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現在、全国にゲームセンターと呼ばれる業態は何店舗あるでしょうか?
既に専業店舗数は3,000(出典:バンダイナムコHD 2024/3月期統合資料)を割っており、純粋なゲーム機を置いているゲーセンも数が少なくなってきました。今現在はプライズ機が主流になったことで新規オープンするゲームセンターもプライズがメインになってきており、平成のようなビデオゲームが主流だった日々も今は昔と言えるでしょう。
そんな中、読者の皆様はスロット専門ゲームセンターという異色な業態についてご存知でしょうか?
全国のパチンコホールも消費や趣味の多様化などで減少傾向にありますが、そのホールで稼働した台だけをメインでプレイできるゲームセンターを指し、ホールと同じような感覚でプレイできます。
結論から先に言いますと、ぱちんこ台(ひらがな表記でどちらも指しますが、記事中では都度別記します)はゲームセンターで稼働しているアーケードゲームと同じく個人でも購入できます。ゲームセンターで稼働しているゲームはまだメーカーがサポートしているタイトルもあり、かなり古いゲームでも設置して、店舗で収益を取ることも可能です。
しかし決定的に違う点として、ホールは許認可の問題から年代が大きく異なる古い台は、そもそも設置できないことが挙げられます。
ぱちんこ台が販売される前提までにも長いプロセスがあり、ホールで台を稼働させるには設置してから警察の許認可も必要です。詳細は省きますが、そのままだと最長6年しか稼働できず、稼働終了した台はリサイクルや廃棄となり、再設置されることはほぼありません。認可が残っていれば他ホールで稼働することがありますが、よほどの人気や理由がなければそれは叶いません。更に、再生産されることも稀で基本的に再生産・増産されることはありません。
そのため、新台はホールしか買えません。全国のゲームセンターに設置されている台は基本的にはホールに一度置かれた中古台を使用することになります。
ただ、個人で買うにはスロット台もパチンコ台も所有するハードルも高く「台集め」という趣味に走ると家族や隣人との兼ね合いも発生してしまいます。
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筆者も合わせて5台程所有していますが、スロットのリール音は無視できないレベルです。
そんな台を扱う個人向けのマーケットも平成初期から存在しており、手に入れるだけならそこまで難しくありません。ですが法律の推移もあり、手放す際には粗大ゴミとして処分する必要があります。1980年代終わりから存在する昔の台は、可動パーツだけでも貴重になっています。
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さて、スロット専門ゲームセンターの話に戻りましょう。全国では関東に固まっており、ある程度の規模のお店は6店舗ほどしかありません。そんな数少ないスロットゲームセンターですが、この10数年で実は閉店・廃業した店も多く、筆者が把握しているだけでも結構な店舗が既に閉店しています。
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そんな中で、岡山の「ガラパゴス」というスロット専門ゲームセンターはコロナ禍の2022年8月10日にオープンしていました。全国からも日々ユーザーが集まる盛り上がりを、筆者もネット上で目にしています。
今回の記事では、この「ガラパゴス」の担当者に直撃取材。苦境とも言えるゲームセンター業界で「なぜ“スロット専門ゲームセンター”を運営しているのか」などを訊いた、ゲームメディアとしては貴重なロングインタビューをお届けします。
スロット専門ゲームセンターガラパゴス
〒700-0027 岡山県岡山市北区清心町16-31 ボウリングフェアレーン 1F
https://galapagos777.com/
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最初はゲームセンターをやるつもりはなかった
――自己紹介をお願いします。
北 一晃氏(以下、北氏)ガラパゴスで、営業面の運営全般を担当している北 一晃と申します、よろしくお願いします。
――ゲームセンターではメダルゲームとの複合でスロットを設置しているケースが一般的です。「ガラパゴス」はどういった経緯でスロット専門ゲームセンターになったのでしょうか?
北氏僕はもともとパチンコ店のコンサルティングをしていました。趣味で集めていたスロット台が100台あたりを超えてきたときに、営業先の偉い人に「北さん、ゲームセンターもできるんじゃないですか?」と言われたことがきっかけですね。最初はそんなにやる気もなかったんです。ゲームセンター行って遊ぶのはいいんですけど、実際に自分がやるっていうのは現実的に考えたことなかったので。
でも趣味で台数を集めてたら、周りも盛り上がってきて。僕もどんどん本気になって始めるノリになり、そこから本気で物件を探し始めて、開業に至りました。
――主流のスロット専門ゲームセンターは関東に集まっていますが、なぜ岡山にオープンされたのでしょうか?
