自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今週の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第13回では、Chowbieが開発・販売を手がける見下ろし型アクションローグライト『Nunholy』をご紹介します。
『Nunholy』とは

『Nunholy』は、「Nun」(修道女)と「holy」(神聖)を組み合わせた造語で、意味するところは「神聖な修道女」という感じかと思われます。「Unholy」(不浄)ではないのでご注意ください。
本作は見下ろし型のフィールドで3種の攻撃スキルとゲージを溜めて使う必殺技で敵を薙ぎ倒し、そしてダッシュで立ち回りつつ、フロア内の敵を全滅させたら報酬が提示された次フロアを選んで進んでいく……という、いわゆる『Hades』ライクな見下ろし型アクション・ローグライトです。



『Hades』との最大の違いは「主人公が女性キャラクターである」ということで、物騒な斧を持ったヴァンパイアハンターの「プレイヤ」、ちょっと待って何その全身タイツ!?な処刑人「マリー」、そしてすごい暖簾だ……と言わざるを得ない浄化者「セイン」の3人で、この中の1人から主人公を選んでゲームを開始します。なお、ゲーム途中で他の主人公に変更することはできないので気を付けてください(セーブスロットは4つあるので、各キャラクター個別にセーブデータを作ることは可能です)。
「血晶」を吸収してヴァンパイアの力を得るか?資金として運用するか?それが悩みどころだ

本作で重要な要素が「血晶」です。エリアの敵を全滅させると倒した敵の血しぶきが「血晶」としてフィールドに残り、これを吸収することができます。

「血晶」を吸収すると主人公はヴァンパイアの力を得ることができ、それにより「ヴァンパイアレベル」が上がるとさまざまなパッシブスキルを習得できます。主人公がヴァンパイアの力を得れば得るほど、習得パッシブスキルはより増えていき、キャラクター性能はどんどん強力になっていきます。

一方、「血晶」を吸収せずに攻撃で破壊することで、その「血晶のかけら」が通貨として獲得できます。これは各エリアにランダム配置されることがあるアイテムが格納された箱を開けたり、ダンジョン内の商人からアイテムを売買したりの資金として使用できます。

本作では多彩なアイテムが登場し、インベントリにこれらのアイテムを詰めていくことでもキャラクター性能を強化できます。現在装備している武器に合ったアイテムを購入・強化しつつ、要らないアイテムは売って資金の足しにするのがよいでしょう。
冒険をサポートしてくれる美女たちも登場

さて、本作には主人公たちだけではなく、ダンジョン内で登場するNPCたちも美女揃いです。アーティファクトの商人である「エヴァレーン」は目隠れ美女です。

白衣の天使「エメラ」さんはHP回復の機会が限られたダンジョン内において、無償でHPを回復してくれるマジ天使です。なお、HPが有り余っている場合は彼女に献血して、その血を「血晶」に変換することもできます。献血でHP0になって力尽きたとき専用の実績なんかもあります(筆者が現在唯一未達成の実績です)。

ダンジョン内でヴァンパイアが苦手なニンニクを栽培している「リリアンヌ」さん。敵の攻撃をある程度防ぐシールドが得られる「ニンニク」を購入できるのですが、たまに彼女から購入できる「彼岸花」で主人公の最大HPが増加するのはどういうことでしょうか(彼岸花、毒草なのに……)。

各ダンジョンの入り口でHP回復や装備交換を担当してくれるセラフさん。回復を依頼すると「もっと近付いて……」と囁いてくれるのですが、いったいどんな回復を行っているのでしょうか。
なお、ここまで紹介したNPC4人には好感度が設定されており、探検を通して手に入る「ルビーの欠片」をプレゼントすることで好感度が上昇し、販売アイテムのリロールが可能になったりHP回復量が増加したり……と、さまざまな永続メリットが得られます。この辺りの好感度の要素も『Hades』オマージュといえるでしょう。

各エリアの終点には強力な「ヴァンパイア」がおり、オンラインゲームを彷彿とさせる攻撃範囲の予兆のある攻撃や、強力な弾幕を放って主人公たちを攻撃してきます。その攻略は一筋縄ではいかず、力及ばず敗北してしまうこともあるでしょう。

