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日々たくさんのゲームがリリースされる現代。その分話題になる作品も多いわけですが、「どうしてこのゲームは人気なんだろう?」と思ったことはありませんか?
この連載では、ゲーマーから注目を浴びているゲームがなぜ人気になっているのかを分析します。記事を読んで、流行っているゲームに詳しくなっちゃいましょう。今回は、インディーゲーム開発者の橙々氏が開発する『アクアリウムは踊らない』をお届けします。
ホラー嫌い開発者が作ったホラゲー
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本作は水族館を舞台としたホラーアドベンチャーです。主人公・スーズは行方不明の親友を探すため、水族館に隠された謎を解き明かさなければなりません。
RPGツクール作品としてはオーソドックスなチェイス系ですが、本作は開発者が「ホラー嫌い」を公言。しかし水が苦手な主人公の心理描写や、幻想的で美しいフィールドの雰囲気などが高い評価を得ています。
開発経緯がホラー?RTAが公開デバッグ?話題に事欠かない
本作は配信当初から高い人気を得ており、配信してすぐ10万DL、現在までに公表されている数値では45万DLを達成する人気ぶり。ゲーム実況の件数も初日で200を超えたようです。
人気の理由として、ゲームのクオリティの高さはもちろん挙げられますが、なにかと話題に事欠かないのも大きな要素といえるでしょう。
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本作は開発当初5人で制作されていましたが、そのうち4人が突然蒸発。残った開発者の橙々氏はイラストだけ担当のはずが、最終的に1人で完成まで漕ぎ着けた……というヘヴィな経緯を持っており、「開発経緯がホラー」とも言われています。
他にも、2024年末のRTA in Japanでも種目のひとつとして取り扱われました。本作は物語性に富んだ“ストーリーリッチ”な作品であるためRTA向きではありませんが、グリッチを活用したプレイが披露されていました。
これについて開発者の橙々氏が悲鳴のような叫びをSNSに投稿し、RTA自体が「公開デバッグ作業」化していると話題に。数万人の視聴者と開発者本人が見守る中行われました。なお、このRTAに関する振り返りが走者のankoTBTB氏によって公開されています。
今後も人気は続く?
ゲーム自体がすでに人気が高かった上、RTAや開発チーム蒸発エピソードなどSNSで話題になる要素も多数あり、知名度はかなり高い作品といえます。そのため、今後もフリーホラーゲームとして定番といえる人気になりそうです。
有名ゲーム実況者も多数動画化しており、ゲーム自体はプレイしていなくともファンという人もいると思われます。また、カドコミでのコミカライズやフロンティアワークスによるドラマCDなど、ゲーム外の展開も注目ポイントです。
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『アクアリウムは踊らない』は、PC(Steam/booth/DLsite)で配信中。ブラウザでプレイできるPlicy/ふりーむ!版も用意されています。すべて無料でプレイできますが、booth版には投げ銭版も用意されているので、ぜひお金を払いたい!という方はこちらを購入してみてはいかがでしょうか。