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「日本のコミュニティと文化」にかける特別な想い…『Dead by Daylight』開発陣が語る、これまでの歩みや「東京喰種」コラボ【インタビュー】

影響を与えた日本のホラー作品やコミュニティ、「東京喰種」コラボなど、注目のトピック盛りだくさんでお届け!

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「日本のコミュニティと文化」にかける特別な想い…『Dead by Daylight』開発陣が語る、これまでの歩みや「東京喰種」コラボ【インタビュー】
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人気アニメ作品「東京喰種」とのコラボレーションが電撃発表された『Dead by Daylight』。日本ではオフラインイベント「TADAIMA JAPAN」も開催され、Behaviour Interactiveの開発陣が6年ぶりの来日を果たしました。

今回は、そんなBehaviour Interactiveでシニアクリエイティブディレクターを務めるデイブ・リチャード氏パートナーシップ責任者を務めるマシュー・コート氏のお二人にインタビュー。情熱的な日本のコミュニティに対する想いや、多彩なホラー作品と文化の影響、「東京喰種」コラボなどなど、気になる話題を語っていただきました!

デイブ・リチャード氏(左)、マシュー・コート氏(右)

『DbD』開発から見た「日本」とは―情熱的なコミュニティや、多彩なホラー作品の文化

――この数年の間にもCovid-19の流行など、世界の情勢は大きく変化しました。6年ぶりに来日してみて、感じた点などはありますか。

マシュー・コート氏(以下、マシュー):日本に戻って来れて本当に嬉しく思います。まるで、つい昨日帰ってきたような気持ちです。日本はとても美しい国だと思っていますし、変わりなく日本食が美味しいなと痛感しました。

「豚骨ラーメン」を嗜むおふたり。(オフラインイベントより)

――自分も豚骨ラーメンが大好きです!さて、普段、日本のユーザーからの反応はどのように受け取っていますか。また、日本のプレイヤーやコミュニティの特徴など、どういった印象を持っていますか。

デイブ・リチャード氏(以下、デイブ): 日本のコミュニティに対してはいつも素晴らしい印象を持っています。これまで皆さんとお話しさせていただくのはオンラインの場でしたが、私自身はじめて、昨日のコミュニティイベントで対面での交流ができました。

皆さんとっても親切ですし、作品についての知識も豊富です。たくさんの会話をすることができました。

マシュー:付け加えるとすると、日本においてもコミュニティマネージャーやインフルエンサーのマネージャーチームを設立しています。こういったコミュニティの人々の考えと、1対1で対話することが非常に重要だと感じているからです。

デイブ: 本当に日本のコミュニティの情熱には驚かされるばかりで、「東京喰種」とのコラボを発表してからそれほど時間が経っていないながらも、ファンアートを描いてくれてビックリでした。

――これまで日本のユーザーやコミュニティと交流するなかで、特に記憶に残っているエピソードはありますか。

マシュー:昨日のファンアートの件のほかには、「Blood Party Friday」のメンバーとの交流です。べるくらさんちくのぼさんは、以前にもモントリオールや日本でもお会いしたことがありますが、まるで“旧友”のような仲になってきているのを感じます。

『DbD』チームの一環として長い間プレイをしていただき、8年ぐらいになると思います。

――本作には「鬼」や「スピリット」、「木村結衣」といったオリジナルキャラクターにくわえ、『リング』や『サイレントヒル』などさまざまな日本の作品からキャラクターが登場しています。日本の作品や文化は、本作にどのような影響を与えているのでしょうか。

デイブ: 日本の作品や文化からは多大な影響を受けてきました。『DbD』の文化は色々なものが統合して作られていますが、日本はその中でも大きな一部を担っています。非常に豊かな歴史もありますし、伝承における怪物や様々な伝説があります。

『サイレントヒル』や『バイオハザード』、伊藤潤二氏の作品には強いインパクトを受けてきましたし、我々の作品をより良いものにしてくれていると思っています。私が小さい頃、出会ったホラー作品のほとんどは日本から来たものでした。『サイレントヒル』をプレイしている時なんかは、「これ以上に最高なものはない!」と思っていました。

