全世界待望の『モンスターハンターワイルズ』が2025年2月28日にリリースされます。日本国内だけでなく、世界中でカプコンを代表する作品として親しまれるようになったシリーズですが、初代『モンスターハンター』(2004)がリリースされてから、今年で21年が経とうとしています。
ゲーム史は諸説ありますが、ゲームが一般化の兆しを見せた『スペースインベーダー』(1978年)や「ファミリーコンピューター」(1983年)の誕生から、もはや40年以上。『モンスターハンター』もゲームも、長い時を重ねてきました。
そしてそれはプレイヤーも同じこと。今回は御年65歳のハードコアゲーマーであり、かなりのやり込みハンターでもある「shinji1959」さんにインタビューを実施しました。
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shinji1959さんは『グランツーリスモ』で“GTサミット”というコミュニティを開催していたり、『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』にて天才プレイヤーと呼ばれるご子息の「あきうめ」さんを支えたりと、まごうことなきハードコアゲーマー。さらにはゲムスパ歴20年の読者でもあるとのことで、編集部も大盛り上がり。
Game*Sparkも2006年の誕生から来年で20周年を迎えますが、そんな中でGame*Sparkを読み続けてくれたshinji1959さん。「老いて益々盛ん やり込め!爺さんゲーマー」と今もなお現役ハンターとしてゲームを楽しむハードコアゲーマーに、『モンハン』はもちろん、ゲームを楽しみ続ける秘訣をお聞きしました!
◆ハードコアゲーマーに歴史あり!ゲムスパ歴20年の“爺さんゲーマー”が観てきた「ゲームの景色」
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――『モンハン』の話に入る前に、まずはshinji1959さんの「ゲーム遍歴」についてお聞かせください。
shinji1959:『スペースインベーダー』(1978年)や『ギャラクシアン』(1979年)が出たころからゲームを遊んでいましたね。そこから「ファミコン」(1983年)とかが出て、もう40年になるのかな。そのころからずっとゲームに触れていました。ただ当時はガツガツとプレイしていたわけじゃありません。
自分の中でやり込みというか「本気になってゲームをプレイし始めた」タイミングは、「プレイステーション」が出てからでしょう。『リッジレーサー』のタイムアタックにのめり込んだのが、事実上のスタートです。あの頃はまだネットが発達していなくって、「パソコン通信」など一部の限定的なオンライン環境があったくらいです。
だから“タイムアタックを競う”となったらゲーム雑誌の発表で、となるわけです。「毎月、タイムを自己集計のはがきで応募してね」みたいな。そんな時代だったんですよ。自分も出して、一か月先に自分の順位はどうなっているか、早く結果を知りたいと思っていました。
でも初回のタイムアタック優勝者の方がとんでもないタイムで!でも、どうやってそのタイムを叩き出したのかわからないんですよ。今みたいにYouTubeで拡散される時代じゃなかった。そこで「どうしたらこんなタイム出るの!?」と火がついて。
ニフティやパソコン通信では一部の人が、腕を磨くために情報を交換しはじめました。それを一か月後の掲載で知るという時代だったので、私たちは一周遅れ。雑誌で結果が発表されてから追いかけるという状況でしたね。当時のプレイヤーはサイレントドリフトという特殊なバグを利用していて、そのあたりのことは私のサイトでアップしている動画で紹介しています。
なので、自分のハードコアゲーマーとしての始まりは『リッジレーサー』でした。
――ファミコンや、少し離れてPS版『リッジレーサー』をプレイされていた時のご年齢はおいくつほどだったのでしょうか?
