日本時間2025年2月3日、米ロサンゼルスにて開催された第67回グラミー賞授賞式。ゲームサントラ部門として初代『ウィザードリィ』のリメイク『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』が受賞したことが発表されました。
世界的な音楽賞として知られる同賞ですが、第65回からはゲームサントラ部門「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」も新設されています。
今回栄冠を手にした初代『ウィザードリィ』のリメイクは2023年に、本記事執筆時点で同シリーズの初期作品の版権を持つ新生Sir-Tech及びDigital Eclipseにより、シリーズの商標などを持つドリコムの許諾のもと発表されたタイトル。初代Apple II版『ウィザードリィ』をベースに、グラフィックをFC版の影響を大きく受けたモンスターデザインなどを含む完全3Dに、UIも全面的に刷新し、遊びやすいルール改修や40年越しの不具合修正、システム追加などを行ったものです。2023年が初出でしたが、その時点では早期アクセスであり、それを終了し正式版となったのが2024年のため、今回のノミネートとなったようです。
なお、他のノミネート作品は『Avatar: Frontiers of Pandora』『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク:ヴァルハラ』『Marvel's Spider-Man 2』『スター・ウォーズ 無法者たち』となっており、今回のノミネート作品としては唯一のインディー系作品でもありました。
日本人に馴染み深い羽田健太郎氏の楽曲が変更に。新たに初代『ウィザードリィ』を彩る楽曲を作り上げたWinifred Phillips氏
同作の楽曲はもともと早期アクセス時点ではFC版の羽田健太郎氏の楽曲のアレンジでした。しかしながら、正式版にあわせ、タイトル画面以外の全楽曲が今回栄冠を手にしたWinifred Phillips氏による楽曲群へと差し替えられた形です。なお、この変更については楽曲ライセンスにまつわるものであるとされています。いずれにしても『ウィザードリィ』といえば、として日本ゲーマーに長年親しまれ続けた羽田健太郎氏楽曲から引き継いだWinifred Phillips氏が見事に世界的な栄冠を手にした結果となりました。Phillips氏は他にも『リトルビッグプラネット』シリーズなどでも知られています。
Digital Eclipse版『ウィザードリィ』初期作品のリメイクの今後は明らかにされていませんが、もしかしたら「『ウィザードリィ』といえばWinifred Phillips氏の楽曲」、と言われる日も来るのかもしれません。