マシュー:『バイオハザード』『悪魔城ドラキュラ』「進撃の巨人」など多彩なコラボレーションを通じて日本のコンテンツをアップデートし続けてきましたが、日本のコンテンツは素晴らしいものばかりです。

また、これら日本のコンテンツは我々が好きというだけでなく、世界中からの反応やフィードバックも非常に良いです。そういった反応に応えるためにも、作り続けているといえます。

――本作は発売から8年が経った今でも、世界中で多くのプレイヤーから愛される「ホラー界のテーマパーク」的存在です。長年の成長を支えるために、どういった取り組みを行ってきたのでしょうか。

デイブ: たくさんの取り組みを行ってきました。この8年間は成長のスピードも非常に速いものだったと思います。チャプターなど定期的なアップデートを含むコンテンツをリリースしてきましたが、プレイヤーの皆さんにとって新鮮で魅力的、活発なゲームであり続けて欲しいという思いがあります。

また、ゲーム内のバランスが非常だと思っていますので、コミュニティとの対話も続けています。なにか不具合や問題があった場合には、なるべく公平・公正なゲームであり続けるような取り組みを行ってきました。

最近では「QoL」に対する取り組みに力を入れており、さまざまなアクセシビリティやオプションを反映できるようにしています。これまで本作をプレイしていなかった方など、より広範囲なユーザーが快適に遊べるように、コミュニティの声に耳を傾けています。

それがポジティブなフィードバックとしても見えてきており、昨日のコミュニティイベントでも色々な反応や、感謝の声を聞くことができました。

――リリース当初と比較してみて、プレイ体験やゲームデザインなど、最も変化を感じたポイントはどこだと思いますか。

デイブ:色々な変化があったので、もはやまったく同じゲームとは言えないかもしれません。リリース当初のコミュニティの反応や、我々が意図していたのは「かくれんぼ」のようなゲームで、キラーを避けつつプレイするというものでした。

しかし、時が流れるにつれて、「鬼ごっこ」のようだと言われるようになっていきました。我々もキラーから隠れるだけでなく、“チェイスを楽しむ”ということに向けて改善していった部分もあります。

これからも大きな変化が加えられていくと思いますが、10周年に向けた大きなチャレンジもあります。さまざまなコラボやアップデートによってコンテンツや情報量が多くなっており、これは初心者だけでなくベテランのプレイヤーも圧倒されるほどです。そういった部分によりアクセスしやすくしていく、ということが今後の大きなタスクになってくると思います。

――長年の開発・運営のなかで、日本のコミュニティからのフィードバックや感想が支えになったり、開発に影響を与えたり…といったことはあったのでしょうか。

マシュー:もちろんありますし、これまでもプレイヤー全員の声に耳を傾けようとしてきたつもりです。リリースされた瞬間からこのゲームは我々だけのものでなく、プレイヤーの皆さんのものでもあると思うので、ユーザーの要望になるべく応えたいと考えています。

プレイヤーとの会話を続けていくために、コミュニティチームやサポートチーム、インフルエンサーチームなどを立ち上げてきました。

デイブ:昨日のイベントで質問を受けて非常に面白いと思ったのは、「世界中でプレイスタイルや楽しみ方が違う」という点で、日本も独特なものがあります。それぞれの楽しみ方があるなかで、「リージョンにあわせたバランスやメカニクスの調整を行う」という提案は、チャレンジングながらも興味深いと感じました。

衝撃的な発表だった「東京喰種」とのコラボレーション

――「東京喰種」とのコラボレーションを聞いて、本当に驚きました。このコラボレーションは、どういった経緯で実現することになったのでしょうか。

マシュー: コミュニティでも「今度は何とコラボするんだろう」と想いが飛び交う中で、ポジティブな反応や驚いたという声を聞けたことが何よりも嬉しいです。

デイブ:(ガッツポーズ)

