『オーバーウォッチ 2』を大進化させる168種類ものパーク実装の舞台裏、経験値の獲得速度はヒーローごとに調整、パーク大規模調整も今年後半に計画中【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『オーバーウォッチ 2』を大進化させる168種類ものパーク実装の舞台裏、経験値の獲得速度はヒーローごとに調整、パーク大規模調整も今年後半に計画中【インタビュー】

ゲーム性をガラッと変えるほどの大規模アップデートの目的や背景について、リード・ゲームプレイデザイナーに聞きました。

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『オーバーウォッチ 2』を大進化させる168種類ものパーク実装の舞台裏、経験値の獲得速度はヒーローごとに調整、パーク大規模調整も今年後半に計画中【インタビュー】
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オーバーウォッチ 2Overwatch 2)』のシーズン15では新たに実装される“パークシステム”で168個ものパークが追加されます。

ゲーム性をガラッと変えるほどの大規模なアップデートの目的や背景について、リード・ゲームプレイデザイナーのAlec Dawson氏との合同インタビューでお話を伺いました。

パークシステム導入の背景

――オーバーウォッチについにパークが実装され非常に驚きました。なぜ今このタイミングなのでしょうか?

Alec Dawson氏(以下、Dawson):実は約1年前からこのシステムの開発に取り組んできました。きっかけとなったのは、シーズン9での比較的小規模な変更に対するコミュニティからの大きな反応でした。その反応を見て、オーバーウォッチをさらに進化させる方法を本格的に検討し始めました。

「プレイヤーにより多くの戦略的選択肢と自由度を提供したい」そして、「既存のゲームプレイに新しい層を追加することで、より深い戦略性を実現したい」そういった思いから、パークシステムの導入を決定しました。シーズン9の変更と比べても、パークシステムははるかに大規模な変更となりますが、それだけの価値があると確信しています。

パーク実装後の急激な変更はなし、シーズンごとにパークが入れ替わる可能性

――これだけ多くのヒーローがいる中で、パークの実装はバランス調整が非常に難しかったのではないでしょうか?

Dawson:最大の課題はその規模の大きさでした。40以上のヒーローに対して160以上のパークを実装するというのは、私たちにとっても前例のない挑戦でした。しかし、それ以上に難しかったのは、パークが持つ影響力の適切なバランスを見つけることでした。

パークは確実にゲームプレイに影響を与える必要がありますが、同時にオーバーウォッチの本質的な競争性や戦略性を損なってはいけません。このバランスを見つけるために多くの時間を費やしました。時には、これまでのオーバーウォッチの試合に対する期待とは異なる判断を下す必要もありましたが、最終的には競争的な要素を保ちながら、プレイスタイルを大きく変更できる新しい層を追加できたと考えています。

――パーク実装後のバランス調整はどのように進めていく予定でしょうか?

Dawson:まず、明確にお伝えしたいのは今年のヒーロー実装スケジュールには一切影響がないということです。バランス調整についても、従来通りシーズン開始時と中間での調整を継続していきます。

ただし、パークに関しては少し異なるアプローチを取ります。システムが非常に大規模なため、最高レベルのプレイヤーでさえすべての可能性を理解し使いこなすまでには時間がかかるでしょう。そのため、実装直後は急激な変更を避け、プレイヤーが十分に学び経験を積む時間を設けます。

その後、どのような戦略や組み合わせが生まれるのか、どのパークが予想以上に強力か、あるいは弱いのかを見極めてから、必要な調整を行っていく予定です。また、シーズンごとに新鮮さを感じられるようパークの入れ替えも検討しています。

パーク追加での新規プレイヤーへの配慮とヒーロー作成における利点

――多くのパークとヒーローの存在は、新規プレイヤーにとって飽和的すぎてハードルが高いのではないでしょうか?

Dawson:確かにゲームの複雑さは増していますが、オーバーウォッチを親しみやすいゲームにするという私たちの基本理念は変わっていません。そのため、いくつかの重要な設計判断を行いました。

まず、パークの選択機会を試合中2回だけに制限しています。これにより、プレイヤーは一度に処理する必要のある情報量を抑えることができます。また、今後のヒーロー開発では、パークシステムを活用することで、逆説的にヒーロー自体をよりシンプルにできる可能性も見えてきました。

最近のヒーローは多機能な傾向にありましたが、パークシステムがあることで、基本的な能力はシンプルに保ちながらパークを通じて複雑な戦略オプションを提供することが可能になります。これは新規プレイヤーの学習曲線を緩やかにする一つの方法になると考えています。

――パークをメジャーとマイナーに分けた理由を教えてください。

Dawson:この区分はプレイヤーの理解しやすさを重視した結果です。マイナーパークはコアとなるゲームプレイループは変えずに、小さな強化や良い効果を与えるものとして位置づけています。