北氏僕が岡山で仕事をしていたからですね。もう2015年か2016年ぐらいから、ずっと岡山です。コンサルティング業をやっていたので、そこの法人さんとそういう話になったって感じですね。
――元々ホールだったところを「ガラパゴス」として、ゲームセンターに変えたのでしょうか。
北氏「ガラパゴス」は、もともとパチンコ店でした。近年パチンコ店がどんどん減少していますが、閉店されることになった法人さんと、僕のクライアントだった法人さんが仲良しだったんですよ。その縁があったので、この店舗を使っています。
――来店されるユーザーの年齢層や性別の割合はどうなっているでしょうか。また「ホールに行ったことがない」というような未経験者が来店されることもあるのでしょうか?
北氏年齢層で一番多いのは、30代か40代の男性ですかね。ホールに全く行ったことない人は……来ないことはないですけど、割合的にはかなり少ないですね。やっぱり昔の台が好きだとか、そういう方の付き添いで来るようなケースが多いです。どの世代にしろ、実際にそのホールで遊んで、スロットが好きでっていう人がほとんどですね。
――だいたい北斗・吉宗の4号機末期から5号機ぐらいの年代ですかね?*1
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北氏まさにそこが一番の中央ポイントですね。5号機の設置比率が一番多いんですけど、5号機って言ってももう30代とか、40歳前半ぐらいでも5号機世代だと思います。
*1 検定という台の認定試験の呼び分け方。文中では2004年~2019年辺りを指します。
――その世代の中でもっと古い機種に触れられて、リピート来店される方はどれくらいいらっしゃるんでしょうか?
北氏リピート率で言ったら、来店頻度は少ないですけど、7割ぐらいはもう1回来たりはしますね。レトロの場合は設置している台数が少ないこともあって、事前に予約してもらってて打ちにきてもらう感じですね。
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――「動画撮影プラン」というものも用意されていますよね。これはかなり珍しいプランだと思うのですが、実際にはどれくらい稼働されていますか?
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北氏動画撮影プランは2パターンありまして、ひとつは「動画が撮りたいんです」と依頼されるパターンです。もうひとつは……ゲームセンターの中って騒がしいじゃないですか。他の遊戯台の音が入りますし、他のお客さんが後ろを通ったりもするので、そういった煩わしさのない別室を利用するパターン。こちらのほうは、毎週来られるお客さんがいますね。最初は一人だけだったんですけど、最近新しく増えてきています。皆さん、動画を撮るときに周りの音が入らないようこだわりたいんですよね。
――導入前に「ウケる」と感じていた台やサービスはありますか?
北氏僕はもともとやっている仕事がコンサルティングというのもあって、ゲームセンターを結構視察したり、研究していたんですよ。実家が関東なので、帰ったら必ずゲームセンターを何軒か見て、人数や打っている人の姿、打っている台が具体的に何なのかと、全部何回も調査していました。そのため、結構思い通りに進んでます。
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客層のメインが5号機だってのは分かってたので、5号機でウケる台を選ぶわけです。例えば鉄板で行ったら『新鬼武者』や『バイオハザード5』や『パチスロ鉄拳2nd』『パチスロ モンスターハンター(ロデオ)』など、誰からも愛されてる台を入れないとダメなんで、そういう意味では狙い通りにいきました。5号機のオーソドックスな台選びもそうですし、どういう台を中心に置けば最初から上手くいくかという狙いなんかも、思い通りにいけました。
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――過去に閉店されたお店も含めた研究が今の料金プランや台の設置の方針に繋がっていたのでしょうか。
北氏そうですね。最初に視察してたぐらいの時って、殿堂さん(東京上野にある専門店)とかはまだサンドにお金を入れてたんですよね。僕が他の店を視察・研究してた時、最初に話してたのはライズさん(東京巣鴨にある専門店)と殿堂さん。そこはサンドにお金を入れてコインを出して遊ぶっていうシステムで、10年以上も上手くやっています。そういうところも大事なのかなと思って、最初はその方向で考えていました。
