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「デッキは圧縮すれば良い」と誰が決めたんだ?厚く積んだカードが二人を強化する。『Roguebook』【げむすぱローグライク/ローグライト部】

珠玉のローグライク/ローグライトを紹介する特集。第12回はデッキ構築型ローグライト『Roguebook』をご紹介します。

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「デッキは圧縮すれば良い」と誰が決めたんだ?厚く積んだカードが二人を強化する。『Roguebook』【げむすぱローグライク/ローグライト部】
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自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今週の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第12回では、Abrakam Entertainmentが開発し、Naconがパブリッシャーを手がけるデッキ構築型ローグライト『Roguebook』をご紹介します。


『Roguebook』とは

『Roguebook』は、いわゆる『Slay the Spire』ライクなデッキ構築型カードゲーム・ローグライトです。道中でカードを拾い、強力なボスに挑む……という点は『Slay the Spire』(以下、『StS』と表記)と同様ですが、さまざまな独自の要素がかみ合い、『StS』とは全く別物の新しいゲーム性を編み出しています。

なお本作は「Rogue」の名を冠してはいますが、ゲームの『Rogue』とはほぼ無関係です。

本作独自の要素のひとつが「2人の仲間でタッグを組んで戦う」ことです。前衛攻撃と0コストのナイフの扱いに長けた銀髪の女戦士「シャーラ―」、範囲攻撃とブロック獲得で耐えるタイプのタンク戦士「ソロッコ」、専用の「怒り」ゲージを持ち、強力な攻撃に特化した「サイファー」、HPは低いが山札操作とHP回復に長けた「アーロラー」の4人から2人、合計6種の組み合わせでパーティを編成して戦いに挑みます。

なお本作はSteamで別途配信されているファンタジーカードバトルシミュレーションRPG『Faeria』の続編という扱いですが、同作を知らなくても一切ゲームの進行に支障はありません。

また、本作のゲームデザインには「マジック:ザ・ギャザリング」の生みの親であるリチャード・ガーフィールド氏が関わっており、発売前にはそれを記念してか「マジック:ザ・ギャザリング」の超レアカードである「Black Lotus」をプレゼントするイラストコンテストなども行われていました。

各キャラクターには独自にヒットポイントが設けられており、基本的に前衛に立ったキャラクターが敵の攻撃を受けることになります。前衛・後衛の切り替えは後衛のキャラクターが「ブロックを獲得する」カードを使用する、一部カードの効果で前衛と後衛を切り替える……など、ひと手間が必要になります。2人の残りHPを考えて、どちらのキャラクターで攻撃を受けるのかをよく考えましょう。

全3ステージを進行し、最終的にステージの最後に待ち構えるボスを撃破する……という流れは『StS』と同様ですが、本作はマップの仕組みが本作独自のものとなっています。シミュレーションゲームのようなへックス型のマップに、スタート地点とボスを結ぶルートだけ配置され、ステージ開始時に支給される「筆」や、敵を倒すと得られる「インク」を使用してマップの未探索の領域を切り拓いていく……という仕組みになっています。

マップ上には戦闘シンボル以外にも、資金やHP回復アイテム、そして隠れたアイテムや強力な効果を持つアーティファクトも配置されており、これらをいかに回収していくかが本作の肝の要素となります。

デッキが圧縮されればされるほどいいというその幻想をぶっ壊す!デッキが「厚いほど強い」本作のシステム

さて、本作はデッキ構築型ローグライトなので、当然「道中で手に入るカード」が重要になります。『StS』系ゲームのセオリーとして、「初期カードは性能が低いので削除していき、道中で有効なカードを拾いつつも最終的には無駄なカードを極力削り、デッキ枚数を少なくして有効なカードを引ける確率を高めた方が良い」というものがあり、本作もそのセオリーで挑めばいいのかな……と思ったそこのデッキ構築型ローグライト上級者のあなた!本作は、そのセオリーが当てはまらない数少ないデッキ構築型ローグライトです。

何故なら、本作ではデッキ枚数が一定枚数を越えるごとにキャラクター・またはパーティの特殊能力がアンロックされるからです。これらの能力は『StS』でいうところのレリック並みに強力な特殊効果が多く、本作においてはカードをガンガンデッキに追加して、強力な特殊能力をアンロックしていった方が有利に立てるのです。

デッキ構築型ローグライトの入門者にとっては「デッキ圧縮」という概念は直感的ではなく、わかりにくいものなのですが、本作においてはそのあたりに注意を払う必要はあまりありません。とは言え、2人のカード比率バランスが崩れるとお互いのキャラクターを想うように動かしにくくなることは確かなので、そのあたりのバランスはうまくカードを拾っていくうえで取捨選択する必要があります。

デッキから不要カードを削除する要素が完全にないわけではなく、不要なカードを変換してくれる「錬金術師」という施設がマップ上に登場することもあります。

錬金術師にカード変換を頼むと3つのカードの選択肢に加え、カードにさまざまな特殊能力を追加する宝石を埋め込むこともできます。この宝石も上手く使って、より強力なカードを産み出しましょう。なお、宝石は道中でも拾えることがあるので「これぞ!」というカードにはめ込んでカードを強化しましょう。

また、本作の変わったカードタイプとして「味方」というカードタイプがあります。このカードは使用すると戦場に出て、「毎ターン手札にナイフを加える」「味方固有の気力に等しいダメージを敵に与える」「気力を消費して特殊効果を発生させる」など、さまざまな効果を持ちます。「マジック:ザ・ギャザリング」の「プレインズウォーカー」カードに近い効果……と言えば伝わる人には伝わるでしょうか。

全3ステージの最深部には最終ボスが待ち受けます。ここまでに得た味方カードやスキルカードを駆使し、強力な最終ボスを撃破しましょう。

最終ボスを倒せば、見事に*勝利*です!成績に応じて「Roguebookのページ」が手に入り、これを消費することで各キャラクターのHP永続強化やイベント出現率永続アップなど、よりゲームを有利にする要素のアンロックができます。

『StS』の「アセンション」に相当する縛りプレイも用意されています。しかし本作ではレベルを上げていくたびに縛り項目が増えていくのではなく、自分で縛り項目を選んで難易度レベルを上げていくシステムを採用しています。高難易度になればなるほど得られる「Roguebookのページ」が増えるので、キャラクターの組み合わせを変えるとがらりと変わる戦略性を含めて、本作のリプレイ性・やり込み要素は高いです。

キャラクターを2人操作するという点が慣れるまでやや複雑ですが、デッキ構築型ローグライトとしては上手く『StS』と差別化を図っていて、なおかつ入門者にも向いた比較的手ごろな難易度の本作『Roguebook』。リリースから約4年が経とうとしていますが、本作の面白さは今遊んでも決して昨今のローグライトゲームに勝るとも劣りません。筆者としては、今からでもお勧めしたい一作です。


『Roguebook』は、PC(Steam)/PS5・PS4/Xbox Series X|S・Xbox One/ニンテンドースイッチにて配信中です。



ライター:ずんこ。,編集:キーボード打海

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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編集/「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『恐怖の世界』。

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