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2018年1月に発売された『モンスターハンター:ワールド』を機に、同シリーズは何もかもが新しくなりました。マップはシームレスになりグラフィックも大きく向上。本格的なストーリーが導入され、『モンスターハンター』の世界を生き抜くいちハンターとしての体験に世界中のゲーマーが魅了されました。
そんな大ヒット作の精神を受け継ぐ最新作『モンスターハンターワイルズ』がいよいよ2月28日に発売されます。本稿では発売に先駆け、製品版のプレイレビューをお届けします。
◆「狩猟の合間にストーリー」ではなく「ストーリーの合間に狩猟」へ…過去作と全く異なるストーリー体験!
本作の舞台は「禁足地」と呼ばれる人類未踏の地。そこで倒れていた少年「ナタ」を保護したことで、「人がいないはずの禁足地になぜ人が?」と本格的な調査隊が組まれる――という経緯からストーリーが始まります。
調査隊の一員に選ばれた主人公の目的は、モンスターに襲撃されたナタの故郷「守人一族の里」を見つけ出すこと。手がかりを追って禁足地を調査するなかで、里を襲撃した「アルシュベルド(白の孤影)」をはじめとする様々なモンスターと戦っていきます。
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序盤のストーリーではまず、歴代シリーズと比べた根本的な展開の違いに新鮮さを感じました。というのも、これまでの主人公はギルド所属の新米ハンターとなり、ギルド管轄の依頼をこなしたり、村の危機に立ち向かったり(所謂村クエ)し、一流ハンターを目指すのが主なストーリーラインでした。
一方で本作は、ギルドも知らない未開拓地の調査がメインです。これは新大陸の調査をテーマとした『モンスターハンター:ワールド』と似ていますが、あちらはゲーム開始時点で調査開始から約40年が経っており、主人公は後発も後発の第5期団として調査隊に加わりました。
対して本作は“第一陣”として調査に臨みます。できたばかりの拠点で慌ただしく動く仲間たちや、何もかもが初めてのフィールド、現地住民との初交流など、未開の地を自らの手で進み、謎に迫っていく体験はなかなかに新鮮でした。
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そしてもう一つ、シリーズに新しさを加えているのが“シームレスなマップ”です。フィールドがシームレス化されたのは『モンスターハンター:ワールド』からですが、本作では「拠点とフィールド間の区切り」もなくなり、ロードを挟まずに行き来できます。言い換えれば、フィールドの中に拠点や村があるオープンワールドに近い感じです。
この恩恵はストーリー体験に色濃く表れており、プレイシーンの多くを拠点→フィールド間でシームレスに進められます。
例えばフィールドを移動しながらストーリー会話を繰り広げたり、カットシーンからプレイシーンへ自然に移り変わったり、そのままモンスターとの狩猟に入ったり。クエストカウンターを利用するのもフリークエストくらいで、ストーリークエストは流れるように始まることがほとんどです。
歴代シリーズではここが「拠点で話が進む→クエストを受注する→フィールドにワープして狩猟→拠点に戻って話が進む」のサイクルだったわけで、何というか「狩猟と狩猟の間にストーリーがある(狩猟がメインでストーリーはオマケ)」ような印象でした。
本作では、「ストーリーとストーリーの間に狩猟がある」と立場が逆転するくらい、とにもかくにもずっとストーリーパートが続いているような印象。途切れることなく進むゲームプレイが深い没入感をもたらしてくれます。
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ストーリー面でもう一つ触れておきたいのが、主人公がストーリー中も喋るようになったこと。台詞は思った以上に多く、自分から意見を言ったり、仲間たちとの雑談で「えーっと、好きなものはあるかな?」と話題を振ったり。かなり能動的です。
明確な台詞が用意されたのは『モンスターハンターライズ』からですが、あちらは狩猟中のボイスのみ。ストーリーでは変わらず「ああ」「うむ」と相槌を打つくらいで、どうしても受動的な立ち位置になっていました。本作では能動的になったことで、主人公感をより強く感じ取れます。
ただその一方で、主人公の一個人としての性格が立っており、自己投影しながらのプレイが難しくなったとも感じました。プレイヤーがストーリーや主人公を見守っていくスタイルといえます。
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◆広大なマップをオート移動で快適に探索!ホット・クーラードリンクは忘れても何とかなる
フィールド表現は言うまでもない完成度の高さ!『モンスターハンター:ワールド』や『モンスターハンターライズ』で培ったシームレスマップのノウハウを活かし、「モンスターハンターの世界」を壮大なスケールで作り込んでいます。
大型モンスターから小型モンスター、環境生物に果ては人々(現地住民やモリバー)まで、それぞれが生態系や文化を作っており、随所に垣間見える生活の営みがリアリティを演出。荒廃期、異常気象、豊穣期とダイナミックに変化するフィールドも世界にのめり込ませてくれます。
