今回はJelle Booij氏が手掛け、2025年4月11日にSteamにてWindows PC向けに早期アクセスを開始したオープンワールド航空機設計アドベンチャー『Aviassembly』をご紹介。

Aviation(航空)とAssembly(組み立て)を合体させた読んで字の如くの本作……その面白さ故か、リリース直後からあっという間に「圧倒的に好評」となり、非公式データベースサイトのSteamDBでも「Hot Release」などの項目でトップに躍り出ていました(記事執筆時点において)。
多少なりとも航空の心得がある筆者としても興味津々。一体どんな面白さがあるのか、さっそく見てまいりましょう。
『Aviassembly』とは?

本作は、どこまでも広がる大地と大空のオープンワールドを舞台に、手持ちのパーツから航空機を組み立て、クエストをこなしていくアドベンチャーゲーム。現実ではネジ一本に至るまで安全追求ガチガチの航空機設計が、本作ではゆるくカジュアルに調整されています。


その結果、「よくわかんないけど飛べた」「飛ぶこと"は”できた(爆散)」など、NTSB(国家運輸安全委員会)長官も真っ青な珍プレー好プレーが楽しめる味付けと仕上がりになっている本作。早期アクセス故に、まだまだこれからという部分もありますが、もうすでに十分な魅力がありました。
操作・設定・言語について

本作は基本的にはキーボード&マウスで操作しますが、機体の操縦にはコントローラーも対応しています。機体を設計する画面でどうしたってマウス操作になるので、コントローラーのみでプレイしようとすると大変かもしれません。

その他設定についてはオーソドックスな項目が並びます。ここらへんはプレイヤー各人のお好みで整えていくと良いでしょう。
言語については、英語のみの対応。多言語への翻訳対応予定については、記事執筆時点においては確認できませんでした。とはいえ使用されている単語などは簡単なものが多く、UIもシンプルなので操作にまごつくことは、おそらくほぼ無いはずです。
本編開始

さあ始まりました『Aviassembly』。タイトル画面の、紙飛行機がゆるーく飛んでいくこの感じ、すでに良い雰囲気ですね。

現時点においては、キャンペーンモードとサンドボックスの2つからゲームモードが選択可能です。キャンペーンでは、物語に沿ってクエストをこなしながら、パーツをアンロックして新しい航空機を作っていきます。

一方サンドボックスでは、最初からすべてのパーツにアクセス可能。好きなロケーションも最初から自由に選択できるので、自分だけのおもちゃ箱をひっくり返して遊ぶ楽しみ方ができましょう。

ともあれ新しくゲームを開始すると、まずこの設計画面に放り出されます。ここでは、航空機の胴体、コクピット、翼、動力、着陸装置、燃料タンクなどの装備品をメニューからクリック&ドラッグによって、機体を組み上げていきます。

キャンペーンモード序盤だと、かなり制限がかかった状態で、しかもアンロックにもそこそこ作業量が必要で時間もかかります。そのため最初からガッツリ色々作って遊びたい僕らのわくわくさんなプレイヤーにおかれましては、やはりサンドボックスを選択されるとよいでしょう。

話を戻しまして、機体の設計は難しい!と思うかもしれませんが、「NACA(アメリカ航空諮問委員会)翼型データに基づく設計」を要求されることもないので、好きなようにどんどん挑戦して大丈夫です。とりあえず適当にパーツ同士をくっつけていけば、ゲーム側がいい感じにまとめてくれるので安心です。

ただしこれは裏を返せば、パーツを回転・拡大・部分変形させようと細かく弄り始めると「微調整がしづらい」という点でストレスが少々あるかもしれません。

ゲーム側が持つ「挙動のクセ」に慣れれば意外となんとかなりますが、今後のアップデートでもう少しかゆいところに手が届くような挙動の調整が入ると嬉しいですね。
記念すべき最初の機体

そんなこんなでまずオーソドックスな機体が完成しました。個人的には好きなV字尾翼ですが、過去には、「医者殺し(Doctor Killer)」などと不名誉なニックネームを付けられた機体もあったり(英語ですが参考リンク先:https://generalaviationnews.com/2017/03/29/the-doctor-killer/)。

閑話休題。いよいよ離陸です。管制塔やウィンドソックス、レーダーなどがありなかなか本格的な飛行場のようですな。しかし滑走路というには、マーキングや標識などが見当たらず一般車両向けの道路という感じですが、これらが気になるのは単に筆者の職業病によるもの。