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shinji1959:まだ20歳ぐらいでした。ファミコンでは最初の方に出た、『ベースボール』とか『ゴルフ』をプレイしていました。ファミコンでは『ベースボール』にハマって、弟と負けた時のペナルティを決めて毎晩朝になるぐらいまで白熱していましたね。ゲームというより勝敗でのペナルティがメインでした。今でも笑い話ですよ。
なのでファミコンで1番遊んだのは『ベースボール』です。あと思い出深いのは『桃太郎電鉄』ですね。嫁とよく遊んでいました(笑)。
嫁と99年の設定でプレイして、98年ぐらいまで嫁がダントツで勝っていたのに、たまたま私が最後に使った大地震カードが嫁の持ってる物件を全部潰しちゃって……。それで嫁が激怒して、しばらく口も聞いてくれないということもありました。
あの瞬間の嫁は「何これ!?」と言って、何が起こってるか理解できてないみたいで。そのうちに顔がプルプル震え出してね!それが1番の思い出です。
――99年モードで夫婦喧嘩が起きてしまったのですね(笑)。
shinji1959:そうですね(笑)。嫁に怒られた話で言うと、ゲームで初めてオンラインと繋がったのが『R4 -RIDGE RACER TYPE 4-』で実装されたオンラインランキングでして、当時まだPCすら持ってなかった自分は、とりあえず「WebTV」という“テレビに繋いで手軽にインターネットをできる”という端末に飛びつきました。ですが、まだアナログモデムの時代でテレホーダイの存在すら知らずに、当時のランキング上位登録ランカー達と掲示板で連日長時間のやり取りをしていたものだから……。
翌月、NTTから8万6千円の電話使用料請求が来て、またもや嫁から大激怒を食らって血の雨が降りかけました(笑)。
――ファミコンはそこまでハマらなかったとのことですが、PSおよび『リッジレーサー』に心惹かれた理由はあるのでしょうか?
shinji1959:一番の理由は「2Dから3Dになった」というところでしょう。それまでは2D、ドットの世界だったから衝撃を受けましたね。ゲームセンターに入った時、『バーチャファイター』がポリゴンで動いていてとても驚きました。これは当時のゲーマーみんながそうだと思うのですが、「スーファミ」などでゲームは2Dと認識していた時代に、あんなに立体的にアクションをしているというのが凄まじかった。
今見るとカクカクのポリゴンですが、『バーチャファイター』や『鉄拳』には当時魅了されましたよ。そして『リッジレーサー』をゲームセンターでやり始めた。でもそれが家でプレイできるっていうのだから、また凄い。それでドハマりしました。続編の『リッジレーサーレボリューション』も引き続きタイムアタックをやり込みました。
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3作目の『レイジレーサー』の時に、月刊誌で行われた第3回「炎の集会」という大会で大賞を取りました。そこで賞品として、8万ぐらいする「グラストロン」(ソニー製のヘッドマウントディスプレイ)を獲得したんですよ。その時にいただいた審査員コメントなどで浮かれて、ますますのめり込んじゃって!
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本当に、自分の人生で一番レースゲームに命かけて臨んでいた時期になります。それをきっかけに、全国トップのプレイヤーを集めてオフ会をやろうということになりました。週刊アスキーの社屋で、巨大なブラウン管テレビを使って行ったんですよ。
関東の方が多くってね。自分は京都に住んでいるので、関西でもやろうと『グランツーリスモ』の「GTサミット」を開催しました。その様子はHPに掲載しています。SNSも発達していない時代に、1番多い時は32人も来たんです。
――凄まじいですね!レースゲームはまだ遊ばれていますか。
shinji1959:タイムアタックなどは、今はもうYouTubeに溢れているじゃないですか。ですが、もうあまり興味はないですね。何分何秒を争う世界は若い人に全部任せます。RTAなども生まれましたが、それも含めて1つのムーブメントとして、これからもずっと続くでしょう。
――今も当時の仲間との交流は残っているのでしょうか?
shinji1959:今もありますよ。Xを始めてからは特にですが、昔のオフ会仲間の何人かとはずっとやり取りをしています。ただもう、レースゲームをやっている人はいないですね。
――ご子息が『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』で有名な「あきうめ」さんだと伺いました。
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shinji1959:そうですね。息子の「あきうめ」は『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』で、ゲームにも出させてもらったりしています。(※「あきうめ」さんは小学4年生でデビューし、『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』の天才と呼ばれたプレイヤー)
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自分で言うのもなんですが、タイパーの中で神格化していただいているから「あきうめさんは今何をしているのですか」とよく聞かれるんです。『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』でお世話になった方も多いので、タイパーの方々がこちらを見ているなら、「あきうめ」は元気にしていると伝えられたら幸いですね。
――『リッジレーサー』『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』を経て『モンハン』を始められたのはいつ頃なのでしょうか?
