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エレクトロニック・アーツは、2025年2月4日の第3四半期決算報告での電話会議において、2024年10月にリリースした『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』が売上予測に到達しなかったことについて「ライブサービスを導入しなかったこと」の影響を示唆しています。
ゲームは高評価なものの売上予測の50%ほど
同社CEOのAndrew Wilson氏は、報告の中で第3四半期の業績が期待していたものではなかったとコメント。提供する作品が高品質であっても財務上の見込みに到達しないこともあると述べ、ユーザー層によりアピールするためには、高品質なゲームなだけでなく「世界の共有」や「進化していく顧客の要望に応えること」が重要であるとしています。
その中で『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』のタイトルを挙げ、同作はローンチ時点で批評家やユーザーから高い評価を得たと紹介。しかし、一方で競争の激しい市場において「満足できるような数のユーザーに受け入れられなかった」とし、あらためて本作が売上予測に到達しなかったことを説明しています。
CFOのStuart Canfield氏は、ストーリーテリングが歴史的にはユーザーの購入意欲に繋がる重要な部分だとした上で、売上予測に達しなかったことが「進化する市場の現環境を示している」とコメント。市場が求める需要を理解してリソース分配を考えることが大切だとしています。また、同氏はエレクトロニック・アーツの2024年の利益の多くがライブサービスに関連するものであると、同じ報告内で指摘しています。
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当初はライブサービス型のゲームにする予定だった
BioWareが手がける『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』は、シングルプレイ向けのゲームとしてリリースされましたが、当初はマルチプレイ要素を備えた作品として開発されていました。しかし、BioWareが2019年にリリースした『Anthem』が振るわなかったことを受け、シングルプレイ向け作品として再開発されたという経緯があります。
エレクトロニック・アーツは、現在『Mass Effect』シリーズの新作のリリースを予定しています。開発を務めるBioWareは、2025年2月に開発体制見直しによる再編で大幅にスタッフが削減されていると報道されたほか、現時点で開発がプリプロダクションであることも明らかになっています。
海外メディアPC GamerやEurogamerなどは、今回の決算報告でのCEOおよびCFOの発言により『Mass Effect』シリーズ新作にはライブサービスの導入もあり得るのではないかと推測しています。なお、現時点でプロジェクトの詳細については明らかになっていません。