【直撃取材】Team NINJA×プラチナゲームズ…タッグ結成の経緯は?『NINJA GAIDEN 4』で「唯一無二のアクション」を生み出した安田氏・中尾氏にインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【直撃取材】Team NINJA×プラチナゲームズ…タッグ結成の経緯は?『NINJA GAIDEN 4』で「唯一無二のアクション」を生み出した安田氏・中尾氏にインタビュー

表裏一体の戦闘や新主人公の「ヤクモ」など、注目のトピックが盛り沢山のインタビューをお届けします。

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マイクロソフトが1月24日に開催した最新ゲーム情報を紹介する「Developer_Direct 2025」にて発表された、『NINJA GAIDEN 4』。Team NINJAが手掛ける『NINJA GAIDEN』シリーズの10年以上ぶりとなる続編で、開発はプラチナゲームズが担当しています。


本作の主人公はリュウ・ハヤブサと肩を並べる天才忍者の「ヤクモ」。もちろん、これまでの主人公であったリュウとハヤブサもストーリーに密接に関わってきます。

今回はそんな『NINJA GAIDEN 4』に携わる、プロデューサーの安田 文彦氏(Team NINJA)、そしてプロデューサー兼ディレクターの中尾 裕治氏(プラチナゲームズ)のお二人を迎えて行われたメディア合同インタビューの様子をお届けします!

安田 文彦氏(左)、中尾 裕治氏(右)

『NINJA GAIDEN 4』企画は約5年前から動いていた―タッグ結成の経緯は?


ーー『NINJA GAIDEN 4』の発表には、本当に驚きました(※取材日は「Developer_Direct 2025」配信同日)。そもそも、本作の開発はどういった経緯で決定されたのでしょうか。また、なぜコーエーテクモ(Team NINJA)とプラチナゲームズはタッグを結成したのでしょうか。

安田 文彦氏(以下、安田氏)今日いきなりの発表で、事前情報もない中でお集まりいただき、ありがとうございます(笑)。経緯としては、皆様ご存知の通り『NINJA GAIDEN』のナンバリングは十数年止まっていて、コーエーテクモとしても「新作を作りたいな」と検討は続けていましたが、なかなか決め手もないような状況でした。

そんな中で、コーエーテクモの社長である鯉沼(鯉沼久史氏。コーエーテクモゲームス代表取締役社長)と、プラチナゲームズの稲葉社長(稲葉敦志氏。プラチナゲームズ株式会社代表取締役社長)が同世代ということで縁があり、お互いの仲もいいのでお話させていただく機会がありました。

その後、マイクロソフトのフィル・スペンサーさんからも『NINJA GAIDEN』の新作を3社でやりましょうというお話があり、そこでプロジェクトが正式に発足しました。

もちろん我々もこれまで作品の開発を進めてきましたが、今回の『NINJA GAIDEN』の開発は十数年ぶりになります。そんななか、『ベヨネッタ』や『ニーア オートマタ』といった数々の素晴らしいアクションを手掛けてきたプラチナゲームズさんとご一緒させていただけるのであれば、是非!ということで、共同開発が始まりました。

ーーTeam NINJA側では『NINJA GAIDEN』の新作を作りたいと思っていたものの、その開発が難航していたということでしょうか。

安田うまくいっていなかった、ともなかなか言いづらいのですが(笑)。

ーー『仁王』や『Rise of the Ronin』などのタイトルもありましたしね。

安田ほかにも『Wo Long: Fallen Dynasty』などもそうですし、なかなかラインの確保が難しかったという経緯もあります。そういった中で、鯉沼のほうから話をさせていただいて、稲葉さんがそれに乗ってくれたという形だったと思います。

『仁王2』
『Wo Long: Fallen Dynasty』

ーー本作の開発は何年ほど前からスタートしたのでしょうか。

安田正確には覚えていないのですが、5年ぐらい前からだったと思います。

ーー2020年頃といえば、コーエーテクモでは新オフィスへの移転など、環境の変化もあったかと思います。そういった中でどのように開発体制を構築していったのでしょうか

安田我々は市ヶ谷を中心に活動しており、一方のプラチナゲームズさんは大阪に拠点があります。最初のうちはお互いに行き来をしながらコミュニケーションをとっていましたが、コロナのこともあり、ある程度軌道に乗ってきてからはオンラインでのやりとりをするようになりました。

