今回は、Warhorse Studiosが手掛け、PLAIONから発売された『キングダムカム・デリバランス II』のPlayStation 5版をプレイ!本作は、15世紀の中世ヨーロッパのボヘミアを舞台としたオープンワールドアクションRPGです。前作同様、現実世界が舞台なので魔法なんかあるはずもなく、シビアな世界が広がっています。
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高難易度というわけではないのですが、システム面が少々独特なので、慣れるまでは村のおっさんにさえボコボコにされてしまいますし、一番易しいピッキングなのにロックピックがボキボキ折れていきます。とは言え、僕は前作はガッツリ遊んでいますし、苦労せずに進められるのではないでしょうか!とわかりやすくフラグを立ててみました。
◆汚物まみれの冒険の始まり!
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15世紀初頭、ボヘミア王国は戦乱のさなかにあった。主人公ヘンリーは、トロスキーのフォン・ベルゴー卿に手紙を届けるため、ハンス・カポン卿とともに馬を走らせていた。この任務は勇気は不要な簡単なものになるはずだった……。
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道中に敵対勢力と相対し、いきなり一触即発の雰囲気となる。「お前は誰だ」と問われ、返答するかたちで自分のプレイスタイルを、兵士、助言者、斥候から選択する。スタート時に選んだステータスが優遇されるだけなので、あとからいくらでも取り返しがつきそうだな。まずはこの局面を切り抜けるためにも知識や饒舌さに優れている助言者を選んだぞ。
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皮肉をぶつけ合うも、なんとか穏便にすませられたので、池の側の景色の良いスポットで野営をすることになった。カポンと一緒に、水浴びをする女性を覗き見していると、野蛮な兵たちがやって来て野営地を荒らし、女性に暴行を加えようとしていた。
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非道な行いを見逃せない我らが主人公ヘンリーは「おい!その手を離せ!」と一喝!
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か弱き女性を助けたヒーローになると思いきや、その直後に男たちより立場が上っぽい兵がやってきて、暴行を加えようとしていた男を殴り飛ばし、見事女性を救ったのだった。
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後にこの女性と運命的な再会を果たしても、ヘンリーが直接救ったわけじゃないので恋には発展しないだろうな……。
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無駄に追われるハメになったヘンリーとカポンは、逃亡中に怪我を負ってしまうも、薬師の老婆に命を救われる。そしてなんとか目的のトロスキーにたどり着くも「そんなボロボロな貴族なんかいねーよw」と泥ともウンコともわからない汚物を浴びせかけられ、門前払いされてしまった。
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あげく、カポンが近くの町の酒場でケンカをやらかしたせいで、二人して晒し台につながれるのだった。
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カポンは「ヘンリーのせいで全てが上手くいかない」となじり、命を助け合う仲良しコンビだったのが一気に険悪な雰囲気に……!
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晒し台から開放されたカポンは、謎のポーズでヘンリーに別れを告げる。妙にツボにハマってGIFアニメにしちゃった。
手紙を渡す任務も終えられず、汚物を頭からぶっかけられ、酒場のケチなケンカで晒し台に繋がれた末に、相棒とケンカ別れするといった最悪の幕開けからヘンリーの冒険が本格的に始まるのだ。
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半裸で……!
◆癖つよシステムに順応せよ!
