今回は、Space Colony Studiosが手掛け、Meridiem GamesとAstrolabe Gamesから発売された『機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語』のニンテンドースイッチ版をプレイ!本作は、木星軌道パトロール艦「ガンドッグ」に配属された主人公が、銀河の果てに向かう任務の中で、様々な謎や危機に立ち向かうSFアドベンチャーです。PC-9800シリーズや80~90年代アニメを彷彿とさせるレトロなビジュアルが特徴的です。

絵日記でも紹介した『ブレードキメラ』も90年代OVAのような世界観だったし、『Shikon-X Astro Defense Fortress』も80年代カルチャーのオマージュがふんだんに盛り込まれたアドベンチャーでした。もしかして昭和の波、来てるか……?
◆太陽戦争の終結、そして

星歴209年、三年に渡って“環太陽系大戦”と呼ばれる争いが続いていた。戦争末期である今、月周回軌道上で勝敗を決する戦いが繰り広げられている。空母艦隊JFSカリキでは、主人公が初めての出撃を迎えようとしていた。

主人公の性別と名字・名前は自由に決められる。名字呼びでも名前呼びでも「おじさん」と呼んでもらいたいので、おじさん・おじさんに決めた。

初出撃ということは主人公の立場は若い新兵なんだろうか。「おじさん」って呼ばれるのは少し可愛そうな気もするが、きっと老け顔なのだろう。もしくは普通に中途採用のおっさんなだけかな。(あくまで僕のロールプレイです)

出撃を前にして緊張するおじさんに対し、整備士さんが軽口を叩いてくれている。強気に返答するか、黙っているかどちらにしよう。うーむ、ついつい無言を選んでしまった。昭和のアニメの主人公にあるまじき消極的な性格だ。

そうなんだよな、なにか気の利いた受け答えをしようと思っても言葉が喉につかえて出てこないんだよな。整備士さんとのやり取りを終え、アーマードフレーム「カリキ5」に乗り込み、他の仲間たちとともにいよいよ出撃だ。

しかし、おじさんの機体だけトラブルが発生し、出撃は一旦中止された。システムを落として真っ暗になった操縦席で、身動きが取れないまま仲間たちが次々に撃墜されていく悲鳴を聞かされる。

サラリーマン時代、取引先のトラブルにより待機することしか出来なかったときは、そりゃもう嬉しかったなあ。自分に責任のないトラブルってウキウキしちゃうよね。

結局身動きが取れないまま、長きにわたって続いていた戦争が終結した。生き残ったおじさんは少尉から中尉に昇進し、パトロール船JFSガンドッグに派遣されるのであった。
◆3つのビジュアル、どれを選ぶ?

戦争終結から4年の月日が流れた。太陽系外から送られた異常信号の調査をするのが、主人公の新しい職場であるガンドッグの目的だ。

ガンドッグには、おじさんの恋人であるカサンドラが在籍しており、再会を熱烈に喜んでくれた。

本作では「スタジオオリジナル」、「ショウワオマージュ」、「Vivid mode」3つのビジュアルモードが選択できる。現在選んでいるのは「スタジオオリジナル」だ。

こちらは「ショウワオマージュ」。90年代アニメを彷彿とさせる懐かしさを感じるキャラクターデザインだ。

「Vivid mode」は「ショウワオマージュ」に着色されている。てっきりUIの雰囲気が変わるだけかなと思っていたんだけど、キャラクターデザインまでガッツリ変わっていてビックリだ。

その後、艦長を始めとするガンドッグのクルーたちにあいさつ回りをする。

移動コマンドを選択して一部屋ずつ移動していけるけど、マップメニューから目的の場所に一発で移動することも可能だ。

また、目標タブでは現在行うべきタスクの一覧が表示される。ビジュアルやUIはレトロだけど、こういう親切なシステムがあるのは今風でありがたいね。僕は今何をやっているのかすぐ忘れちゃうタイプなので助かるぜ。

そして最後に出会ったクルーは、金髪のオールバックで目つきの悪い男だった。これは多分ライバルキャラだ!彼の名前はハンセン・クルーイーズ。おじさんが出撃しそこねたあの戦いで、唯一生き残ったカリキの操縦士だ。引きこもっていたおじさんと違い、ハンセンは宇宙ゴミに紛れ込む頭脳プレイを仕掛け、敵軍を次々に撃墜していったそうだ。

おそらく主人公であるおじさんとたびたび衝突していく役回りなんだろうけど、こんな偉業を聞かされたら敬意しかない。

ただ、おじさんとしてはそうではない。これまでにもたびたび嫌な絡まれ方をしてウンザリしているようだ。

プレイヤーである僕と同じく根暗なおじさんというロールプレイをしているので、ここは「何も言わない」を選択した。上手い返しが思い浮かばず、後々ベッドに寝転びながら「あそこでああ言えば良かったよなあ……」と悶々とするんだよな。

ハンセンの嫌味を聞き流していると、アイテムのコマンドが明るくなっているのに気付く。このタイミングでアイテムを使えるってことか?

所有しているのはカードキーと、非致死性の弾丸の入った電撃銃だ。おそらく電撃銃で脅せるのだろう。ためしに使ってみるか。

おじさんは「あのな、ハンセン?」と告げると、警告無しでぶっ放した!

てっきり脅しに使うだけだと思ったら……こいつ、溜め込んで溜め込んで急に爆発するタイプのヤベーヤツだ!

殴り合いのケンカくらいならまだしも、いきなり銃をぶっ放すヤツが同じ艦に居るなんてメチャクチャ気不味いでしょ!今後のストーリーにめちゃくちゃ影響を与えそうな選択をしちゃったけど、この先どうなるんだろう……。
7時間ほどでクリア出来ました。会話内容に変化がある細かい選択肢が多くて良かったですね。セーブスロットも豊富にあるので、選択肢ごとにセーブしていました。

ちなみに足を撃たれたハンセンですが、割とすぐにデレの片鱗を見せてくれました。撃たれたのが僕だったら絶対一生許さないだろうなあ。
クセの強いクルーが多く、最初は「マクロス」や「ガンダム」のような展開を想像していましたが、いざプレイしてみると「無限のリヴァイアス」(子どもたちだけで宇宙を旅するギスギスしたアニメ)でビックリしました。
ビジュアル、サウンドともに文句なしで、SF好きな方や90年代カルチャーが好きな方にはおすすめ出来ます!
『機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語』はPC(Steam)/PS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けに発売中です。