ーープラチナゲームズ側はどうでしょうか。2020年前後といえば、『ベヨネッタ3』や『The Wonderful 101』のリマスター、組織体制の変化などが挙げられます。

中尾 裕治氏(以下、中尾氏)本格的にTeam NINJAさんとのやり取りを始めていったのは、今挙げていたタイトルよりも少し後ぐらいの時期になります。そこから議論を重ねて、マイクロソフトさんの技術的な協力もありつつゲームの内容を詰めていきました。

ーーかなり最初の段階から、マイクロソフトも開発に参加していたのですね。

安田そうですね。「最初から3社で」という形でのスタートでした。

ーーコロナ禍の影響もあり、発表がこの時期になったということでしょうか。

安田そういった影響もあると思います。実際、本格的に開発がスタートしたのは2022年か2023年頃で、開発期間で言えば3年弱といったところです。プラチナゲームズさんを主体に、人員やタイミングなどを含めたスケジュール感のもと制作が進められてきました。

ーー本作のパブリッシングはマイクロソフトが担当するのでしょうか。また、PlayStationでも展開されるのでしょうか。

MS:戦略的な部分は詳しくお話できないのですが、シリーズファンの中にはPlayStationユーザーもいるはずです。私達はこの伝説的なフランチャイズを幅広いプレイヤーに楽しんでもらいたいという気持ちがあり、PlayStationでも展開するという判断になりました。

ーー『NINJA GAIDEN4』の制作が決定した後、開発はどのように進行していきましたか。

安田大きなところとして、まずは企画をどうしていくかということがありました。「シリーズの価値を伝えられるナンバリングを両社で作ろう」というところから始まり、プラチナゲームズさんから「新しい主人公」の提案がありました。

前作からも時間が経っていますし、リュウ・ハヤブサは“超忍”として完成しているキャラクターであることからも、新しく若いキャラクターを作って、新規のプレイヤーも入っていきやすいような形で進めることになりました。

もちろん、リュウも対等に登場させたいという気持ちは我々にもありDeveloper_Direct 2025の映像のように本作のストーリーに登場していきます。

ーーリュウはプレイアブルキャラクターとなるのでしょうか。また、二人を交互に操作するような感じなのでしょうか。

中尾詳しい部分は続報をお待ちいただきたいのですが、「ヤクモ」と「リュウ」それぞれに目的や物語があって、敵と戦うという流れがあります。その中で映像にもあったように、「何故その二人が対峙することになったのか」という部分にも注目してもらいたいです。

ーー二人は最初から対立しているような関係なのでしょうか?

中尾今回の主人公であるヤクモはリュウとは異なった一門の忍者で、とある理由からリュウと敵対せざるを得ない状況になっていきます。若いヤクモは成長途中で、忍者の頂点であるリュウという存在を超えていくために挑戦します。

ーー新しい主人公「ヤクモ」を起用することに対する不安はありましたか。『NINJA GAIDEN』シリーズといえば、やはりリュウの印象が強いですが……。

中尾不安が全く無いわけではないです。リュウ・ハヤブサといえば『NINJA GAIDEN』シリーズのアイコン的存在ですが、本作でヤクモという新主人公に取って代わったのではなく、「ふたりの忍者が物語を織りなしていく」というところを楽しんでいただければと。

両方のキャラが立っているので、これまでのファンの方にもぜひとも受け入れてもらいたいと思っています。

ーー構図としては、両社(Team NINJAとプラチナゲームズ)の関係に似ている部分もありますね。偉大なシリーズが既にあって、それに負けないように新しいものを打ち立て乗り越えていくという。

中尾お互いが協力的に、というよりは「ヤクモが挑み、リュウが立ちはだかる」という構図で、互いに切磋琢磨していく感じです。

安田お互いそんなに喧嘩はしていないですよ(笑)。

ーー本作の開発にあたって「制作するなら『NINJA GAIDEN』が良い!」というような打診がプラチナゲームズ側からあったのでしょうか。

安田社長クラスの話では私も詳細まで分かりませんが、以前に稲葉さんとお会いした時に、正式なナンバリングタイトルとして制作したいと伺っていました。

ーーいちユーザーとしてみると、Team NINJA・プラチナゲームズのどちらもアクションの開発というイメージがあり、タッグを組むのは素直に楽しみな気持ちがあります。一方で、なぜTeam NINJA独自の開発ではなく、プラチナゲームズとの共同開発というスタイルになったのでしょうか。