マシュー: これはどのようなコラボでもそうですが、話し合いの内容やプロセスにはある程度の秘匿性があります。しかし、IPを所有しているチームとアイデアを出し合うなかで、今回のコラボは非常に良いマッチングであるという結論に至りました。

――今回のコラボレーションは『DbD』側から持ちかけたものなのでしょうか。もしくは、向こうからのオファーなどがあったのでしょうか。

マシュー: 詳しくお伝えできない部分もありますが、こういったコラボレーションの会話が始まる際、両サイドが目指しているのは「ファンの皆さんに納得していただけるか」どうかです。最終的なゴールは原作の要素をしっかりと活かしつつ、両サイドのファンがキャラクターやゲームを楽しんでいただけるかということを意識しています。

――これまでも日本のホラー作品からキャラクターが登場していましたが、ゲームや映画などのメディアからでした。今回は漫画・アニメ作品のチョイスということで、このあたりにも意図はあるのでしょうか。特に「東京喰種」を選んだ理由などもあれば教えて下さい。

デイブ: 特にこれといった意図はありませんが、コラボレーションをする時には「作品とマッチするか」「ユーザーが楽しめるか」の2つを論点としています。「東京喰種」は純粋に素晴らしい作品で、良いストーリーやバイオレンスさ、尖った表現などでかなり人気を誇っています。

漫画やアニメといった表現方法にも独特なスタイルがあると思っていて、「東京喰種」の表現の仕方も非常に惹かれるものがありました。マスクや衣装、キャラクターなどそれぞれが魅力的で、ビジュアル的にも素晴らしいものです。

――お二人が子供の頃に好きだったアニメや、影響を受けた作品などはありますか。

デイブ: 日本のアニメ作品の知名度は西洋諸国でも高く、多くの作品を観てきました。

マシュー: 「Blood Party Friday」のメンバーとも話していたのですが、カナダのケベック州ではフランス語に翻訳されたアニメを、日本のものだとは知らずに観ていました。ケベックでは「鉄腕アトム」のような日本でも有名な作品のほか、「UFOロボ グレンダイザー」など日本ではマイナーなものも人気がありました。

特に「ドン・チャック物語」(1975年のテレビアニメ)がケベックでは人気で、私に最も影響を与えた作品のひとつともいえます。また、「AKIRA」を観たときも、漫画やアニメが持つ超越的な表現に衝撃を受けました。

「AKIRA」

――「金木」がキラーとして登場するとのことですが、ゲーム内ではどういったコンセプトのキャラクターとなっているのでしょうか。金木の存在は、作品にどういった影響を与えますか。

デイブ: 金木 研は「The Ghoul(喰種)」というキラーとして登場しますが、アニメのようなスタイリッシュさを踏襲したデザインで、機動性が非常に高いのが特徴です。『DbD』の物語の世界での「The Ghoul」は、まるで“頂点捕食者”のように野性的で攻撃的な、禍々しい要素をもたらしてくれるでしょう。

また、面白い要素として「赫子(かぐね)の跳躍」というものがあります。マップを非常に素早く移動できるうえ、移動中に方向転換も可能なので、サバイバーに急接近して攻撃を与えることができます。

――キャラクターの特徴を活かすために、工夫した点や表現にこだわった部分などはありますか。「東京喰種」ファン注目のポイントなどもあれば教えて下さい。

デイブ: さまざまな細かい要素が組み込まれているので、原作ファンの方はかなり楽しんでいただけると思います!アニメ版と同じく、声優の花江夏樹さんがボイスを担当してくれているので、そのあたりも効果的なポイントだと思っています。

また、ゲームのなかで「金木 研」になりきるということもできます。サバイバーに攻撃を与えて捕食する様子や、“指ポキ”といった細かい描写も楽しんでもらえるかと。

――「東京喰種」のなかで、サバイバーなど他に登場させたいキャラクターの候補はいたのでしょうか。

マシュー: 「東京喰種」とのコラボレーションではさまざまなアイデアが議論されていました。

デイブ: 今回、「The Ghoul」のレジェンダリーコスチュームとして「神代利世」が登場します。これは私個人としても、非常に楽しみなものです。さらに、“これからのお楽しみ”ということにはなってしまいますが…きっと驚いてもらえるようなサプライズも用意しています!

