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世界トップの半導体企業・NVIDIAは、ビデオゲーム産業やAIにおける半導体の最高品質を更新し続けることで注目されています。とりわけハイエンドなグラフィックでのゲームプレイの場合、この2025年に発表された「GeForce RTX 50」シリーズの動向は無視できないものでしょう。
そしてNVIDIAは2025年1月22日、メディア向けに「GeForce RTX 50」シリーズの技術説明会を開催。最先端のグラフィックはどのような技術で実現しているのかを伝えるレポートをお届けします。
「GeForce RTX 50」シリーズが発展させるグラフィックス。NVIDIA Blackwellアーキテクチャとは何か?
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今回の説明会では「RTX 50シリーズ」について、まず現在発売されている「RTX 4090」と比較しながら解説。「RTX 4090」は1,490ドル(日本円で29万8,000円)を発売時の価格としていましたが、「RTX 5070」は半額以下の549ドル(日本円で約8万6,000円)で購入可能だということを押し出していました。
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「RTX 40」シリーズはDLSS 3(Deep Learning Super Sampling 3)という、AIにゲームの映像を学習させてリアルタイムでフレームレートの補完などを行う画質向上機能があります。DLSS 3により、高いフレームレートを保持しながら高画質も保つというリッチなグラフィックスを実現していましたが、「RTX 5070」は最新のDLSS 4を実装し、さらに進化した画質向上が期待できるようになっています。ハイエンドモデルの「RTX 4090」のDLSS 3で秒間490fpsを記録する特定のゲームにおいて、ミドルレンジである「RTX 5070」のDLSS 4では秒間217fpsになります。
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「RTX 50」シリーズのアーキテクチャ「Blackwell」では新たなテクノロジーを実装しており、特に「RTX 5090」はBlackwellを生かす基幹製品として押し出していくことが語られました。
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「RTX 50」シリーズで「RTX 5090」と「RTX 5080」は“Double flow through”と呼ばれる新しい排熱設計を導入。過去のRTXシリーズはシングルからデュアルのファンで排熱の効率化を進めてきましたが、今回の「RTX 5080」と「RTX 5090」では2つのファンが直接PCBボードに風を送り込み、熱を冷ましていく構造となっています。さらに、ファンが回る音も抑えられます。
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「RTX 50」シリーズは、デスクトップ版の他に従来通りラップトップ版の販売も予定。デスクトップ並みのパフォーマンスを、デスクトップ版の消費電力の半分で実現するとのことです。
さらなるAI活用による、効率的にハイクオリティな映像の実現
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続いて今回の「RTX 50」シリーズの目玉となる、AIによるニューラルシェーディングについて解説が行われました。
これまでのGeForceでは、各時代ごとにDirect Xと呼応しながらグラフィックスを更新してきました。NVIDIAは2003年にはシェーダー言語の時代、それからジオメトリシェーディングやコンピューティングシェーディングの時代、そしてレイトレーシングの時代を経て、今世代では、Blackwellがもたらすニューラルシェーディングの時代になると説明。
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ニューラルシェーディングは、AIを活用することにより数千ものテクスチャを圧縮したグラフィックス表現を可能とする技術。この機能により、これまでリアルタイムでは表現できなかった陶器やシルクの質感をさらに精細に描画できるようになりました。
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また、RTX Neural Radiance Cacheの機能によってライティングもさらに向上。こちらもニューラルシェーディングの力によってリアリスティックな表現を可能としています。こうしたライティング表現は、実際にRTX 50シリーズの機能に対応したゲームをプレイしている間、常にAIが稼働して自己学習を繰り返すことで実現するそうです。
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続いてRTX Skin機能について解説。この機能は人間の肌の質感をさらに生き生きとした形で表現するものです。上記のスライドでわかるように、スタンダードの表現では人間の肌もややデコボコとした質感になりますが、RTX Skinをオンにすると自然な陰影となり、かつ耳の裏が光を通して赤く染まるような描写まで実現しています。
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同じく人物モデルの表現ではRTX Neural Facesも重要な機能でしょう。こちらは3Dモデルの顔を、モデルのデータやライティング、表情の感情表現のほか、オクルージョンの情報を機械学習したAIが最終的に自然に見える表情を生成する機能です。
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さらにRTX Mega Geometryの機能により、現代の膨大なポリゴン数を持つモデルでもレイトレーシングを可能としています。過去30年のビデオゲームで使われるポリゴン数は指数関数的に増え、今では億単位のポリゴン数になりましたが、この機能によってレイトレーシングを実現。説明会ではUnreal Engine 5でこの機能が生かされることが語られました。