shinji1959:実は初代『モンスターハンター』じゃなくて『モンスターハンターポータブル 3rd』からのスタートです。それまでは息子たちが遊んでいるのを、「何か面白そうなゲームをやっているな」と見ていました。息子たちが『モンハン』をオンラインで遊べるように、PS2の外部機器「BBユニット」を買ってやったり、欲しいというものは全部買い与えてました。
もちろん自分もゲームを遊びつくしたかったので、私と息子2人で3つハードがありました。PS2、PS3が3台ずつ。もちろんXboxも3台です。それくらい親子でゲーマーでした。親子3人で、それぞれの部屋からオンラインで遊んだりね。それが普通の環境でした。『Left 4 Dead』も皆で遊びましたね。
――『モンハン』と言えば“狩り友”で、昔はオフラインでの協力プレイが鉄板でしたが、ご家族とプレイされていたわけですね。
shinji1959:そうですね。ただ『モンスターハンター ポータブル 2nd G』まではアドホック通信で直接会ってプレイしていたんですが、『モンスターハンターポータブル 3rd』からはPS3を介して普通にオンラインで遊べたんですよ。そうやって各自各自が部屋を建てて、遊んでいました。自分も普通に、面白そうな部屋を見つけたらそのまま飛び込んでいましたね。あと、mixiを通じてフレンドも増えました。
今でいうDiscordと一緒ですよ。当時はまだmixiが全盛の頃で、もうそれこそ山のように「モンハンコミュニティ」があって、自分もそこに所属していました。
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――最近になってXを始められたとのことですが、Discordなどは元からやられていたのでしょうか?
shinji1959:Discordを始めたのは『ディビジョン』からです。それまではSkypeを使って遊んでいましたが、『ディビジョン』コミュニティに入ってDiscordを使い始めました。『モンハンワールド』が出てからは100人規模のコミュニティに入ったりして、『モンハンライズ』や『サンブレイク』でも活用していましたね。
でも、コミュニティって最後の方になると賑わいがなくなるんですよね。どこでもそうですが、最初から最後までずっと賑わっているということはない。だんだんプレイしている人数も限られてきて、そうなるともう同じ人がオンラインになっているだけ、みたいなね。
例えば、私なんか今Xでプレイ動画をバンバン投稿していますが、限られたコミュニティの『モンハンワールド』や『モンハンライズ』だと、もう誰も反応してくれないんですよ。だから新作では開かれた場で遊びたいと考え、Xを始めました。
――『ディビジョン』なども遊ばれていたということですが、“年を重ねることで遊びづらくなったジャンル”というのはあるのでしょうか?
shinji1959:「遊びづらくなった」は無いですね!ただ、縦シューティングゲームなどは元々苦手なので遊ばないです。あとは恋愛シミュレーションなども。この年で遊んでいたら話題性があって盛り上がりそうですが、残念ながらエロゲなどもプレイしていないですね(笑)。
でも雑食なので、色んなゲームをプレイしています。それこそ『ダークソウル』シリーズの原点である『キングスフィールド』も非常に好き。初代PSのころに『キングスフィールド』を遊んでいました。シリーズは1、2、3と全部プレイして、ドハマりしましたね。やっぱり2Dじゃないアクションというのが刺さりましたが、めちゃくちゃ難しい。最初のスケルトンすら中々倒せなかった。
だけど『ダークソウル』などで有名になってからはあまり遊べていません。単純に、そこに手を広げる時間がないというだけの理由ですけど。でも『仁王2』はやり込んでちゃんとソロ奈落獄・深部全階層踏破しましたよ!
◆“老いて益々盛ん”な『モンハン』プレイヤー!シャガルマガラの天敵が語る「ゲームの楽しみ方」
――『ディビジョン』に『キングスフィールド』、『仁王』と本当に“ハードコアゲーマー”ですね!
