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2024年2月29日に発売されたスクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジー VII リバース』(以下、FFVII リバース)。本作は元々PS5用ソフトとしてリリースされましたが、2025年1月23日より待望のPC版が発売されます。
この度、発売前のPC版『FFVII リバース』を一足先に試遊することができたので、本記事ではプレイレビューをお届けします。
■自由度とやりこみ要素がパワーアップしたリメイク版第2弾!
『FFVII リバース』は、2020年にスタートした『FFVII』リメイクプロジェクトの第2弾です。第1弾の『FFVII リメイク』は、クラウドたちが「魔晄都市ミッドガル」を脱出するまでのストーリーを描いていました。続く第2弾の『FFVII リバース』は、魔晄都市ミッドガル脱出後のストーリーが描かれています。
第1弾の『FFVII リメイク』は基本的に一本道でしたが、第2弾である『FFVII リバース』は自由度の高いゲームに仕上がっています。前作と比較すると、本作のプレイフィールは大きく変化していると感じられました。
オープンワールド体験やキャラクターの絆を深めるシステム、ミニゲームなど遊び応えのある要素が盛りだくさんで、寄り道を含めるとプレイボリュームは膨大。「サクっとプレイするのは難しいのでは?」と危惧してしまうほどの規模感です。美麗なグラフィックも相まって、壮大感あふれる世界を自由に探索できるのも本作の醍醐味と言えます。
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筆者が一番衝撃を受けたのは「オープンワールド体験」でした。『FFVII リバース』は、リアリティあふれるフィールドを自由に探索できます。原作のワールドマップと比較するとその違いは一目瞭然。20数年の時を経てここまで進化するとは思いもよりませんでした。
チョコボに乗ってフィールドを走り回る、さまざまな施設を発見するなど、広々とした世界を探索する面白さが最大の魅力です。AAAのオープンワールドゲームに匹敵するほどのクオリティだと思います。
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もうひとつの魅力は好感度システム。『FFVII リバース』のテーマは"仲間との絆"で、イベントの行動や会話の選択肢などで仲間の好感度が変化する仕様になっています。
好感度システムについては原作でも採用されていましたが、『FFVII リバース』はフルボイスかつアニメーションが豊富なので、キャラクターへの愛着が非常に湧きやすくなっていると感じました。原作の記憶を重ねながら仲間たちと交流していると、なんだか感慨深い気持ちに。「ゴールドソーサーのデート、懐かしいなぁ……」と何度思ったことでしょうか。
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また、『FFVII リバース』は仲間との連携を活かした戦闘システムも採用。特定の仲間と即座に発動できる「連携アクション」と、ゲージを溜めると発動できる「連携アビリティ」の2種類が存在します。
特に連携アビリティは強力なので、ここぞというタイミングで発動できれば形成逆転も可能です。戦略の幅が格段に広がっているところもまた、『FFVII リバース』の魅力かもしれません。
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個人的に良かったのは豊富なミニゲームです。カードゲーム「クイーンズ・ブラッド」のほか、ピアノの演奏、パレードのリズムゲームなど、ミニゲームの種類は多岐にわたります。探索やサブクエストといったサイドコンテンツが充実している点もポイントです。
『FFVII リバース』のプレイボリュームが高い理由は、サイドコンテンツがパワーアップしているから。寄り道してくださいと言わんばかりの充実度に、筆者は「本当にクリアできるのかな」と不安になってしまいました(褒め言葉)。
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『FFVII リバース』の目玉は、伝説として語られている「エアリスの運命」をもう一度体験できること。ネタバレになるので詳細は控えますが、ゲーマーたちにとてつもない衝撃を与えた名場面です。
『FFVII リバース』を含むリメイクプロジェクト3部作は、原作準拠である一方でリメイク独自の新解釈も含まれています。そのため、原作の展開を知っていても何が起こるかはわかりません。単に原作をなぞるだけでなく、リメイク版だけのオリジナル要素を導入しているところに好感を持てました。
原作と同じ展開をたどるのか、それとも違う流れになるのか……。再構築されたエアリスの運命を、ぜひその目で確かめてみてください。
■PCの性能を活かした美麗なグラフィックに注目!
