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2025年1月1日、個人ゲーム制作者のよっしん氏はフリーソフトSTG『超連射68k』の約8年ぶりのWindows版のバージョンアップとなるVer.1.10のリリースを行いました。
90年代前半のSTGへのオマージュが光る傑作。自動連射対応でより遊びやすく
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本作は元々タイトルの「68k」が示すように、1980~90年代にかけて「究極のホビーパソコン」として謳われたシャープの「X68000」向けに開発されたSTGです。同人STGでありながら、アーケードSTGに引けを取らないそのクオリティの高さでX68000ユーザー間では「伝説」として語り継がれていたタイトルです。
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1995年に初版がリリースされた本作は90年代前半の「弾幕以前」のSTGが色濃く残る内容で、1画面内の敵弾数こそ昨今のSTGに比べると大人しいものの、襲い掛かる大量の敵と殺意の高い高速弾が特徴です。しかしながら自機の攻撃力は高く、しっかりと敵を狙って撃つことで速攻で敵を倒すことができるので、危険な敵の位置や攻撃を覚えて対処することが求められます。また細かく飛び散る破片などのグラフィック面にも注目です。
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本作は1997年の冬のコミックマーケットで頒布されたX68000版をベースにしたWindows版が長らくフリーソフトとして公開されていましたが、2024年に大きくバージョンアップを行ったX68000版のVer1.10が公開されました。また、以前からのWindows版については一時的に公開が停止されていました。今回2025年1月1日に公開された新Windows版は、このX68000版Ver1.10を基にしています。
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Ver1.10の最大の変更点は「自動ショット連射」のオプション項目が追加されたことです。それまでのバージョンではプレイヤーは手動でショットボタンを連打する必要がありましたが、このオプションをONにすることでショットボタン押しっぱなしでの操作が可能となり、遊びやすさがグンと増しました。
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本作は後続の多くのインディーSTGに影響を与えており、演出面では『Zero Ranger』などに非常に多くのオマージュが見られるほか、例えばアイテムキャリアーを倒すと出現する回転しながら降ってくるアイテム(どれか1個を取ると残りが消滅)の中心部に上手く自機を配置し続けると、3つのアイテムをすべて回収できるという要素は『Graze Counter GM』のような近年のインディーSTGにも同様のシステムが見られます。
『超連射68k』は、よっしん氏のホームページにてX68000版・Windows版が公開されています。1月6日ビルド版ではアナログスティックに入力を割り振ったときの動作が改善されているなど、いくつかの改修が加わっています。