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高級輸入車ディーラーがeスポーツで社内交流―双日オートグループ、全社横断イベントで社員の一体感醸成【インタビュー】

双日オートグループが全社向けにeスポーツ大会を開催し、社員の一体感を育成。予選を経て決勝が行われ、多様な職種が参加し盛況。リアルとバーチャルの融合が新たな交流の機会を生みました。

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総合商社 双日グループにおいて、日本国内での自動車販売事業を展開する双日オートグループジャパン。傘下の子会社を通じて、BMWやMINI、ボルボ、マセラティ、BYDをはじめとしたカーディーラーを全国で34店舗展開しています。

同社は2024年から2025年にかけて、同じく双日グループでeスポーツ関連事業を行うGRITzのサポートのもと、社員同士の交流を目的とした社内eスポーツ大会を実施。各拠点で予選を勝ち抜いたチームが江東BMWに集まり、決勝大会が開催されました。なぜeスポーツを選んだのか?どのような効果を感じたのか?企画を主導した双日オートグループ東京の管理本部長 中西泰隆氏、人事総務IT部の中村早苗氏、米田梓沙氏の3名にインタビューを実施しました。

画像左から中村早苗氏、中西泰隆氏、米田梓沙氏(場所は池袋BMW)

<インタビュアー:GRITz 代表取締役 温 哥華、e-Sports Business.jp編集部>

――最初に自己紹介をお願いします。

中西現在は、双日オートグループジャパンの執行役と、BMW、MINIの正規ディーラーである双日オートグループ東京およびアウトプラッツ2社の取締役管理本部長を担っています。双日オートグループ東京は2023年1月、アウトプラッツは2023年9月より双日グループになってから務めることになりました。

中村私は2024年3月中旬に入社して、現在は採用全般を担当しています。新卒や中途、派遣アルバイトのすべてを扱っているほか、新入社員のシステムへの登録や変更なども行っています。前職は土木機械系のメーカーで人事や総務を担当していまして、その前も人事コンサルをしていたのでずっと人事畑ですね。

米田私は2023年6月に入社し、財務経理部に所属していました。今年1月に人事総務IT部に異動となり、現在は秘書業をはじめ社内イベントの企画など幅広い業務に携わっています。

中西多忙な社長のスケジュール管理を1人で担ってくれています。

――今回は双日オートグループの社内イベントとして実施されたeスポーツ大会についてのインタビューなのですが、まずはお三方のゲームの知識や腕前など、どれくらい関心を持っていたかを教えてください。

中西僕はスマホゲームはほとんどやったことがないですね。ですが、ファミリーコンピューターが世に出てきた“ファミコン世代”ですので、若かりしころは色々なゲームをプレイしていました。野球部だったのもあり、野球ゲームが得意でした。

中村私は兄がいるので、幼いころはニンテンドー64で一緒に『大乱闘スマッシュブラザーズ』などで遊んでいました。あとは『ドラゴンクエスト』が好きなので、シリーズはほぼプレイしていて、大人になってからも「ドラクエが出たらやる」というスタイルです。今は小学生の息子と『スーパーマリオブラザーズ』や『Human Fall Flat』にはまっています。

米田私は子どもの頃はよく遊んでいましたが『スーパーマリオブラザーズ』のようなアクションゲームは苦手で、どちらかと言えば『どうぶつの森』などカジュアルなゲームをプレイしていました。最近またゲームをやり始めて、休日はスイッチやPS5でゲームを楽しんでいます。

――ありがとうございます。eスポーツ大会についてお聞きする前に、まず双日オートグループについて簡単にご紹介をお願いできますか。

中西2024年4月に双日オートグループジャパンがホールディングス機能を発足させまして、その下に双日オートグループ東京、アウトプラッツ、 双日オートグループ大阪というBMW/ MINIのディーラーブランド3社。それと双日オートグループジャパンのディーラー部門と双日オートグループ東海の5社がホールディングス機能の元に新たにスタートしました。

BMWやボルボ、マセラティ、BYDなどのブランドを扱っているほか、 双日オートグループ東海は高級中古車販売の「Aperta(アペルタ)」や、在留外国人向けの中古車販売「Easy car RIDE」など可能性を広げる未来型事業も行っているのが特徴です。また2月14日には横浜市の港北インターチェンジ近くに「マセラティ横浜港北」、プレミアムブランドの中古車専門販売店「Dutton One 横浜港北」をオープンしました。これで全国で34店舗を展開することになります。

――そんな高級ブランドの外国輸入車を多数取り扱っていて全国的にディーラー事業を展開している会社が、どういった経緯で社内eスポーツ大会を実施することになったのでしょうか。

中西さまざまな背景がありますが、2024年4月にホールディングスとしてスタートしたばかりで、何か全社的に横串を刺せるようなイベントをやりたいという声が社員の皆さんから挙がっていたのが、そもそもの始まりですね。それを具現化するにあたってはボウリング大会や運動会など色々な候補がありましたが、もっと全国に広がるグループの皆さんが気軽に参加できるものはないかと考えていました。