shinji1959:ありがとうございます。でも1番やりこんだのは、やっぱり『モンハン』ですね。傀異克服シャガルマガラを討伐しすぎて、討伐数がカンストしました。9999体から、もう数が増えないのです。
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――凄まじいですね!シャガルマガラの天敵みたい。
shinji1959:実は、私のギルドカードは極端なんです。大体4000時間を超える人のギルカだと、ほとんどのモンスター討伐数が3桁でずらっと並んで、1つぐらい4桁があるという感じなんですが、自分は討伐数4桁越えが4つあって、あとはもう全部2桁。討伐数3桁が1つもないんですよ。
自分のスタイルは、「コイツだ!」と思ったモンスターだけをひたすら狩り続ける。傀異克服シャガルマガラとか傀異克服バルファルク、ラージャンと、激昂したラージャンですね。
――傀異克服バルファルクも4桁ですか!
shinji1959:4桁と言っても、傀異克服バルファルクは1500体しか狩っていないんです。本当はシャガルがカンストしたら、バルファルクもやろうかなと思っていました。
だけど、ひたすらシャガルにのめり込んじゃって。もうね、傀異克服シャガルマガラの呪縛から逃れられないんでね、もういいかと。もちろんシャガル含めて全ての傀異モンスターの特別討究クエストはソロクリアしていますよ。
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――ありがとうございます。「爺さんゲーマー」とのことですが、動体視力などは衰えていらっしゃらなさそうですね!
shinji1959:いや、視力は衰えましたよ。どうしても老眼は進んでいくので、昔PSPで『モンスターハンターポータブル 3rd』を、3DSの『モンスターハンタークロス』もプレイしましたが、最近は携帯機のゲームそのものが遊べないので。さらにいうなら、『モンスターハンター』に動体視力は全然関係ないんでね。
結局、自分らみたいな年寄りがなんで遊べるのかというと、反射神経で遊ぶゲームじゃないからなんです。これが格ゲーとかだと、それこそリアルタイムに状況を理解しなきゃいけない。でも基本的に『モンハン』というのは、“後出しじゃんけんで勝つ”ゲームなのです。アクションさえ覚えたら、モンスターはプログラムにない動きをしないから。人間相手に「相手がどう動くか見極めて反応しながら複雑なコマンド操作を駆使する」というものではない。
どんなにえげつない攻撃であろうが、ちゃんとモーションを理解して対処していく。だからしょっちゅう攻撃を食らってクリアできないというのは大概、無理なタイミングで攻撃を出してダメージを受けているだけの話です。
自分もそれが分かるまでは難しかった。『モンスターハンターポータブル 3rd』ではそれが全く理解できず、ひたすら攻撃を受けて後ろで見ている息子に散々笑われてましたが、最後は「終焉を喰らう者」を13分でクリアするまでに成長しましたよ。
それがわかりだしたのが、ハマる切っ掛けですね。
――shinji1959さんが考える『モンハン』の魅力は何なのでしょうか?
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shinji1959:まだ『ワイルズ』が発売する前ですが、最近は「これから20年先に 『モンハン』がどういう風になっているかな」というのを考えているんですよ。なぜかというと、『モンハン』は発売されてからもう20年でしょ。その頃に20歳だった人はもう40歳です。
ということは、もう次の20年で60歳になるわけです。そこで自分が思うのは、本当の意味での『モンハン』の高齢者社会ができるということ。どんなゲームでもそうですが、本当の意味でゲーマーの高齢化が来るのはこれからなんですよ。
自分みたいな世代のゲーマーはそんなにいないじゃないですか。自分も色々探しているんですが、いらっしゃったら皆で“お達者クラブ”みたいなコミュニティを作ってね。「20年後に高齢化していくゲーマー」の見本になれたらいい。
もちろん、カプコンさんもそういうことは考えて行うだろうけど、自分らは高齢化の地慣らしとして、ちょっとでもこれからの世代を惹きつけてコミュニティを作りたいのです。
――いちゲーマーとして、とても有難いことです!
