日々無数のゲームがリリースされているデジタル販売プラットフォームでは、最低限ゲームとしての体裁を整えた「ショベルウェア」や、既製品をそのまま流用した「アセットフリップ」といった悪質なゲームがストアに並んでしまうことが問題視されています。
生成AIの普及で深刻化しているこの問題について、PlayStation Storeで販売されていた悪質なタイトルが多数削除されたことをEurogamerなどの海外メディアが報じたことで再び関心が集まっている模様です。
あらゆるユーザーを悩ませる低品質ゲーム
多種多様なプラットフォームでリリースされているゲームには、独創的なアイディアによりフォロワー作品が多数生まれる程の反響を呼ぶものが誕生することがあります。その影響力の影には、最低限ゲームらしく見えるようにしつつ中身が伴っていなかったり、ほぼ手を加えることなくそのまま真似たりする悪質なゲームが紛れこむこともありました。
ユーザーを悩ませる低品質ゲームについて、アセットフリップを乱造していたRandomSpin GamesのタイトルのほとんどがPS Storeから削除されたとEurogamerなどの海外メディアが報じています。先月中旬にはMaksym Vysochanskyy trading as IndieGames3000が本家のキービジュアルを模倣して公開した『Monster Hunters』も削除されたことが確認されており、地道で堅実な対応が日々続いている模様です。
何故低品質ゲームが目に入るのか―各種プラットフォームでの悪辣な手法も
今月頭にIGNが公開したレポートでは4つの販売プラットフォームの違いについて言及しています。ニンテンドーeショップでは割引期間を最長に設定し、期間終了間際に新たなバンドルとして再び販売することで新作一覧ページに居座り続けるという悪質な手法があると報告しました。
PS Storeについては“「欲しいリスト」入り確実のゲーム”ページでの悪辣な出品方法に触れています。このページではデフォルトで発売日順にソートされ、未発売のゲームはアルファベット順に並べられるため、その仕様を利用して上部に表示させられる旨を説明。販売プラットフォームの仕組みを悪用してあの手この手で低品質ゲームをユーザーの目に留まりやすくしている模様です。
Microsoft Storeで低品質ゲームが比較的に目立たないことについても考察しており、開発者やパブリッシャー単位での審査を実施せずに常にゲーム単位で審査していることや、審査基準が高いことを理由に挙げています。加えて、コンソール上では高度にキュレーションされたストアページを表示しているため低品質ゲームが発見されづらいとのように述べています。
Steamについてはおそらく最も低品質ゲームが乱造されているとしつつ、ストアフロントのソートや検索オプションが充実しており、それらの機能が低品質ゲームの発見を助長しないという旨を説明。そもそもリリースされるゲームの数が多すぎて新作ページが常に更新され続けていることにも触れられています。
悪質なゲームが話題になる際にストアページの厳格な規制が求められることがありますが、判断基準の正当性を示すことは困難であり、誤った判断が下される危険性があることを危惧する声もあります。これから先もゲーマーの前に立ちはだかるであろう低品質ゲーム問題について、各種プラットフォームでの対応に大きな関心が寄せられています。