一方、メジャーパークは試合の中盤以降に獲得でき、より大きな影響力を持ちます。例えば、アビリティの入れ替えや新しいアビリティの獲得といった、プレイスタイルを大きく変更するような効果を持たせています。

この区分により、バランス調整やデザインの方向性も明確になりました。メジャーパークはゲーム後半に獲得するため、アルティメットに関連するパークは控えめにし、代わりにゲームプレイを劇的に変化させる要素を入れています。

――パーク経験値の獲得システムについて教えてください。私はテストプレイでダメージロールのフレイヤとサポートロールのマーシーを使ったのですが、フレイヤに比べてマーシーが全く経験値を獲得できずに愕然としました。

Dawson:パーク獲得速度はヒーローごとに個別に設定されており、基本的にはアルティメットゲージの獲得速度を基準にしています。これは各ヒーローの戦場での影響力や役割を考慮した結果です。

例えば、マーシーのようなサポートヒーローの場合、現在は蘇生などの行動に対する経験値の獲得がご指摘のとおり少ない状況にあります。これは実装後の調整が必要な部分の一つです。私たちは実装後のプレイヤーの反応を注意深く観察し、各ヒーローが適切なタイミングでパークを獲得できるよう、継続的な調整を行っていく予定です。

また、重要な点として、ヒーローを切り替えても最初に選んだパークは維持されるようになっています。これは戦略的な予測可能性を確保するための設計判断です。敵のパークを把握し、それに対する対策を練ることができるようにしたかったのです。

パークのメタが流動化するように運営

――個人的に好きなパークはありますか?

Dawson:バティストの自動回復パークが特に印象に残っています。このマイナーパークは増幅マトリックス起動時に回復レーザーを発射する小さなタレットを生成します。これは単なる機能追加以上の意味があります。

このパークを通じてバティストというヒーローの未開拓の可能性を引き出し、そのファンタジー性をより高めることができました。同様の例として、ラマットラが貪欲な渦を空中で爆発させられるメジャーパークもあります。

パークシステムの真の魅力は、既存のヒーローに新しい可能性を付加できることです。それによって、プレイヤーは新鮮な体験を得られると同時に、ヒーローの世界観やキャラクター性をより深く味わうことができるようになります。

――パーク実装後、特定の組み合わせに収束するメタが生まれる可能性についてはどうお考えですか?

Dawson:パークシステムは非常に大規模で、160以上ものパークが存在します。そのため、最適な組み合わせを見つけ出すには相当な時間がかかるでしょう。私たちはむしろ流動的なメタが形成されることを期待しています。

重要なのはヒーローの強さがパークだけで決定されるわけではないということです。基本的な性能が土台となり、パークはその上に追加される要素です。この構造によりバランス調整の選択肢が広がりました。

また、今年後半には大規模なパークの調整/追加も計画しています。シーズンごとに新鮮さを感じられるよう、必要に応じてパークの入れ替えも行っていく予定です。これにより、メタが固定化することを防ぎ、常に新しい戦略が生まれる環境を維持したいと考えています。

――内部テストでヒーロー同士の興味深いシナジー効果は見つかりましたか?

Dawson:初期の開発段階でオーバーヘルスに関する興味深い発見がありました。例えば、マーシーの初期パークの一つは、ダメージブースト中に対象のヒーローに最大50のオーバーヘルスを付与するというものでした。また、トレーサーにはリコール後にオーバーヘルスを得るパークがありました。

しかし、テストを重ねる中で、一人のヒーローが一定量以上のオーバーヘルスを得ると、極端に強力になりすぎることが分かりました。このような発見を通じて、パークの効果を徐々に調整し、現在のバランスに落ち着かせています。

このように、パークシステムは私たちにとっても新しい発見の連続でした。実装後も、プレイヤーの皆さんが思いもよらない組み合わせや戦略を見つけ出すことを楽しみにしています。

最適なUIバランスを求めて改善を継続

――初めてプレイテストをした際に、レベルアップしたという通知が気づきにくいと思いました。この点についてはどうお考えですか?

Dawson:これは非常に良いフィードバックですね。私たちはパークの表示を控えめにしながらも、UIの大きさや色合いなどが必要な情報をしっかりと伝えられるバランスか探っているところです。

具体的な改善策として、カスタマイズ可能なコントロールオプションを用意しています。例えば、パークの選択を特定のキーにバインドすることで、素早い選択が可能になります。ALLキーを押し続ける必要はなく、3キーや4キーといった任意のキーに割り当てることができます。

実装後は、プレイヤーがパークシステムを理解し、使いこなすまでにどの程度の時間がかかるのか、どのような困難に直面するのかを注意深く観察します。その結果に基づいて必要な改善を行っていく予定です。

――ありがとうございました。


《ライター:いーさん,編集:TAKAJO

編集/いつも腹ペコです TAKAJO

Game*Spark編集部員。好きな映画は「ダイ・ハード」、好きなアメコミヒーローは「ナイトウィング」です。

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