リメイク版『FFVII』の魅力は、装い新たに生まれ変わったグラフィックです。キャラクターモデルやオブジェクトの質感やライティング(光)の描写などがリアルになり、写実的な3Dグラフィックに進化しています。多角形のポリゴンだった原作と比べると、その差は一目瞭然です。
筆者がPS5版の『FFVII リメイク』をプレイした際は美麗なグラフィックに驚いたと同時に、クラウドたちの冒険をもう一度味わえることに感動した覚えがあります。原作の発売から28年ぐらい経っていますが、リメイク版の進化はまさに「劇的」でした。
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PC版『FFVII リバース』を試遊してみましたが、まずは美麗なグラフィックに引き込まれました。キャラクターのきめ細やかな表情や緻密な街の描写、NPCの挙動、豪華絢爛な攻撃エフェクトなどの要素は、前作の『FFVII リメイク』よりも磨きがかかっているように感じられます。
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また、ライティングのバランスがしっかり取れている点も印象に残っています。前作は暗い場面が多く、特にキャラクターの表情が少々見えづらいと感じていました。
しかし、PC版『FFVII リバース』ではライティングが改善され、街の描写はもちろん、キャラクターたちの表情がはっきりと見えるようになっています。PC版をプレイされる際は、改善されたライティングにも注目してみてください。
■PS5版よりも幅広いグラフィックス設定
PC版『FFVII リバース』では、グラフィック関連の細かな設定が可能です。たとえば「高・中・低」のグラフィックプリセットやフレームレートの上限設定、アンチエイリアス、画面密度、キャラクター表示数の増減など。グラフィック設定の幅広さに関しては、PS5版よりもPC版に軍配が上がります。
お使いのPC環境に合わせてグラフィック関連の設定ができるところが、PC版のメリットです。ハイエンドの環境であれば「高」の設定に、逆にフレームレートがカクつくようであれば「中・低」の設定に調整してみると良いでしょう。
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個人的に気になっていたのは「フレームレートの上限設定」。PS5版の『FFVII リバース』は「グラフィックモード」と「パフォーマンスモード」の2択で、60fpsが限界でした。しかし、PC版の場合は最大120fpsに対応しているため、PS5版よりも滑らかな映像で『FFVII リバース』の世界を堪能できます。
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また、アンチエイリアス(画質をきれいに整えてくれる機能)の機能として、NVIDIAの「DLSS」に対応していることも大きなポイント。DLSSとは、AI(ディープラーニング)の力で高画質化・フレームレート向上を実現させるアップスケーリング機能です。ただ、DLSSを利用するには「GeForce RTXシリーズ」のグラフィックカードが必要になります。
より美しい画質で『FFVII リバース』をプレイするなら、DLSSなどアンチエイリアス機能を活用してみましょう。
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■スペック次第では”60fps以上”のフレームレートで遊べる!
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前項で述べた通り、PS5版『FFVII リバース』の最大フレームレートは60fpsで、PC版の最大フレームレートは120fpsとなっています。PS5版とPC版の大きな違いは、”60fps以上で遊べるかどうか”です。
そこで今回は、フレームレートの上限を120fpsに設定して『FFVII リバース』を試遊してみました。試遊時に使ったPCは、Intel Core i7-13700K+NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti搭載モデル(自作)です。
グラフィックプリセットを「高」に、アンチエイリアス機能を「DLSS」に、垂直同期を「VRR」に設定したところ、60fpsを超えるフレームレートで遊べました。場面によっては100fps以上になることもあれば、上限の120fpsに達することも。3桁を上回るケースも割とあったため、120Hz以上のゲーミングモニターと相性が良いかもしれません。
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お使いのPCのスペック次第になりますが、60fps以上のフレームレートで遊べることがわかりました。最高設定で『FFVII リバース』をプレイしてみたい方は、公式が発表した要求スペックの一覧表を確認してください。
※ゲームおよびグラフィックドライバー等のアップデートとPCのスペックにより、フレームレートが変動することもあります。
■【まとめ】PC版を待っていたFFVIIファンの皆さん、これは買いですよ!
『FFVII リバース』は、圧倒的な自由度の高さとやめ時がわからないプレイボリュームが魅力のRPGです。原作の『FFVII』を受け継ぎながらもリメイク版ならではの新要素があるため、新鮮な気持ちで楽しめるはず。あの感動をもう一度味わいたい方に打ってつけと言えるでしょう。
1月23日の発売が迫るPC版の『FFVII リバース』は、PS5版を超える美麗なグラフィックです。ライティングの強化に加え、フレームレートの向上、画面密度の設定、DLSSへの対応など、さらなる高みを体験できます。PS5版以上の感動を味わうために、PCデビューするのもアリだと思います。
なお、PC版の『FFVII リメイク』と『FFVII リバース』がセットになったツインパックが販売中です。早期購入だと最大30%オフになるので、来る3作目に備えて2本まとめてプレイするのも悪くありません。むしろ良い選択だと思います!
© SQUARE ENIX CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO