクロウルの本作。敵との戦闘はオート戦闘で、装備品(メモリースレッド)によってパーティメンバーが取る行動が変わる……というシステムが導入されていますが、装備にはいろんな制限が多く、なかなか思った通りの行動は取れません。
キャラクターについてもAIイラストで、プレイヤーによるイラストや名前の変更も不可……と、プレイヤーキャラクターに愛着を持ちづらいのも本作の難点です。ダンジョンの構造も単に迷路的なもの、壁や床のテクスチャも単純で、探索も単調に感じてしまう印象。自動戦闘の仕組み自体に可能性は感じるし、将来的には大規模アップデートも予定されているとのことですが……。
ピクセルアートのダンジョンアドベンチャー『Magic Cauldron - Dungeons』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:9月26日
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疑似3Dのピクセルアートで表現された街やダンジョンを歩き回る、アドベンチャーゲームが本作です。リアルタイム性は一切なく、敵との戦闘はシンプルなターン制の殴り合いで行われます。
また、経験値の概念もなく、不要な敵との戦闘は極力避けたいアドベンチャーゲームとなっています。操作感はさほど悪くなく、伝統的な探索アドベンチャーゲームが好きな人であれば、本作を気に入る可能性は高いかもしれません。
サービス開始当初の不具合阿鼻叫喚が本当に惜しい……!『Wizardry Variants Daphne』
プラットフォーム:iOS/Android
リリース日:10月15日
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『ウィザードリィ』の完全新作スマートフォンRPGです。純粋な3DダンジョンRPGという部分は踏襲しつつ、明確な主人公と個性的な仲間たちを引き連れて迷宮へと潜る……というDRPGとしての骨子はしっかりとしており、それでいて遊び応え・操作性も充分なスマートフォンDRPGでした……正式公開前のメディア向けプレビューの段階では!
正式サービス開始後、あんなに不具合が多発するなんて誰が想像しただろうか?(筆者はまったくそんなことが起こるだろうと予想もしてなかったし、実際にハマりに遭うとも思っていなかった。おそらく開発陣も同じだったのではないか……と思っています)。
ただ、多くのアップデートと運営陣の体制刷新を経て、現在では不具合に出会う割合もかなり減りました(筆者もハマりから無事救い出されましたし、現バージョンでは「強制脱出」機能もある)。ダンジョン内で宝箱からポイントが出るだけの期間限定イベントの賽の河原の石積み的虚無感はあるものの、本編に関して言えば「スマートフォンにうまく適合した変種ウィザードリィ」という筆者の感想は変わりません。
ある程度不具合が落ち着いてきた年末年始のタイミングの今こそが、改めて本作を開始するのにふさわしいかと思います。
ネコのネコによるネコが潜る伝統的DRPG『Nyaz』
プラットフォーム:PC(Steam)/iOS/Android
リリース日:10月26日
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『ウィザードリィ』ライクなゲームながら、パーティメンバーは「ネコ」という、変わり種のDRPGが本作です。とはいえ過去にブラウザDRPG『NIZ』『MIZ』や、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の公式シナリオ「偽りの代償」の原案など、DRPGで実績のある白峯氏の作品だけあって、厳しすぎず、かといって優しすぎずの絶妙なバランスの、DRPG初心者向けにも完成度の高いシナリオに仕上がっています。
本作のアイテム性能や魔法の効果は『ウィザードリィ外伝 五つの試練』にかなり近いものとなっているので、同作に入る前の入門作としてもお勧めです。またアップデートによりエンドコンテンツも追加され、ある程度『ウィザードリィ』系DRPGを遊んだ方にとっても歯ごたえのあるDRPGです。本作の紹介記事については以下をご覧ください。
最初からクライマックスなイベント主導型リアルタイムDRPG『Dawn of the Ashen Queen』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:11月8日
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辺境の国王から密書を受け取り、隣国へ届けるクエストを受けた冒険者。しかしその冒険者が泊まった村は焼き討ちに遭い、謎の女エルフとともに逃避行を続ける……という、最初からクライマックス展開なリアルタイムDRPGが本作です。
本作はリアルタイムDRPGに慣れていることが前提の難易度と思われ、的確にヒット&アウェイを繰り返してノーダメージで敵を倒すことが出来なければ苦しい場面が多々あります。逆に言えば、高難易度のリアルタイムDRPGに飢えている人にとっては待望の作品かもしれません。
だだっ広い町やダンジョンのお使いに奔走!『Throne Requiem』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:11月9日
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6人パーティで街や地下道や塔を探索し、敵を打ち倒す『マイトアンドマジック』タイプのオーソドックスなDRPGなのですが……拠点となる町のデザインがやたら長い直線道でいろんな施設を繋いだだけ(しかも壁が高いので圧迫感ありまくり)なのは何とかならなかったのでしょうか。当然ミニマップ上の目的地や施設のマーカー表示なんてものもありません。
いかにも「3DダンジョンRPGを初めて作ってみた」感のあるゲームなので、そういう初々しさが恋しい人は購入を検討してみてもいいでしょう。それを味わうのもデモ版を遊ぶだけで充分で、このゲームに2,000円近くも払うのは筆者のような物好きだけでいいと思いますが。
「if…」っぽい韓国発学園ものDRPG『学院魔境 ~High School Crisis~』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:11月21日
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ある日、学園が異界に飛ばされたらどうしますか?パートナーを探し、学園中から武器や防具になりそうなものを集め、悪魔と戦う……そんな『真・女神転生if…』を彷彿とさせる韓国発のDRPGが『学院魔境』です。
『真・女神転生』シリーズと違う点は「悪魔召喚プログラム」が存在しないこと。人間6人でパーティを組んで、敵と戦います。このあたりは『ペルソナ』シリーズとの折衷といえるかもしれません。また、舞台は「異世界」ながら一見現代世界とそう大差ないように見える……という点は『真・女神転生 ストレンジジャーニー』を彷彿とさせます。
とは言え、本作のゲームバランスはかなり粗く、筆者は最初の魔界のボス敵が即死威力の物理攻撃を仕掛けてくることで心が折れました(タイミングよくボタン入力することにより敵の攻撃を弾くことができるが、ご丁寧に回避が難しい多段攻撃)。ゲームの難易度調整って、こういうことじゃないと思いますよ。
カルト仮面教団の塔をFPS風アクションで登り切れ!『Tower of Mask』
プラットフォーム:PC(Steam)
リリース日:12月7日
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謎の仮面教団の塔に潜入し、その制覇を目指すリアルタイムDRPGが本作です。敵やトラップがリアルタイムで動作するのは『ダンジョンマスター』や『Legend of Grimrock』といったリアルタイムDRPGの名作を踏襲していますが、本作の独自のポイントは「マウス右ボタン押しで構えを取り、左クリックで画面中央のマーカーに向けて攻撃を放つ」というFPS風アクション要素。
攻撃をうまく敵の仮面に当てるとクリティカルとなり、大ダメージを与えられます。これとWASD移動を組み合わせたアクションはやや忙しめですが、慣れると違和感のない操作ができます。ある意味PS初期の名作『キングスフィールド』の遺伝子も感じる本作、リアルタイムDRPGの愛好家ならばプレイして損はないかと思います。
以上、2024年にリリースされたDRPG27作品、あなたの印象に残った、あるいは遊んでみたい!と感じた作品はありましたでしょうか?本記事をきっかけに、少しでもDRPG沼の中にいる人が増えれば幸いです。
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