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「亡くなったゲーマーのSteamプロフィールは、その人の墓碑になるのか?」そんな疑問を、海外メディアEurogamerが特集しています。
プロフィールから伝わるゲーマーとしての人となり
同特集記事の著者は、2年前に亡くなったSteamのフレンド・Ash(仮名)の事を思い出したといいます。Ashは面白く親切な人でしたが、最後に『Sea of Thieves』をプレイしてから、AshはSteamにログインすることは無くなりました。彼の事を思い出すうちに、AshのSteamプロフィールページから見ることのできる記録は、彼がどんな人物であったかを示す記録ではないかと思うようになりました。
同記事ではオックスフォード大学内に設立されているオックスフォードインターネット研究所(OII)のTamas Foldes博士に取材を行い、Steamのプロフィールが個人の人となりを知ることに役に立つか?ということを質問しました。
Foldes博士は、我々がSteamプロフィールやX(Twitter)、個人blogやFacebookといったオンライン上に残す「デジタル足跡」は「その人への親近感や"人となりを知る"という感覚を促進するのに効果的で、今後もそうあり続けるだろう」と語っています。亡くなった方のFacebookやXのアカウントが追悼の場となることがありますが、それは残された人々にとって有益だろうということです。
ただ、「故人の"人となりを知る"から、"本当のその人を知る"に進むとなると、話はややこしい。それを知るには日記レベルのデジタル足跡が必要でしょうが、故人をよく知っているのならどういったソーシャルメディアを見ればよいかわかるかもしれません」とFoldes博士は述べます。
その上でFoldes博士は「正直に言うと、Steamプロフィールが公開されていれば、それを見るだけでその人について多くのことがわかります。Steamは共通のゲームへの興味、長期にわたる活動記録が残るため、より確実な性向がわかります」と述べています。
「レベルやバッジ、友達リストの充実などで社会的地位を高めることに重点を置く人もいれば、ゲームをマスターしてゲーム内の実績を集めることに全力を注ぐ人もいるし、ガイドやアートワークを作成して他の人を助けることに重点を置く人もいます。ゲームをクリアすることを楽しむけれど、すべての実績を獲得することに執着しない人もいます」とさまざまなゲーマーの分類を語り、Steamプロフィールを注意深く見ていけばそれらの分類がわかる……とFoldes博士は指摘しています。
この話を聞いて記事の著者がAshのSteamプロフィールを見直したところ、彼の所有ゲームの1/4で全実績獲得を成し遂げており、1つのゲームをやり込んでから次のゲームに移るタイプのゲーマーであったことが新たにわかりました。この事実に気付いて、記事の著者は「私はまだゲーマーとしてのAshを知らなかったのだ」と述べています。また、記事の著者がメディアで紹介したゲームがその記事の公開と同時期にAshのウィッシュリストに放り込まれていましたが、記事著者は「相関関係は因果関係ではありません」としています。
こうして改めて見直してみると、ゲーマーとしての趣味嗜好・コミュニティへの参加状況など、さまざまなことがわかるSteamアカウント。熱心なゲーマーのSteamアカウントは、持ち主が亡くなってもなおその持ち主のゲーマーとしての姿を映し続ける墓碑となるのかもしれません(あの人、えっちなゲームもいっぱい持ってたんだ……というちょっと恥ずかしい事になるかもしれませんが)。