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マップが広いと移動が大変だったり、構造が複雑で迷いやすいという懸念もあったのですが、セクレトがマルっと解決してくれました。目標(ストーリーの目的地や討伐モンスターの位置)を追跡し、オート移動で連れていってくれるのです。
フリー探索でもない限り、移動のほとんどをオート移動に任せ、ハンター自らの足で歩くことは滅多にありません。モンスターが逃げた際もオート移動で勝手に追ってくれるので、その間に砥石や回復を済ませられて快適です。
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探索面では、『モンスターハンターライズ』で一度は廃止された「ホット・クーラードリンク」が復活したのも特徴的。基本的に支給品で用意されているほか、採取できる素材から作れたり、同様の効果を得られる環境生物がいたりするので、「持ってくるの忘れた!」となっても安心です。とはいえ、いちいち飲み直すのはやっぱり面倒くさくもあります。
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◆太刀の使用感はオープンβテストから大きな変化なし!気持ち良いバッサバッサ感に「納刀術」も快適
アクション面はオープンβテストで触れた人も多いはず。筆者が愛用する太刀の使用感は、オープンβテストから大きな変化はない印象です。
元々テスト時点で完成度は高かったですし、コミュニティアップデートでも深く言及されていなかったため、ブラッシュアップや数値系が調整された程度だと思います。
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太刀の基本的な立ち回りは、「見切り斬り」や「居合抜刀気刃斬り」でカウンターを狙い、練気ゲージを上げて「気刃兜割」を当てていくという、『モンスターハンター:ワールド』に近いスタイルです。
その上で新アクションや細かい変化があり、特に「気刃兜割」から派生する大技「練気解放無双斬り」の爽快感は抜群。ダメージ量も多く、何よりモーションがカッコイイ!
赤ゲージ中には通常攻撃が「赤刃斬り」に変化し、非常に素早いモーションで攻撃。バッサバッサという斬撃音も相まって気持ち良いほか、モーションが速いので「見切り斬り・旋」を出しやすいのも嬉しいポイント。赤ゲージ中の太刀は使っていて本当に楽しくなります。
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もう一つ特徴的な新アクションが「気刃溜め」。溜め動作の後に「気刃大回転斬り」を繰り出す技で、溜め動作中は練気ゲージが上がるほか、「気刃大回転斬り」で色も上がります。溜め動作の隙こそ多いものの、手軽に色上げできるのは便利!
また、オープンβテストで広まった「居合抜刀気刃斬り」後の隙に「気刃溜め」をキャンセルして「見切り斬り」や「特殊納刀」へ派生するテクニックも健在です。
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新要素の「集中モード」や「傷口」も好感触。攻撃を同じ部位に当て続けることで発生する「傷口」ですが、意識せず適当に攻撃しているだけでも結構発生しやすい印象です。
そこから狙える「傷口破壊(集中弱点攻撃)」は、大ダメージを叩き出せる上に太刀ならば練気ゲージの色が上がるなどメリット尽くし。アクション自体も派手で使っていて気持ち良いため、強制感はなく、むしろ積極的に狙っていきたくなります。
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最後に、太刀使いが製品版で気になっているであろうスキル「集中」「納刀術」を紹介しておきましょう。
溜め攻撃の溜まる速度が速くなる「集中」を付ければ、「気刃溜め」の溜め動作が短縮されるのでは?と思ったのですが、従来通り練気ゲージが溜まりやすくなるだけで、残念ながら「気刃溜め」の溜め短縮には効果が乗りませんでした。
一方で、納刀スピードが上がる「納刀術」はいい感じ。ほぼ必須スキルだった『モンスターハンターライズ』ほどではありませんが、明確に速くなっているのを実感できます。かなり序盤から「納刀術」付きの装備が出現するので、太刀使いの方はお楽しみに…!
『モンスターハンターワイルズ』はアクション面もさることながら、何よりストーリー体験が新鮮。過去作を遊んでいるプレイヤーほど、これまでと全く異なる進み方に衝撃を受けると思います。
肝心のストーリー内容も、ありきたりな表現ですが「衝撃的な展開」という他なし。目前に迫った禁足地での狩猟生活や、その先に待ち受けるものをぜひご自身の目でご確認ください。
『モンスターハンターワイルズ』は、PS5/Xbox Series X|S/Steam向けに2025年2月28日発売予定。価格は通常版が9,900円(税込)、デラックスエディションが11,900円(税込)、プレミアムデラックスエディションが13,900円(税込)です。詳細は公式サイトをご確認ください。
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