しかし、そういった店舗はコロナ禍の前ぐらいから入場料をとるシステムに変わってきたのです。確かに、見ていてもそっちの方がお客さん的にも分かりやすいなと感じました。
メダルサンドにはたくさん懸念がありました。例えば、前日のボーナスが残っていたりとか。連チャン中にわざと閉店ヤメして、リセットしなかったら最初に買った1,000円で遊び続けるような、パチンコ店の感覚になっちゃうんですよ。
数十枚でボーナスがかかって連チャンしてメダルが出て、それで1日遊ぶ……。なんか、そういうことを気にするのも嫌だなって思ったんです。なので、入場料制に切り替えました。
――なるほど。今のメダルレスに至るまでにも、様々な経緯があったのですね。
北氏最初はもう、メダルでやる気でしたね(笑)。ガラパゴスを始める時にも「中古のスロットを扱ってゲームセンター用に運営する」っていう、その道のプロの話を訊いていましたから、うちでも出来ることは出来ます。やっぱり、どうしても僕自身はメダルでやりたかった。
ドル箱……昔、僕らの時代では「縦積み」とか「木の葉積み」とかって言うんですが、ああいうことをお客様に体験させたいなって気持ちがあったんです。「どんだけドル箱に詰めるんだ?」みたいな。ああいうのってやっぱ4号機以前(1992年以前)から打ってる人にはひとつのロマンじゃないですか。
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まだノスタルジアさん(横浜にあった専門店)が運営されてた頃は「ファイナルミッション」を打ってたお客さんの頭上に2つ3つとか、凄いカチ盛ってて。その光景を見て「やっぱこういうのがいいな!」って僕も思ってたんですが……結果的に、ガラパゴスはメダルじゃない方が正解だったんです。
ゲームセンターとして風営法の許可を取るときに、警察の方から「パチンコ屋とは異なるようにしてほしい」と言われてしまいまして、メダルでは許可が下りなかったんです。本当はメダルもサンドもオープン前に買っていたのですが、結局は使わずです。それでもノウハウのひとつになってはいますね。
――メダルレスとなった決定的な理由は、風営法にあるのでしょうか。
北氏そうですね。担当される所轄によって、差は絶対あると思います。ガラパゴスの近くは教育に力を入れてる区域(※店舗の前には大学がある)です。やはり風営法に基づいて許可をもらえなければ運営できないので「わかりました」と答える選択肢しかなかったです。
――オープンされたのは2022年の8月頃でしたが、当時はコロナ禍だったのもあって、結果的にメダルレスとも上手く噛み合ったのでしょうか。
北氏そうですね。コロナ禍も終盤ではあったと思いますが、まだまだ全員マスクという時期。ただ、運営的にもメダルレスの利点は結構いっぱいあるんですよ。
メダルはトラブルが起きた時に、お客さんが迷惑しちゃうというか。例えば、メダル詰まりです。ホッパー(胴部分にあるメダルの払い出しを行う機械)とセレクター(メダルの認識部分)の2つが、万全な状態じゃないとダメなんです。そういったパーツは壊れやすいし、コインの投入口も汚れますし。その問題に対応するためには人件費もかかるので、そういう意味ではメダルレスで良かったなと感じます。
――台のメンテナンスは、どれほどの頻度で行われていますか。
北氏スタッフが巡回して、常に外側は綺麗にするようにしています。分解掃除が必要な台は、月に1回は必ず対応していますね。よくあるのは、液晶が映らなかったり、そもそも壊れやすい台。そういうものは月イチで分解してメンテナンスしています。
でもほとんどの台は「いきなりぶっ壊れる」みたいなことはないんです。30年前の台とかも動いてますし、意外とパチスロって頑丈なんですよね。どっちかっていうと液晶付きの5号機などの方が壊れやすいんですよ。
――筐体の選定や入れ替えサイクルは、どういった基準で判断しているのでしょうか。
北氏入れ替えサイクルの基準は、 だいたい僕が判断してやってます。感覚ですが、自分が実際にゲームセンターに遊びに行ってて「飽きてきたな」と思ったぐらいのタイミングで入れ替えてます。
――たまにXで上げている「倉庫に持って帰ります」みたいなポストは、そういった調整のことを指しているのでしょうか。
北氏あれはもう、人気がないんで完全に撤退って意味です。予約専門の一次倉庫もすごい数で、300以上あるんですよ。一次倉庫といっても店の奥のことで、もう置ききれないから店内にも出してますが(笑)。
――基本的には、一次倉庫にある台をメインにして出しているという感じですか?