そこで、ちょうどグループ会社にeスポーツ事業を担う「GRITz」があるじゃないかということで相談させていただき、eスポーツ大会の企画がとても面白そうなのでぜひにと、走り始めました。全国にグループが広がっている中で統一感や一体感を醸成するためにeスポーツが役に立つのではないかという考えが背景にありましたね。

――ホールディングスとなってから初めての全社イベントになったということなのですが、それ以前には全社的な取り組みはどのようなものが行われていたのでしょうか。

中西コロナ渦を経て、クリスマスパーティーやバーベキュー、運動会など、各社ごとでの催しは定期的に行われていますが、今回のような横の繋がりと言える形とはまた違った内容でした。

――今回のeスポーツ大会は戦略シミュレーションゲームを用いて3人チームでの対戦というルールでしたが、大会はどのような形式で実施されたのでしょうか。

中村まずは予選を各グループ会社5社で分かれて実施しました。ただ、会社によっては関西と四国にまたがって店舗が存在するケースなどもあり、近い地域のグループ会社の予選会に参加するなど柔軟に進めていました。

そのため、地域ごとに予選会の場所や規模は異なるのですが、双日オートグループ東京は足立BMWに15チーム、つまり40~50人ほどが集まっての予選会になりました。大阪では、双日オートグループ大阪と双日オートグループジャパンの大阪サテライトが会議室に集まって開催したと聞いています。

四国方面は、実際に集まって実施するのが難しかったため、拠点間でチーム分けをしてからオンラインでの実施になり、東海もオンラインでの予選会になりました。それでも予選はいずれの地域も10チーム前後集まって、勝ち上がった2チームずつ、計10チームが1月15日の決勝大会に進出するという流れになっていました。

──予選段階からオンラインとオフラインのハイブリッド形式で進行していたのですね。

中村はい。東京ではアウトプラッツも練馬や荻窪と繋いでのオンライントーナメントを実施していましたね。全国に34店舗ありますので、それぞれのエリアに合った形で進めて行きました。

――各地の予選を勝ち上がったチームが出場する決勝大会はどちらの会場で行われたのでしょうか。

中村会場は亀戸のショールーム「江東BMW」です。常時6台の車を展示できる施設ですが、大会の当日は安全やスペース確保のために展示車は移動していました。

――今回は初めての全社イベントかつ初のeスポーツイベントと、新しいことずくめで大変なことも多かったのではないかと想像されますが、準備はどのように進めて行ったのでしょうか。

米田グループ各社にそれぞれ2名程度の事務局を設置し、Zoomでのオンラインミーティングで準備を進めていました。

――企画や告知の段階では、社員のみなさんの反応はどうでしたか。

米田個人的な印象ですが、やはり今まで実施したことがないということもあり、最初は「一体これは何だろう?」と怪訝に思われているような感覚はありました。できるだけたくさんの人に参加してほしいのですが、チーム戦ということもあり、拠点によっては人が思うように集まらないこともあったようです。

――初めてのイベントならではの難しさを感じられたということですが、そこから事務局としてアプローチも必要だったのではないでしょうか。

米田かなりアプローチしました。特に中村さんがしてくださいました。

中村個人に直接「出場しない?」と声かけをしましたね。新卒の社員から声をかけて、拠点長にも呼びかけのお願いをして出場者を集めました。

――最終的に決勝大会はどれくらいの方が集まったのでしょうか。

中村まず選手は10チーム、30名です。そこに応援も合わせると全部で60~70名ぐらいは参加されていたかと思います。あとは、現地で参加・観戦していた社員以外に社内向けのライブ配信で見ていた方も多くて、常時50名くらいは視聴されていたようです。

中西ライブ配信の視聴も合わせると、延べ100名ほどは居たのではないでしょうか

――出場選手と応援でも異なると思いますが、決勝当日の年齢層や職種はどのような方々が多かったのでしょうか。

中西どちらも幅広かったですね。新入社員から管理職まで来ていただきましたし、選手は20代から50代まで出場していたかと思います。

中村予選は60代の方の参加もありました。四国から決勝戦に進出したチームは40代の方が20代の2人を率いており、楽しそうにプレイしていたのが印象的でしたね。

中西職種も営業からサービスまで、いろんな方がいらっしゃいました。

――参加者の皆さんで元からゲームの経験者だったという方は。

中村決勝に進んだ選手の中には何年もプレイしている人もいましたが、多くはなかったですね。基本的には全員同じようなスタートだったと思います。

――決勝大会は1月でしたが、12月の予選を含めても1ヶ月少々の期間で今回のイベントが実施されたということですね。

中西そうですね。検討を含めても全体で2ヶ月半ぐらいのスケジュールだったかと思います。

短期間ではありましたが、予選会を見ていても、普段ゲームにまったく触れない人も見ているだけで楽しめるイベントになっていました。こういったイベントがあるということを理解してもらえただけでも良かったのではないかなと。