しかし心配はご無用。たとえ戦闘で敗北しても、その回の冒険で手に入れた「ルビーの欠片」と「銀貨(シルバー)」を持って拠点からやり直すことができます。拠点では達成すべき目標を記した「クエスト」が掲示されており、「特定の属性のダメージで敵を一定数倒す」「ボスに勝つ」「ボスにノーダメージで勝つ」「ヴァンパイアレベルを上げずにボスに勝つ」など、さまざまなクエストが提示されています。これらのクエストを達成することで、「銀貨(シルバー)」が手に入るほか、ヴァンパイアハンターとしての名声も上がっていきます。

得た「銀貨(シルバー)」は拠点の拷問技術者「ヘレナ」に渡すことで、プレイヤーを永続強化することができます。

ここでは武器性能の強化やリソース取得の効率化、異なる属性・性能の武器解禁など、さまざまなキャラクターの永続強化が行えます。現在の自分のキャラクターの方向性に合わせて強化していきましょう。

拠点にはもう一人、「カリナ」という少女もいます。おみ足が美しい。

彼女には「ルビーの欠片」を捧げることで、プレイヤーキャラクターの肉体強化ができます。中でも「肉体ダメージの修復」はゲーム内で体力を回復できる数少ない手段のうち、安定して回復できる手段の1つなので真っ先に最大まで上げていくとよいでしょう。それ以外にも、攻撃力強化などは率先していくと安定します。なお彼女のパワーアップは「ヴァンパイアの力の強化」となっていますが、特にこのパワーアップによって暗黒面に堕ちたりデメリットがあったりするわけではありません。

こうしてキャラクターの永続強化を積み重ねながら、より強力なヴァンパイアたちと戦っていきましょう。

ヴァンパイアの最高幹部を3周倒し、その後に待ち受ける「ヴァンパイアの女王」を倒すことで本作は*勝利*です!なお、本ゲームのエンディングは2通り用意されています。詳細な条件は伏せておきますが、一部のクエストや、本作のタイトルの意味をよく見直せばエンディング分岐条件がわかるかもしれません。

以上のように、本作はキャラクター永続強化が楽しい見下ろし型アクションローグライトなのですが、欠点がないわけではありません。
筆者が感じた欠点の1つが「次の部屋でどんなイベントがあるのか初見ではわかりにくい」こと。本作では『Hades』のように次の部屋で何が待ち受けているのか、その部屋のアイコンが表示されるのですが、「工具」「盃」のようなアイコン表示だけで文字情報がないため、次の部屋で何が起こるのかわかりにくいのです(工具:所持アイテムの強化、盃:最大HPの強化)。このあたりは、繰り返しプレイして「このアイコンはこの効果なんだな」と自分自身で覚えていくしかないでしょう。

他の不満点としては「キャラクターによって割り当てられたボタンの属性が違う」こと。筆者は「プレイヤ」でゲームを一通りクリアし、「マリー」で新規ゲームを開始したのですが、いくら「メイン攻撃」や「物理属性」を強化してもXボタンによるショット攻撃の攻撃力が伸びませんでした。ふと「サブ攻撃」を強化するアイテムを手に入れたら攻撃性能が上がり、そこで「プレイヤのXボタン攻撃はメイン攻撃属性だが、マリーのXボタン攻撃はサブ攻撃属性」であることに気が付きました。更にマリーのデフォルトサブ攻撃の注釈をよく読んでみると「神聖属性の攻撃」とあり、そりゃ「メイン攻撃」や「物理属性」をいくら強化しても威力上がらんわ……とようやく気付いたのでした。
こうした仕様はプレイヤーにとって「わかりづらい」以外の何者でもないので、可能なら「Xボタン:メイン攻撃、Yボタン:スキル、RTボタン:サブ攻撃」という「プレイヤ」の攻撃仕様に統一してほしいところです。
あと、やはりプレイヤーキャラクター間でゲームの進行度が共有されないのは単純に不便です。1度ゲームをクリアした後、他のキャラクターに切り替えて強くてニューゲーム出来てもいいじゃない!と思うのは私だけでしょうか。
また、本作にはセクシーな女性キャラクターは多数登場しますが、直接的なヌードやその他の性的描写は存在しません。この点は残念に感じている方も多いかもしれませんが、各キャラクターのエンディングでは独自のイラストが表示される(しかも2種類のエンディングで微妙に絵が違う)ため、それを見るために頑張ってみましょう。
『Nunholy』は、PC(Steam)にて配信中です。