shinji1959:今更こんなオヤジが「『ワイルズ』にこんな技を期待していて」とかそんなことを喋ってもしょうがないですよ(笑)。それよりも、自分が見るべきは遊べる環境ですよね。
最近周りを見てたら30~40歳くらいの人が「もうおっさんになったから」ってやたらと言う。自分より全然若い人がそんなことを言ってると「そんなら俺なんかどうなんの!?」と感じてしまいます(笑)。自分もゲーマー第1世代に比べたらまだ若いですよ。
第1世代っていうのはゲーマーグランマさんとか、私が尊敬している『バイオハザード』をプレイしている加山雄三さんや鈴木史郎アナです。あの人たちは「ただ好き」を越えて、プレイヤーとしてもすごいレベルにいるじゃないですか。80歳を超えてますよね。
第2世代にいるのがゲーミングチーム「MATAGI SNIPERS / マタギスナイパーズ」のメンバーさんたちだったりします。皆さんもう60歳を超えているとのことで、ジャンルは違うけども、私も含めて第2世代。そして20年単位で考えて、30代後半から40代にさしかかっている方たちが次の第3世代です。
20年後には第3世代も還暦が近い。その時に、まだ第2世代のハンターが頑張ってるような世界になっているといいなと。私が考えるのは、これからその高齢化に対してどういう取り組みができるかなということです。
――今現在、同年代のゲーム仲間はいるのでしょうか?
shinji1959:実は弟が私の影響で『モンハン』にはまって、『ワールド』を5000時間くらいやってるのかな。3キャラクター作って全てでトロフィーコンプしたりしています。弟は観光バスの運転者をしているのですが、泊りでも遊べるようにPS5を持参して行くほどのゲーマーです(笑)。弟は私と真逆で、ひたすらトロフィーを求めるタイプ。自分は逆に実績には一切興味ないのでギルカの勲章欄はどの作品もスッカスカです(笑)。
その弟が今年のちょうど7月に、還暦を迎える。『ワイルズ』はクロスプレイに対応しているから、還暦ブラザーズみたいな感じで、ちょっと実況配信とかもやってみたいなと考えています。弟はチャージアックス使いで、私はスラッシュアックスを使う。「還暦の斧ハンターブラザーズ」っていいんじゃないの、とこの前電話で話していました。そして自分の世代がネットで集まって、全国でお達者クラブみたいなものができないか漠然と考えています。
時代の変化で言うと衝撃的なのが、自分がSNSをやり始めてのスクリーンショットですね。みんな重ね着のコーディネートなどを貼っていて衝撃を受けました。それがどんどんタイムラインで流れてくる。下手したら、時間がある時はそれをずっと眺めてるようになったりして。「見て楽しむ『モンハン』」というものがあるんだなと感じました。
それを見ているうちに自分も感化されて、最近は自分の動画に反映させるようになりました。初めは「今まで撮りためた動画から魅せプレイをアップすりゃいいや」くらいに思っていたのが、もう天啓のごとく「見せ方を工夫しなければ!」と思わせられました。。
そこで、カメラ距離をいじって全体を大きく映るようにしてみたら、モンスターの距離感も近くなって凄く迫力が出る。地面の補正を消したら下からのアングルで撮れるようになる。最近はもう空間補正を全部切って、高さ補正も切って。他の人じゃ絶対撮れないようなアングルでのリプレイ動画をバンバン流すようにしました。
『モンハン』一番の革命はスクショと重ね着なんじゃないかとポストすると、一斉にいいねが来た。『モンハン』の上手い下手じゃなく、プレイヤースキル関係なしに楽しめるような世界ができていましたね。今でも毎日眺めてはバンバンいいねを押しまくってます。
――最近は配信なども含めて、双方向のコミュニケーションが楽しみのひとつになっていますからね。Xを始められて、すぐにそちらに対応されるのは凄いことだと思います。
shinji1959:こんな年になっても、自分に気づきを与えてくれたスクショ勢と重ね着勢には、本当に感謝しています。『モンハン』への見方が変わりましたよ。今度の『ワイルズ』はかなりスクショ機能が強化されているので、すごく楽しみです。プレイしていて「ここを動画で切り取ればいいな」と常に考えるようになりました。
……とはいっても、『ワイルズ』はまだ動作確認をしたくらいなんです。良いショットを撮りたいので、自分のPCでグラフィック描写が厳しかったら、慌てて遊ぶ気はありません。どうせやり始めたら何千時間と遊ぶのですから、急ぐ必要はないんです。極端な話で言うと「色々合わなかったら『サンブレイク』でいいや」くらいに考えています。
ところがひとつ問題があって……。『サンブレイク』で数回だけ一緒になった外国のフレンドさんがね。最初のオープンベータの時に突然『ワイルズ』のギフトコードをプレゼントしてくれたんですよ!