安田先程も話したように、別タイトルなどの開発ラインや新作にチャレンジをしている状況の中で、我々も深く関わることを前提としつつも、これまで優れたアクションを手掛けてきたプラチナゲームズさんと一緒にやりたいという気持ちがありました。

これまでに他社のIPを預からせていただいたこともありますし、逆に我々からお願いして作っていただいた経験もあります。そこからさまざまな学びを得ることもありました。

中尾少し補足すると、実際は「依頼を頂いて作っている」ということにはなるのですが、気持ち的には「ふたつのアクションゲームの会社が、一緒に力を合わせて伝統的なIPを最強にしていく」という感じです。

安田私をはじめTeam NINJAの面々もプロデューサーなどで携わっており、『Wo Long』のディレクターを担当した平山(平山正和氏)など現場のほうにも深く入っています。Team NINJAが丸投げした!というわけではないです。

我々も刺激をもらっていますし、シリーズ作品を作ってきた中で変えられない部分も出てきました。プラチナゲームズさんのゲームは“ケレン味”があったり、直感的な気持ちよさがあったりと、そういった部分は非常に学びになっています。

ーー共同開発を行う中で新鮮に感じた点や、作品に活かされているポイントなどはありますか。

中尾やりとりをする中で一番感じたのは、「アクションの手触りが全然違う」ということで、プラチナとしても勉強になりました。

これまで愛されてきた『NINJA GAIDEN』が本来持っているアクションを活かしながら、プラチナならではの「派手な一撃」「ケレン味のあるアクション」といった要素を織り交ぜています。

安田我々は最近「歴史モノ」のアクションRPGを作ることが多かったので、『NINJA GAIDEN』のピュアなアクションゲームとしての手触りや、「滅却」システムによるカタルシスといった部分の“派手さ”は、我々だけでは達成できなかったと思います。

今回公開した映像の反応を含め、すごく良いかたちでゲームを作って行けているのかな、と感じています。

中尾互いの良さをうまいことミックスできたな、という感覚がありますね。

安田制作の考え方が異なる部分ももちろんあるのですが、中尾さんがもともと『NINJA GAIDEN』の大ファンだったということもあり、言語化しづらい部分も汲み取っていただけました。

ーー「雑魚戦」であっても油断できない『NINJA GAIDEN』の“途切れない緊張感”のなかに、プラチナゲームズ作品の“派手さ”が加わっている、ということなのでしょうか。

中尾仰る通りの“途切れない緊張感”や、“攻防の入れ替わりが激しく、スピーディー”といったようなこれまでの良さを入れつつ、爽快感を感じられるような緊張と緩和の要素を入れていったというかたちになります。

ーー中尾さんは『NINJA GAIDEN』の大ファンとのことですが、新作を作るという話を聞いたときはどういった気持ちでしたか?

中尾本当に嬉しかったです。僕がプラチナゲームズに入社する時も、当時の上司に「人生で一番『NINJA GAIDEN 2』が好きなんです!」と言っていました。まあ、それでもプラチナゲームズに入っているんですけども(笑)。

安田おかしいじゃないですか(笑)。

中尾そういったこともあり、プロジェクトのお話を頂いたときには「チームに入りたい!」と言っていました。半ば、チームにはゴリ押しで入れてもらったような感じです。

『NINJA GAIDEN 3』からも時間が空いており、自分自身も『4』の発売を待つ側の人間でした。しかしまさか、提供する側になるとは思ってもいませんでしたし「『NINJA GAIDEN』をこういう風に進化させていきたい」と考えていたところを思い切り入れ込むことができました。



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ライター:kurokami,編集:TAKAJO,編集:キーボード打海

ライター/チャーシュー麺しか勝たん kurokami

1999年生まれ。小さい頃からゲームに触れ、初めてガチ泣きした作品はN64の『ピカチュウげんきでちゅう』です。紅蓮の頃から『FF14』にどハマりしており、Game*Spark上ではのFF14関連の記事を主に執筆しています。

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編集/いつも腹ペコです TAKAJO

Game*Spark編集部員。好きな映画は「ダイ・ハード」、好きなアメコミヒーローは「ナイトウィング」です。

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編集/「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『恐怖の世界』。

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