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カポンとは喧嘩別れしたけど、当初の目的通りフォン・ベルゴー卿に手紙を渡しに行こう。あいつはあいつでなんとかやってるだろう。
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インベントリにボロボロの服や武器があった。うん、ギリ逮捕されないレベルの、ほんと最低限といった装いだ。せめて町人くらいの服に着替えたいな。しかしお金は無いし、売れる物も無いとなれば、やることはひとつだ。
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そう、窃盗だ。この世界での窃盗は、人から直接スリを行うものと、民家などの鍵付きボックスから拝借するものがある。今から行うのはスリだ。盗みを実行すると中央の数字が徐々に増えていく。
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この数字は実際に盗む際の蓄積時間となる。長ければそれだけ余裕を持ってアイテムを物色できるんだけど、時間をかけるほど気付かれてしまうリスクがある。では次は戦闘システムについて説明しよう。
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犯罪が露見すると衛兵がやって来る。罰金を払うか、捕まって罪を償うか、抵抗するかが選べる。お金も払いたくないし罪も償いたくないので抵抗しようかな。
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近接での戦闘は、敵の武器の構えを見極めて、ガードされない方向から攻撃しなければならない。
こちらの攻撃がガードされ続けるとスタミナが減っていき、スタミナ0になると防御さえ行えなくなるので、序盤はこれでタコ殴りにされた末に殺されてしまう。慣れないうちは、油断していたらその辺のおっさんにさえアッサリ負けてしまう。油断していなくても流れるように負けちゃったんだけど。前作経験者なのに……。
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戦闘や窃盗を有利に行えるようになるドーピングアイテムも存在する。その辺に生えている草花を素材として、様々な効果を持つ薬品を錬金術で作成できるのだ。
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錬金釜に素材を入れただけでサクッと完成するゲームが多いけど、本作の錬金術はやることがちょっと多い。作りたい薬品のレシピを確認し、すり鉢で挽いたり、ふいごで火を強めたり、砂時計何回分かを火にかけたりする必要があるのだ。面倒といえば面倒なんだけど俺は今錬金術をやっているんだ!感を強く味わえるので僕は好きだな。
とにかく元手がかからないので、戦闘に勝てない、窃盗も失敗する、じゃあどうしたらいいの……というときは、とりあえず野草引っこ抜いとけ!
◆ただひたすらに犯罪を……
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フォン・ベルゴー卿に直接会うために、とある町で行われる結婚式にどうにかして潜り込むのが序盤の流れだ。もちろんメインクエスト以外に各地にサイドクエストも用意されている。
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が、実はメインもサイドもあまりクエストは進められていない。じゃあ何をしていたかと言うと、窃盗、スリ、強盗と、ひたすら犯罪行為に明け暮れていた。店売りのアイテムは異様に高いので、人から盗んだ方が効率良く装備が揃うのだ。
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最初の頃はいちばん簡単な鍵すら開けられずにいたけど、今では一番難しい鍵も一発で開けられるようになった。数多くのピッキングをこなして慣れたのもあるけど、一番の理由は窃盗のスキルを身に着けたことだろう。
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筋力や敏捷性の基本ステータスに関わるスキルや、錬金術や窃盗術の技能ごとのスキル、剣や弓などの武器スキルが存在する。窃盗術のスキルを習得すると、スリやピッキングが気付かれにくくなったり、ロックピックが壊れにくくなったりするのだ。犯罪行為に明け暮れていたおかげで、窃盗術と隠密のレベルがやたらと高くなっている。
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ただ、どれだけ見つからずに犯罪行為を行っても、思わぬところからバレる可能性もある。盗んだものには盗品マークがついていて、このマークは一定日数が過ぎないと消えないのだ。盗品マークがついている物を売ろうとしたり身につけたりしていると、そこから足がついてしまう恐れがある。
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まあ、自分用のチェストに保管して数日過ごせばいいだけなので問題はない。さて、今夜の盗みの下準備として、酒場の料理鍋に毒を仕込んでおこうかな!非道な行いとは思うけど、僕だって通りすがりのおっさんに毒を盛られたりしているし、ここはそういう世界なのだ!
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ひと財産が築けたのでメインクエストも進めていこう。カポンと再会し、仲直りも出来たようだ。良かったね!ただ「今までずっとどうしてたんだ?」と尋ねられると……
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う、うん、まあ、色々だよ。色々!
80時間ほどプレイしました。序盤はあまりセーブをしていなかったため、何度もゲームオーバーになって巻き戻った時間を合わせると、プラス10時間ほどプレイしていると思います。
錬金や鍛冶の手順の多さや戦闘システムの複雑さなど、手間がかかる要素が目立ちました。ただ、盗品がバレないように一旦寝かせたり、円滑に窃盗を犯すために料理鍋に毒を仕込んだりといったように、自分で試行錯誤していくのが楽しかったですね。初めてMMORPGをプレイしたとき、ゲームの世界で実際に生活しているような気持ちになっていたのを思い出しました。
とは言え、本当に手間の多いゲームなので、その辺りを楽しめるかどうかで、人によっては評価は両極端になると思います。ここまで読んでくださった方ならおわかりになるでしょうが、僕はハチャメチャにハマっておりました。
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