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続いてDLSS 4について説明の前に、そもそものリアルタイムグラフィックは「画質」と「応答性」そして「スムーズさ」という3本の柱で考えていることを解説。理想は、これら3つがすべて高い品質を保つことですが簡単にはいきません。画質を4Kに高めるとその分のグラフィックスの応答性やスムーズさが犠牲になってしまいますが、画質を1080pまで落とすと、その分応答性とスムーズさは上昇します。
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このように3つすべてを同時に高品質にすることは難しかったのですが、最新のDLSS 4ではAIを活用することでその目標をほぼ実現していくとのことです。NVIDIAの社内のコンピュータは365日、休まず稼働することでDLSSを改善していることもあり、画質と応答性とスムーズさを同時に良くすることを進めているそうです。
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Ray ReconstructionもRTX 50シリーズでさらに進歩。『Alan Wake 2』で機能をONにした例として、金網のようなライティングが難しい細かいオブジェクトで能力を発揮することが示されました。その他にSuper Resolutionによって、さらにバッグや衣装のような細かいオブジェクトも高精細に表現できるようです。
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NVIDIAはローレイテンシーにも積極的に投資していると言います。今回実装されたReflex 2では、プレイヤーが感じる遅延を極限まで低減し、対戦型ゲームをよりフェアにプレイできる体験を与えます。Reflex 2はまず『THE FINALS』と『VALORANT』といった競技性が高いFPSに適用されるとのこと。
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さらに昨年から公開されたMOD制作プラットフォーム・RTX Remixも活況だと言います。クラシックな『Portal 2』や『Left 4 Dead 2』といったタイトルをハイエンドなグラフィックにする有志制作MODが投稿されていて、この1年を通してNVIDIAとしてもクラシックのゲームを高品質化を目指すMOD制作者たちのクリエイティブに驚いたと説明します。
「GeForce RTX 50」シリーズが変革するゲーミングやクリエイティブ、そしてAI
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続いて「RTX 50」シリーズによってどのようにゲーム体験が変わるのかについて解説されました。
今回の「RTX 50」シリーズは、ここまでの説明でもAIによってグラフィック面が補強されてきたことが語られましたが、ゲームプレイ面でもAIが関わることで「もっとダイナミックになる」と言います。
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具体的には、AIによる自律型のコンパニオンやシステムなどを活用していくというもの。ここでは、プレイヤー自身が決定したことに基づいて、AIがアクションを起こすというゲームの世界を目指しています。
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これを具体的に行う機能としてNVIDIA ACEが実装されます。これはAI側がゲームの状況を把握し、どのように認知して次のアクションを起こすかを設定する機能です。AIキャラクターの表情や行動、モーションなどを、さらにリアリスティックな表現にしていくのが主になります。
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NVIDIA ACEが活用されるタイトルは、『PUBG: BATTLEGROUNDS(PUBG)』、そして今年3月の発売が予定されているライフシム『InZoi』、最後にブロックチェーン技術のMMORPG『Mir5』になるとのことです。
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このようにRTX 50シリーズに実装されたAIによって、ゲームプレイだけではなくクリエイティブも加速すると語られました。
これまでソフトウェア開発は大学でコンピュータサイエンスを学んで行うものでしたが、生成AIの登場によってプログラミングの専門的な知識が無くともアプリなどを開発できる時代になるパラダイムシフトが起こったと言います。
世界のソフトウェア開発者は現在約3千万人とのことですが、生成AI以降はさらに開発者が増加して6倍以上にも及ぶ約2億人を越えると見込まれています。そのため、デベロッパーの考え方自体も大きく変わるのではないか、と予測が語られました。
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そんなAIによる開発補助を生かしたマイクロサービスがRTX NIMです。今後、様々なAIツールにRTX NIMは追加されていく予定とのことです。
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このようにこれからリリースを期待されている「RTX 50」シリーズは、AIによるニューラルレンダリングなどの要素を取り込んだ、近年のDLSSをはじめとした様々な分野をさらに掘り下げたものとなる模様です。
あらためて、AAAタイトルのビデオゲームから、今も強固なファンベースを持つクラシックタイトルのMODシーンとも連携することでも、強烈なビデオゲームのグラフィックスを更新し続けることがわかる技術説明会となりました。