おお、離陸滑走から気持ちよく浮かび上がって飛んでいきます。ここでも実際の物理演算がどうたらこうたらが脳裏をよぎりますが獄門疆に封印。何にせよ、ここらへんの離陸含む、空を飛ぶ楽しさという「体験の再現」はよくできているのではないでしょうか。この飛んでるときの感覚は、カジュアル路線の味付けですが、それでもリアルで自分が飛ばしてる時と近しいものがありました。

マップは、ゲーム開始直後だと真っ白で何もなく、プレイヤーの移動に合わせて徐々に開拓されていきます(別エリアマップ含む)。

飛行中、あたらしくオブジェクト・飛行場を発見するごとに地図へ記載されていくのですが、基本的には飛行場から別の飛行場へ移動を繰り返すので、直線的な広がりをみせますね。


到着した飛行場ではこのように給油と、荷物の積み下ろしが行えます。クエスト発生し、たいていは「〇〇を××まで運んでほしい」系のものです。

ただゲーム序盤だと燃料タンクもカーゴも容量が小さいため、いきなり遠くを目指して冒険に出るよりは、短距離路線かつ短時間のピストン運送を行うことで日銭を稼いだ方が効率的かもしれません。


資金と資材(マップに落ちているスクラップアイテム)が溜まったら、ベース拠点に戻り、研究(Research)を行い新しいパーツをアンロックして機体を改造していきましょう。
実験だ!

繰り返しになりますが、序盤は本当に選べるパーツが少ないので、基本は胴体を延長してカーゴ容量を増やしたりといった苦肉の策で頑張っていました。んが、いまこうして記事を書きながら気づいたのですが「別に胴体を複数重ねても良いよね?」と気づきました。

既存の枠に囚われていては新しいことはできない……その結果生まれたのがこちら!

(重すぎて離陸前に車輪が破損)

改めて、既存の枠に囚われていては新しいことはできない……その結果生まれたのがこちら(2回目)!



着陸を試みるも制御を失い爆散。

やはり既存の枠に囚われてこその常識的な成果と学びました。
スパくんを飛ばそう!

気を取り直して、ここからはサンドボックスモードで色々作ってみます。

このように円柱型のパーツであっても、部分変形によって別の形状へと変えることができます。またパーツも各部単位でXYZ軸での移動が可能。

ということは……!

はい、皆さん大好きスパくんができました。
スパくん1号機発進

着陸装置が重心位置に近すぎるなどと警告画面が表示されますが、構うこたァありやせん。

やってみる価値はありますぜ!(転倒)

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

気を取り直してリスポーン。ころんだ拍子にスロットル全開にして弾みをつけて無理やり離陸しました。


しかしグライダー型の翼をつけてしまったがために加速に耐えきれず両腕がもげてしまったスパくん。

そのまま制御を失い山間部へ墜落しました。雪山での捜索はほぼ絶望的です。

スパくん2号機発進

それならいっそ翼面積を小さくして、足りない揚力は速度で補おうという戦闘機な発想で生まれたのがこちら。

ブースターのおかげでちょうどいい感じに三点で設地もしており地上での安定性も抜群です。

いざ離りk………………

はっっっや


あまりに速すぎて描画限界範囲を飛び越えてしまいました。しかもマップを開くと限界の端っこにいるはずですが、外の景色はいまだどこまでも続く大地……果てが見えない……!

あわてて機首を戻して高度を下げようとしたら最速で地面に直撃、爆散。

スパくん3号機発進

わかったわかりましたよ、じゃあ速さとかじゃなくて安定性をめざしますよ最近流行りの空飛ぶクルマってやつですよ、ということで生み出されたのがこちら。


しかし操舵翼を着け忘れたので、糸の切れた凧よろしくフラフラとあちこちへ加速を繰り返してしまう我らがスパくん。





最終的にきれいな直線を描いて湖へと吸い込まれていきました(爆散)。


こうしていろいろな機体を作っては飛ばしていると、やはり歴史に名を残す航空機のデザインには、先人たちが血と汗を流して作り上げてきたものの積み重ねがあるのだなと学びました。本作はそういった意味において、教育的な側面もあるのかもしれません。

それでも飛ぶのを諦めんと見上げた先の空には、散っていった無数のスパくんの笑顔が薄く浮かび上がるのでした……。
タイトル:『Aviassembly』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2025年4月11日
著者プレイ時間:4時間
サブスク配信有無:無し
価格:1,200円
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
むずかしいことは後回しにしてとりあえずフルスロットルにすりゃあ、かっ飛ぶスパよ!人生と同じスパ、取り返しがつかない。