フレンドと言っても3回か4回一緒になって、常に遊んでいるわけでもない。ただ、その人はSteamのコメントで「あなたは神です」とコメントしてくれたんです。スラッシュアックスの神、みたいな言葉を。そしてコードを渡す時に「これをあなたに贈るので、『ワイルズ』も楽しんでください」と言ってくれた。
だから貰った以上、やらないわけにもいきません。ビックリしましたよ。プロフィールを見てもアメリカ在住ということしかわからないし……。外国の人ってこういう距離感なの?とか、実はお金持ちなの?とか。そういった想像しかできないじゃないですか。実際に喋ったこともないし。
――傀異克服シャガルマガラ9999体(以上)討伐ハンターですからね……!
shinji1959:google翻訳を使って、ちゃんと英語で丁寧にお礼を書いて送りました。「あなたのメッセージを励みに、私はシャガルカンストを目指しています」と。外国ってそういう文化があるのかな……あります?
――ちょっとわかりかねます……!
shinji1959:でも、彼からはその後も、全くメッセージが返ってきていないんです(笑)。
◆ゲムスパ歴20年のハードコアゲーマーが若い世代に想うこと。
――ゲムスパ歴20年という大先輩として、Game*Sparkおよびゲーマーに対して思うところがあればお聞きしたいです。
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shinji1959:サイトのデザインが変わったな、というのはパッと分かったけど、最初から白地に青のイメージのサイトはそんなに変わっていないでしょう。だから大きく変化したという印象はありません。
自分のような高齢者ゲーマーを初め、いろんな層に言及してくれるサイトという印象です。あとは面白い企画も多く、大喜利やトイレ・オブ・ザ・イヤー(TOTY)などを楽しんでいます。それとGame*Sparkさんはサムネで釣らせたら世界一のゲームサイトですよ、と断言できます!
――ありがとうございます(笑)!
shinji1959:Game*Sparkにはコメント欄があるから、そこも楽しんでいますよ。時々炎上するけど、流石に自分は良い歳して煽りコメントしたりはしませんから(笑)。最近の『アサシン クリード』記事でもコメント欄が伸びていましたよね。
――そうですね(苦笑)。
shinji1959:『アサクリ』シリーズも好きで、『ミラージュ』はプレイできていませんが他は全て遊びました。『オリジンズ』以降のタイトルもね。アクションが重視されて批判もあったけど、好きなんですよ。「あんなの『アサクリ』じゃねぇ」というこだわりはありません。
自分としては「プレイヤーというのは、その時に与えられた物でいかに楽しむか」という考えがあります。『モンハン』でもそうですが、自分に合わなかったらプレイを止めたらいいんですよ。
――先ほど、『ワイルズ』が合わなかったら『サンブレイク』に戻るとすら言われていましたね。
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shinji1959:実は『ウィッチャー3 ワイルドハント』でウルトラワイドのモニターに魅了されまして、もう自分はウルトラワイドに対応していなければコンソールで遊ばない、くらいに考えています。
「自分が面白い、やりたい」ということだけをやっていれば、別に飽きることないと思うんです。だから「勲章の為にやらされるようになる」とか、人との付き合いでやるようになるとストレスになってきます。自分の楽しみは自分で見つけていかなきゃならないですよ。
――やはりGame*Spark読者の大先輩だけあって『ウィッチャー3 ワイルドハント』しかり多くのゲームで遊ばれていますね。他にすぐ思い浮かぶ、遊ばれているゲームはありますか?
