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ゲーム開発者のMark Darrah氏は、YouTubeにて「Your $70 Doesn't Buy You Cruelty」と題した動画を公開し、ユーザーがゲーム開発者へ個人攻撃することなどへの苦言を呈しています。
元BioWareのベテラン
Darrah氏は2020年に退職するまでBioWareにて20年以上活躍したベテランで、『ドラゴンエイジ』シリーズや『Anthem』などに関わっています。その後『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』の開発にもコンサルタントとして参加しています。
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そんな同氏は「Your $70 Doesn't Buy You Cruelty」と題した動画を公開し、「買ったゲームが気に入らなくても、開発者に残酷なことをしてはいけない」と語ります。ただし動画の冒頭にて「買ったゲームを好きにならないといけないとは言わないし、文句を言ってはいけないとも言わない」と感想や意見は各ユーザーの自由だと前置きしています。
意見の表明は個人の権利だということの例として、「ユービーアイソフトのゲームに怒ったのなら、ユービーアイソフトに怒ってください」とも続けています。
残酷な行為は一線を越えている
上記のようにユーザーが買ったゲームに不満を持ったり、その不満を表明したりすることは構わないとするDarrah氏ですが、「残酷な行為は一線を越えている」と今回の動画における主題を切り出します。
「残酷な行為」について同氏は、気に入らないゲームを制作したスタジオで実施されたレイオフを祝うことを挙げています。また具体的に気に入らない要素があったとしても、ゲーム制作中の詳しい事情はわからないのだから開発者を個人攻撃すべきでないということも語っています。どうしても組織ではなく個人に対して苦情を言いたいのであれば、クレジットの最上位にある責任者がいいとも話す同氏は、「『Anthem』に腹をたてたら、私です」と例を示しています。
動画の最後には改めて「意見を言う権利はある」としたうえで、「個人を攻撃しないでください、他人の受けた損害を祝わないでください。意見はゲームの制作会社に具体的に伝えてください」とまとめています。
同氏が長年を過ごしたBioWareではレイオフを含む体制見直しが行われ、100人に満たない従業員数になっていることが2月上旬に報じられていました。