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ドライブRPG『Keep Driving』の正式版配信が、日本時間2月6日に実施されました。
これは、遠方で開催されるイベントへ行くため、主人公がオンボロ中古車に乗って長距離をドライブするという内容。平野が狭く、なおかつ鉄道網が発達している日本では馴染みの薄い旅のスタイルですが、アメリカやヨーロッパの大陸側諸国ではポピュラーな旅の様式。それを再現するゲームとして、大きな注目が向けられているようです。
というわけで、早速プレイしてみましょう!
両親との関係性がゲーム難易度に直結
ある日、遠方で催される音楽イベントに参加してみようと思い立った主人公。出発前、彼(もしくは彼女)は支度を整え、必要なものを愛車のストレージに積み込みます。
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この時点で、プレイヤーは主人公の容姿(性別)や車の種類、職業、初期アイテムなどを選択することができます。興味深いのは、「両親との関係性」という項目。これは実質的なゲーム難易度で、道中でどうしようもなくなった時に両親がどれだけ助けてくれるかの設定値です。両親と不仲だと、トラブルに遭っても助けてくれなかったり……。日頃から親と仲良くしろってことだな、うん!
そんなこんなで、出発です。デモ版では友達の家までの道中でしたが、正式版では途中の町でイベントのチケットを購入し、さらに遠く離れている会場に向かわなければなりません。次の町まで何十キロないし百何十キロという旅です。そして、道中には様々な出来事が待ち受けています。
いろんな要因で渋滞が発生
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日本でも、「事故渋滞」というものは珍しくありません。静岡県静岡市在住の筆者が新東名高速道路で東京へ向かう時も、必ず交通情報をチェックしています。
たとえば、足柄SAあたりで事故が起き、そこから東京方面へ数十キロの渋滞が発生したとします。となると、新静岡ICから新東名高速に乗り入れる筆者は、新清水JCTを使って中部横断自動車道に移り、双葉JCTを目指します。そこから中央自動車道に乗り入れるルートです。
『Keep Driving』の場合、時代設定が2000年代ということもありかなりアナログなスタイルのドライブ旅行になっています。スマホでGoogleマップを開いて渋滞情報を確認する……などということはできません。下道を走っていると、速度の遅い農業用トラクターによる渋滞にハマってしまうことも。主人公の体力、ガソリン、車の耐久度がゴッソリ減ってしまいます。放牧された羊が道路を塞ぐ、放置された車に進路を邪魔される、人間の死体が転がっているという理由の渋滞も発生します。
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その際はドライバーのスキルを使って、各パラメーターをなるべく消費しないようにします。もちろん、車にはガソリンというものが必要ですから、途中の町で補給してやる必要も。腹が減ったり頭痛がしたり、飲み物だけでは体力を回復し切れなくなったりという人的トラブルも容赦なく発生します。そして、最も肝心なのは先立つもの……つまりお金です。
立ち寄った町のカフェや農場でアルバイトをすることで、何とか路銀を工面することができますが……そしたら今度は体力がガクンと減り、仕方なくホテルに泊まったらその分お金が消えてしまった、という踏んだり蹴ったりな展開も待ち受けています。
ビールとハッパでハッピードライブだ!!
さて、筆者澤田真一は法令遵守がモットーのライターです。
犯罪になる可能性があることを記事にする場合は、それが日本では罪に問われてしまうかもしれない事実をしっかりと記述します。なぜこのようなことを急に断っているかというと、『Keep Driving』ではコンビニでお酒を購入してその場で飲んだ直後に運転する、ということが可能だからです。ちゃんとクラクラに酔っぱらってる表現も実装されています!
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そして、それだけではなく……この作品には大麻やコカインを販売している人も登場します。それをキメた状態でハンドルを握る、ということも可能です。
アルコール+ドラッグを摂取した状態での運転。それと、何かあった時のために拳銃も購入することもできますので、この『Keep Driving』はもしかしたらGTAシリーズにも通じる要素があるのかもしれません。
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てか、読者の皆さんはマネしちゃダメですよ!!
評価は「非常に好評」
そんな『Keep Driving』、日本時間2月8日14時半の時点でSteamでの評価は「非常に好評」。259件中96%が親指を上に立てています。
あまり身なりが綺麗とは言えない主人公が、今にも壊れそうな中古車でビールとハッパを口にしながらイベント会場までドライブをする。はっきり言って主人公はロクデナシなのですが、せめてPCの画面の向こうでハチャメチャな旅をしたい! と夢想している人にはピッタリな作品ではないでしょうか。
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敢えて『Keep Driving』の残念な点をいくつか挙げると、チュートリアルをもう少し分厚くしたほうがいいという感じもします。車の改造の仕方やアイテム使用時のエフェクトについての説明など、そのあたりが若干説明不足のような気がしました。本編とは別に、チュートリアル用のステージを設けてもいいかもしれません。
また、現時点で日本語には対応していません。このあたりで購入を躊躇してしまう日本人ユーザーもいるはずですが、ゲーム自体は決して複雑なものではなく、中学校で習うレベルの英語で何とか乗り切れるはず。
『Keep Driving』の価格は日本では2,000円。ですが、実際はその数倍の内容と面白さが含まれている良作と言えます。