――ちなみに優勝チームや最終順位はどのような結果だったのでしょうか。

中村優勝は双日オートグループジャパンのシステム関連を担う大阪サテライトの方たちでした。2位も双日オートグループジャパンの方で、四国でボルボのディーラーとして勤めている皆さんですね。3位チームは、双日オートグループ大阪のBMWサービスセンターの方々でした。

――本当に各地から幅広い職種の方が参加されていたことが分かる結果になっていると思います。当日は会場もかなり盛り上がっていたのではないでしょうか。

中村久々に会う方たちもいて、わっと盛り上がっていましたね。

中西全国で事業展開していると同じ会社でもなかなか会う機会がないこともあり、一か所に集まることで応援するムードも生まれました。当日は軽食とアルコールもありましたので、それも良かったかなと。

米田お酒が飲めるのは良かったと思います。出場者の方はプレイに差し支えない程度に控えなければいけなかったと思いますが、観客はかなり盛り上がっていました。

――イベント後のアンケート結果や反響はいかがでしょうか。

米田応援の方も選手も、楽しかったという意見が多かったですね。予想以上に盛り上がったという声や、お酒が美味しかったという意見もありました。

中西当日は社長からも「正直ただのゲームだと思っていたけど、そうじゃなかった」という声がありましたよね。

中村反響と言えば、アウトプラッツの方に何度か「見ましたよ」って声をかけられました。

中西中村さんは当日の司会を務めてくれていましたからね。

中村普段はあまり会話することがなかった方も声をかけてくださったので、そこから業務中でも自然と話せるようになりました。

――ゲームに関する進行はプロのeスポーツキャスターの方が担当されていましたが、中村さんも社内事情を知る司会者として活躍されていたと聞いています。

中西中村さんは当日3時間ほどずっと話していらっしゃって、助かりました。社内ならではの盛り上げができたのは中村さんのおかげですね。

中村始まる前に事務局の方に聞いた地域予選の内容や、参加者への挨拶の際に聞いた小ネタを盛り込んでいました。キャスターの方も流石プロという進行で、アンケートでも好評でした。

米田盛り上げ方が素晴らしかったという声がありましたね。

中村選手としても自分のプレイにプロの実況や解説がつく経験はなかなかできるものではないですから、やはりテンションが上がる経験だと思います。

――eスポーツにはオンラインで繋がれる点や短時間で勝負できる点、そしてチームビルディングに繋がるなどメリットがさまざまありますが、今回のイベントを実施して皆さんがeスポーツに感じた可能性や魅力があれば教えてください。

米田オンラインでどこからでも誰とでも対戦できるという魅力もありますが、社内イベントとして「勝ち負けがある」イベントをできたことがすごく良かったなと感じています。最初はそんなに乗り気じゃなかった人も、やっていくうちに「勝ちたい」という気持ちが強くなって、それが最終的にあの大盛り上がりにつながったのだと思います。仕事終わりに集まって練習していたチームもありましたし、「勝つ」という1つの目的のために社員同士の結束力が高まったのではないかと思います。

――勝負事には夢中になれる効果がありますよね。

中村私は、やはりグループがホールディングスとして大きくなっていますので、他の拠点で働く社員とコミュニケーションが取れる部分が一番大きな魅力だと思います。全国に散らばっていると一堂に会するのは難しいですが、予選はオンラインで実施できて、決勝には遠方からも来てもらえる。それまでメールでしかやり取りしてなかった人と当日会って話せると、恐らく今後のイベントや仕事でも取り組みやすくなると思いますので、そのきっかけになったのではないでしょうか。

中西初めてのeスポーツ大会でしたが「リアルとバーチャルの融合ができた」ことが印象的です。バーチャルには時間を問わず場所も取らない良さがありますし、もちろん全行程をバーチャルで実施することも可能ではありますが、そこにリアルなイベントを入れることでコミュニケーションを深められたのが良かったと思います。この融合が可能になっているのはeスポーツの1つの魅力なのかなと感じました。

車を販売する世界も、リアルだけでなくバーチャルの世界もありますし、今後もリアルとバーチャルの垣根を超えた動きがいろいろと生まれてきているのではないかと個人的に感じています。そうした意味では、今回自動車ディーラーでeスポーツ大会をやれた意義は結構あったのではないかなと、勝手ながらに思っています。

――最後にメッセージなどあればお願いします。

中村現在は2026年卒の新卒採用も進めておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

中西ゲームの腕前は問いませんので(笑)。

中村そうですね。自動車の運転免許は必要ですが(笑)。

――本日はありがとうございました!

《ハル飯田》
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