――キラーの「The Ghoul」をプレイするにあたって、アドバイスやヒント、着目してほしいポイントなどはありますか。

デイブ: 能力は色々あり、PTBなどを通じてコミュニティが上手な使い方などを動画で教えてくれることもあるかと思います。「The Ghoul」の使い方ですが、ベーシックなものとして、赫子を用いた攻撃をすることで力が増幅していきます。一回目よりも二回目の攻撃のほうが高いダメージを与えられる、ということです。

また、世界にはたくさんの上手なプレイヤーがいて、私はその誰よりも上手い…とは思っていませんが、私がプレイする時に気をつけていることは「他のプレイヤーも楽しめているか」という点です。勝つためだけでなく、「そのキャラクターがDbDの世界にいたら、どういった行動をするか?」ということを個人的に意識しています。

とにかく、ありのままにプレイを楽しんでいただけたらと思います。

――日本の作品や文化を取り入れたコンテンツを開発する際に、意識していることはありますか。また、どういったコンテンツを提供していきたいですか。

マシュー: コンテンツを開発する際に留意しているのは、私たちの出身であるケベックのリアリティから離れたものを作るときに、パートナーや日本の社員との話し合いを行うことです。また、文化や作品をしっかりとリスペクトしつつ、文脈に適したものを作り上げるようにしています。

先ほど、「ホラーのテーマパーク」という素晴らしい表現をしていただきましたが、本作はある意味「美術館」とも表現できるでしょう。日本の文化などをよく知らない人でも触れられるような最適な表現を模索していますし、日本の文化に精通している方からすれば「すごく日本らしいものだな」と思ってもらえるようなものを目指しています。

デイブ: 実は『DbD』でコラボレーションしたコンテンツを登場させる際は、ゲーム内の言語設定に関わらず、オリジナルのコンテンツに由来する言語を使用しています。つまり、金木が喋るときは英語版でもヨーロッパ版でも、日本語のボイスになるということです。

――また、今年の後半には日本と絡めたコンテンツが登場するとお聞きしましたが…映画やゲーム、アニメなどとさらなるコラボレーションを予定しているということでしょうか。

マシュー: それについては……忍耐強くお待ちいただけると幸いです。(笑)計画されている「何か」を発表したい気持ちは山々ですが、改めて発表の場を設けたいと思っています。

――最後に、日本のコミュニティへ向けたメッセージをお願いします。

マシュー: 8年間プレイしてくれた方や、新しく始められた方、日本のコミュニティの皆さんに対して、弛みなきサポートにとても感謝しています。

皆さんが日頃からプレイしてくださるおかげで、この素晴らしい仕事をずっと続けられることができています。今後もニーズや期待に応えられるよう、ゲームを改善したりサプライズを提供したりしたいと思っています。

デイブ: 言いたいことは全部言ってくれましたが…付け加えるとすれば、『DbD』では100人以上の人がゲームの開発に携わっています。良かったことを伝えていただくのも、とても嬉しいのですが…もし不具合などがあれば、それも教えてください。私たちの活力にも繋がるので、忌憚なき意見をいただければと思っています。

――本日はありがとうございました。Thank You!


「Dead by Daylight: Tokyo Ghoul」は4月3日より、各プラットフォームにて配信予定です。


ライター:kurokami,編集:TAKAJO

ライター/チャーシュー麺しか勝たん kurokami

1999年生まれ。小さい頃からゲームに触れ、初めてガチ泣きした作品はN64の『ピカチュウげんきでちゅう』です。紅蓮の頃から『FF14』にどハマりしており、Game*Spark上ではのFF14関連の記事を主に執筆しています。

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編集/いつも腹ペコです TAKAJO

Game*Spark編集部員。好きな映画は「ダイ・ハード」、好きなアメコミヒーローは「ナイトウィング」です。

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