北氏そうですね。倉庫にある台をメインに出してますけど、常連の方は一次倉庫の台も把握しているので、新鮮味もなくなってきます。残り2つの倉庫からも定期的に台を持ってきて、ちょっとずつ一次倉庫の中を変えるようにしています。
――最近は台の単価だけでなく、旧台・レア台の価格も高騰していますよね。
北氏本当に「上がらないでくれ」って思ってます。僕が買い集め始めたのは2018年の終わりぐらいなんですけど、その時で普通に1万円か1万5千円ぐらいで買えた台が、3万円とか3万5千円とかぐらいなんですよ。送料も高いこともあったんですが、コロナで物凄く単価が上がりましたね。コロナ禍の影響で、家スロの需要も高まったということでしょう。
――2018年末頃からだとコレクター歴は浅い方だと感じますが、それでも300台オーバーは凄いですね。
北氏パチンコも合わせると、現時点で持っているのはだいたい500台ぐらいですね。
――パチンコも設置する予定があるのでしょうか。
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北氏パチンコも置きたいんですけど、なかなか難しいですね。スロットはただの箱なんですけど、パチンコは「回収」だとか「リフト」だとか、玉を巡らせるのに必要な物が多くなります(※2)。循環式(※3)にするのは違和感があるので、パーソナル(※4)にするのが良いとは考えてますが……島作りが大変なので今はまだ、ってところです。
*2
パチンコは台単体でキープできる玉数が少ないため、実際のホールでは台の裏にある貯蔵場から補給玉を組み上げて上から流し込むような設計になっている。そのため、手動補充を考えずにパチンコ台を設置する場合は手間と専用の設備が必要になる。
*3
通常のゲームセンターで設置されているパチンコのほとんどは「循環式」のタイプ。台がキープできる玉だけで遊ぶことができる。
*4
パーソナル管理システムの略。玉を流して所有している出玉をデジタルで管理する仕組みで、箱の積み下ろしの必要がないため店側にもメリットがある。しかし循環式と異なり、台だけでは完結しないので専用の設備が必要となる。
――今後、ホールで稼動しているような台を導入していくのでしょうか。
北氏最近やってますが、コンテンツによります。良い悪いがハッキリしてますね。ホールに入ってるやつは、中古のレトロ台を買うより高いのが多くて。なにせホール用の値段ですからね。
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スロットも、新台で60万円とかしますから。ゲームセンターでは非現実的です。10万円オーバーの台は、ゲームセンターではかなり高価です。新しい台は、人気がなくなればなかなか現実的な値段でネットオークションに出ます。ホールから外れたものの行き場がなくなるんだったら……と思うと、家スロ用途として倉庫に移したいとは思いますね。
2号店を展開したい、と思いつつ……
――倉庫には何百台ものスロットがあるということでしたが、2号店の展開については考えられていますか。
北氏できたらやりたいなと思うんですけど、近くでやってもダメなんですよね。運営を数年やったことで、「上手く行く条件」をすべて分かっているんです。そのうえで、当てはまるポイントがないというのが現実です。
最近は、電気代が非常に高騰してるんですよ。2024年の秋口ぐらいからかな……とんでもなく固定経費が上がっている点については見過ごせません。もちろん条件はそれだけでなく、置く台を持ってるか持ってないかも大切。台がなければそもそも成立しないですから、これが一番の条件です。
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あとは立地。パチンコ店同様にユーザーは年々減ってはいますけど、それでも全国にファンはいるじゃないですか。一方でスロット専門ゲームセンターに遊びに来るユーザー数は、ものすごい少ないんですよね。ガラパゴスには兵庫、大阪、広島などの近県から東京、遠いところだと北海道の方もいらっしゃいます。もちろん地元のお客さんもいて、営業が成り立ってます。
なので、ただ近隣に1軒増やして同じようなスタイルかつ同規模にしたら、シンプルに半減するじゃないですか。そう考えると、あんまりゲームセンターがいっぱいあっても有意義ではないように思えます。
でも、昔の雰囲気を少し味わいたいっていう方もいらっしゃると思うんですよ。スロットの本当のブームって「クランキーコンドル」が出てからの1995年以降。ガラパゴスはパチンコ店を使ったスロット専門ゲームセンターですから、平成、1990年代の活気があった頃の雰囲気は出せていると思います。そういった雰囲気を楽しみたい方には応えられます。
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――今後、スロット専門ゲームセンターを運営したい方に伝えたい「法規制の対応」や「開店のノウハウ」に関するアドバイスはありますか?