shinji1959:JRPGで言うと、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』から『ペルソナ』シリーズにハマりました。全シリーズ、最高難度で遊びましたよ。『4 ザ・ゴールデン』から『5 ロイヤル』『5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』、そして『3 リロード』まで。 昨年PC版が発売された『真・女神転生VV』も夏場は『サンブレイク』と並行して、ガッツリやり込んでました。
夏場はモンハンと並行して、そればかりプレイしていました。
――ちなみに、どのナンバリングがお好きなのでしょうか?『ペルソナ』は青春期にどのシリーズに触れたかが重要だと、勝手に思っています。
shinji1959:どれもよかったですが、今だったら『3 リロード』です。切ない話が好きで、ああいうストーリーに号泣するんです!「キミの記憶」が好き、今でも聞くだけで涙が溢れるんです。切ない話で言うと『ファイナルファンタジー零式』も良かったし『龍が如く』シリーズも初代から遊んでどれもエンディングで泣きまくりました。
「ゲームパスがどういう層に向いているか」という論争があるじゃないですか。これ、年金を貰っている自分のような層に一番向いていると思うんです。『3リロード』もそこでプレイしました。年を取るとね、睡眠時間がだんだん減って、寝なくても平気になってくるんですよ。だからずっとゲームできる!今、人に仕事を聞かれたらハンターですと答えられます(笑)。
――年を取ってもゲームって全然楽しめるんだなと気付かされます。
shinji1959:自分が面白いと思える間は、ずっとゲーマーでいられます。私にも『ワイルズ』が合わないと思ったら『サンブレイク』に行くという選択肢がありますよ。外国のフレンドからギフトで貰っちゃっているという重みはありますが……。
なるべく『ワイルズ』が楽しめるようにプレイするつもりではいるのですが。ゲームを楽しんでいたら、一生ゲーマーでいられるんです。
――昔に想像したゲームの未来と、今のゲーム業界に差はありますか。
shinji1959:それこそ、ファミコンやスーファミの時代にゲームがこんなリアルになっているというのは想像すらできなかったですね。だからこそ、今後VRやARなどがもっと普及した世界になっても驚きはないです。VRは色んな装置を用意しないといけないという制約がありますが。PS VRも初日に手に入れるのが難しく、息子ふたりと手分けして探してきました。初音ミクのVRには衝撃を受けましたね。
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それと同時に、コントローラー操作はなくならないかなとも思っています。ファミコンの時から、もうすでに基本形は変わっていないじゃないですか。ジョイスティックができてからは、さらに変わっていない。背後にボタンが増えたりディティールは変わるものの、いかに完成されたデバイスだったのかと感心します。
あとはAIも発達するんじゃないかな。最近Game*Sparkの記事でも読ませていただいたのですが、制作だけじゃなくゲームプレイにも役立つと思います。スクショの出来栄えをAI判定でスコア表示とか、表情のバリエーションももっと増やしてスクショ勢を更に取り込めば次の新作の売上アップにも繋がると思ってます。
まぁこれは単純に、あと20年経って自分が85歳になっても楽しめる『モンハン』を作ってくださいという要望ですね(笑)。
――最後に、これからの若い世代、まだ若いゲーマーたちに向けてメッセージをお願いします。
shinji1959:こんなジジイになっても、ゲームはハードコアに楽しめます。だから、もうおっさんになったとかそんなこと愚痴っている暇があったら、もっとゲームをやりこんで遊んでください!すぐにおっさんぶって「もう無理や」なんて弱音を吐くなと言っておきたい。
自分にもまだまだ年齢が上の、偉大なゲーマーたちがいます。そんな人たちから見れば、自分なんか鼻たれ小僧です。だからね、自分より下の人間が泣き言を言っていると切ないです。「まずゲームを楽しめ」と思いますね。どういう状況でも、楽しみは自分で見つけ出せますよ。こんな歳になってもここまで遊べているんだから、ゲームは素晴らしいです。ジャンル問わずね!……いや、語りすぎましたね。
――いえ、「いつまでゲームが楽しめるのか」と悩むいちゲーマーとして、重く嬉しい言葉です。
shinji1959:そう、ゲームによってはいくつになっても楽しめるんですよね。自分のやる気とコントローラーとモニターさえありゃ。いつまでだって、たとえ80、90歳になっても先人はみんな遊んでいるんですから。ゲームを楽しみましょう。自分はただの、ゲーマー人生を楽しむひとりのゲーマーです。
――今回は、ありがとうございました!
『リッジレーサー』から『モンハン』まで、今もなお現役ゲーマーを続けられているshinji1959さんのゲームに対する姿勢や柔軟性には頭が下がるばかり。shinji1959さんは「老いて益々盛ん やり込め!爺さんゲーマー」としてX上にて活動されているので、気になった方はチェックしてみてはどうでしょうか。
そんなshinji1959さんも楽しみにしている『モンスターハンターワイルズ』は、2025年2月28日に発売予定です。