北氏そういったご相談も、依頼があれば考えるかもしれません……もし、あれば(笑)。実際、結構そういう方もいらっしゃいます。グランドオープンして1年間ぐらいの間は、「勉強させてください」という方も結構来ました。お金の部分は伏せた上で「こういう風にした方がいいんじゃないかなと思いますけど」みたいなアドバイスをさせていただいて。
僕も最初はその道のプロの方々に相談したのですが、そういったときに「必ず問いかける言葉」というものがあるのです。「誰が台を持ってるの?」。これは絶対に重要ですから、僕も聞きます。土地などは二の次とするぐらい「台」ありきの話なんです。80台ほど設置予定としている方が「120台持ってます」と言ってきたら、僕ならそれは難しいと答えます。
――120台でも少ない方なんですか?
北氏全然少ないですね。「80台設置」に対してだと、ストックも40台しかないわけじゃないですか。今後買い足していくとしても、今は台が高騰していますし、数の多い4号機も価格が上がっています。
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『獣王』とか『モンハン』を買うにしてもですよ。よくある台を買う。そうすると、どれぐらい資金があるのかって話になるんですよ。まず出物がないですし、僕でも欲しいと思ってたのが手に入らないほどなんです。ずっと手に入れられていないものもいっぱいあるんで。最低でも設置台数の2倍ぐらいはないと厳しいんじゃないかなと……。
――ガラパゴスも、拡張してあの設置台数ですもんね。
北氏最初は104台からのスタートですから。今月27日にリニューアルオープンして132台まで増えます。この狭い中で置けるところに置けっていう(笑)。まだスペースはあるんですけど、これ以上置くと、狭くなるので。
――そうなったらもう、カウンターの前に置くしかないですね。
北氏そういう話になっちゃう(笑)。台間も結構重要じゃないですか。居心地もあって、来てくれてる方もいるので。
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――ガラパゴスを経営してきた中で印象に残っていることはありますか?
北氏すべての出来事が印象に残ってると言えば残っているんですが(笑)。特に印象に残っているのは、オープンした8月10日です。先んじてSNSは運営していたんですけど、そこで「こんな感じにやりますよ」ってかっこいい写真を撮ったのがバズったんです。
この出来事がなければ、出だしは順調にいかなかったと思います。バズらなかったら失敗してた……とは言わないですけど、お客さんに注目してもらえるには、SNSは非常に重要だったなと思ってますね。
――今回のインタビューをご覧になっている読者で、実際に興味を持った方や「行ってみたい」と感じた方に向けて、改めてスロット専門ゲームセンターの魅力を伝えていただけるでしょうか。
北氏パチンコ店の入れ替えサイクルって、ものすごく速いじゃないですか。だから、思い出のある台や好きだった台は、実機を買って自宅に置かないと一生出会えなくなっちゃうと思うんです。でも、スロット専門ゲームセンターにはそれが揃っている。この面白さが、お客さんが足を運んでくれる一番の理由だと考えます。
そんな自分が好きだった台を、友人が好きだった台と組み合わせて予約して打つことも実現できるのも、ガラパゴスのいいところなのかなとは思います。
だから、ガラパゴスに来る方とパチンコ屋にしか行かない方の違いっていうのは、もう明確です。「ギャンブルでないと面白みを感じない」という方が多いと思うけど、ギャンブルではないカードゲーム、麻雀、ポーカーなどが好きな方もいらっしゃいますよね。
僕もそういう意味で、パチンコやスロットというゲームそのものが好きなんです。だから、実機を買って家で打ったりしています。
全体の遊技人口の1割か2割ぐらいしかいませんけど、そういう人たちはやっぱりゲーム自体が好きなわけですから、お客さんも同好の士として話が合うんです。
でも、未経験者や知識がない方にも実際に店に来ていただいて「何かを見つけてほしい」という気持ちはあります。そういった方が増えて、新しい楽しみを見つけたり「結構おもしれーじゃん!」と感じられる時間を過ごしてもらえると嬉しいですね。
――本日はありがとうございました!
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「ギャンブル」という前提がある以上、パチンコホールのイメージは良いものではありません。ですが、そこに設置されている「ぱちんこ台」が持つゲーム性の魅力を愛するユーザーはゼロではありません。
これを懐古趣味と呼ぶ声も見られますが、純粋にゲーム性が好きで、どうしても打ちたい台というのもあります。しかし自宅で実機を楽しむのはハードルが高い……そんなとき、専門のゲームセンターに台があれば、魅力的に映るはず。もちろん当時のゲーム性を味わうだけでなく、ホールに現存する台を打つこともできます。
今もホールに足繁く通う方も、まだまだホールに行くのは怖いという方も、ゲームセンターでもまた異色の業態である「スロット専門ゲームセンター」に一度遊びに行ってみてはどうでしょうか? もしかしたら、今まで見えなかった面白さがあるかもしれません。
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