
まさかとは思いますが、皆さん「PlayStation 3」というものをご存知ですよね。筆者世代、それも家庭用ゲーム機をメインとして遊んでいたゲーマーならば、大変にお世話になったはずです。しかし、そんなPS3も今年で17歳のレトロハード。ボクたち、ワタシたちもあれから17年が加算されたオトナになりました。
ただ、このPS3世代はマルチプラットフォームこそあれど、PC版やリマスター版がリリースされていないタイトルも少なくありません。たとえPC版があっても日本語版の配信がないものもあり、あまりにも多くの名作が「名前だけ知っている」ぐらいの認識に留まっている事実に筆者は気付いたのです。
というわけで今回は、2006年11月11日に発売されて17周年を迎えたPS3のタイトルの中から、Amazonでの中古価格が最安1円(送料別)およびワンコイン以下で購入できる、筆者選抜の歴史的傑作10作品を紹介します。すでにPS3をお持ちの方はもちろん、最近になってPS3世代の魅力を知った方、あるいは最新機種リマスター版のセール待ちという方も予習がてら購入を検討してみましょう。
『アイドルマスター2』
◆神曲揃いで号泣!2023年アニメ「U149」や「ミリアニ」も必見。

バンダイナムコエンターテインメントが贈る感動のアイドルサクセスストーリー。零細プロダクションに所属する9人のアイドルの中から3人組ユニットを結成し、数々の試練を乗り越えながら“国民的アイドル”へと成長させていきます。




選ばれし美少女たちを“アイドル”という商品としてプロデュースする名誉と責任。地道なレッスン修行の末、ついに努力が報われてライブ、テレビへの出演を果たしてファンを獲得していくカタルシスは唯一無二の体験です。
こだわり抜かれたヒロイン周りの演出も特徴で、滑らかな細かい動きやクレーンカメラワーク、そして何より声優陣の演技と個性が合わさった楽曲の完成度は、ゲームという枠を飛び超えた計り知れない魅力を秘めていました。




『グランド・セフト・オートIV』
◆DLCも1円(送料別)!異色にして最高傑作、これが正統派『GTA』か。

そろそろ新作が来ると騒がれている大人気クライムアクションシリーズの作品。遠い故郷での紛争を生き延びた主人公がアメリカに渡り、巨大でリアルなオープンワールドの中で、マフィアやギャングとのゴタゴタに巻き込まれていきます。


シリアスで悲壮に満ちたオトナの物語、携帯などの新要素を用いたバラエティー豊かなミッション、そして独特の重量感のある物理システムが特徴です。
特に、銃撃戦はモーションブラーやエフェクトの多用によって、他のシリーズ作品とは一線を画す完成度。撃たれた人がよろめきながら銃を乱射したり、弾が壁や柱に当たって粉塵を巻き上げたりと、本物の戦場に飛び込んだかのような感覚を味わえるでしょう。


『メタルギアソリッド4』
◆オンラインモード「MGO2」もまた伝説の思い出!

もしかしたら『MASTER COLLECTION Vol.2』に収録されるかもしれないPS3独占タイトル。主人公がたったひとりで敵地に潜入し、大勢の兵士や特殊部隊、果ては異能を操る強敵と戦いながら進んでいくステルスアクションです。


これまでは敵が完全に陣取っている秘密施設などに潜入していましたが、この作品では戦場が主な舞台。プレイヤーが戦闘に介入して有利な状況を作り出したり、あらゆる背景に擬態する「オクトカム」、武器商人から装備を購入といった新システムを実装していました。
敵の殺害が目的ではなく、あくまで見つからずにミッションを遂行する“不殺の伝統”が他にはない面白さに繋がっています。


『Tom Clancy's EndWar』
◆ジャンケンのようなシンプル性が奥深い!吹き替えの完成度も抜かりなし。

触れるもの全てを傑作へと昇華させたPS3時代のユービーアイソフト発売のRTS。エネルギー枯渇に端を発する第三次世界大戦に突入した近未来の世界線で、アメリカ・ロシア・ヨーロッパが激突する三つ巴を戦い抜きます。


選択した国家、および自分が率いる大隊ごとに得意兵科などの性能が異なり、様々な組み合わせの戦い方が楽しめます。家庭用ゲーム機を前提としたコンパクトな操作感のほか、声で指揮するボイスコマンドを実装。各兵科はジャンケンのような分かりやすい関係性になっていて、AIも割と手強く、初心者から上級者まで満足できる絶妙の難易度でした。
また、ローカライズに重心を置くユービーアイソフトらしく、ブリーフィングの司令官から末端の歩兵ユニット、ニュース映像まで日本語音声フルボイスという点にも注目です。


『Tom Clancy's H.A.W.X』
◆気分はエースパイロット!最大4人でストーリー協力プレイも可能。

こちらもユービーアイソフト発売のフライトシューティング。民間軍事会社が正規軍に匹敵する規模で拡大を続ける中、アメリカ空軍から転職した主人公たちが世界各地を舞台にしたミッションに挑んでいきます。


フライトシューティングというと真っ先に『エースコンバット』シリーズを想起する方も多いと思いますが、このタイトルには独自のアシストシステムがあります。これをワンタッチで切り替えてOFFにすると、空中で機体を垂直にするコブラ、その場で一回転するクルビットなど、激しい空中戦で役立つマニューバ(空戦機動)を簡単に実行できるのです。
マニューバは『エースコンバット』シリーズでも可能ですが、使える機体が限定されるという意味でも難易度は高め。この作品では、旧世代機や重い攻撃機でも無理矢理に曲芸飛行ができる(そして失速する)ので、よりアクション性が高いドッグファイトを楽しめます。


『L.A.ノワール』
◆ありそうでなかった警察視点の物語。人の顔を読んで真相究明、犯人逮捕!

オープンワールドとクルマを愛するRockstar Games発売のアドベンチャーゲーム。警官として働く主人公が証拠集めや尋問、犯人逮捕によって事件を解決に導き、やがてロサンゼルスの街に巣食う巨大な陰謀と対峙していきます。


1940年代後半のアメリカ。その当時の街並み、社会の空気が忠実に再現された雰囲気もさることながら、最先端のモーションスキャニング技術を駆使したキャラクターのリアルすぎる表情がゲームの骨格として組み込まれています。
人間はウソをつく際、無意識に左上を見ると現実でも聞いたような気がしますが、目撃者や証人がウソをついているか否かを見抜き、それを指摘して真相に辿り着くというのも斬新なシステムです。


『キャサリン』
◆主人公と同じ30代ゲーマーには特にグサッとくる感じ。世知辛いですね。

アトラスから発売された、子どももオトナも楽しめる前衛的な作風のアクションパズル。独身と結婚の狭間で揺れ動く主人公が酔った勢いで浮気したのを境に、浮気男を呪い殺すとウワサされる謎の悪夢に巻き込まれていきます。


難易度の高い本格パズルを軸に、アダルトテイストの興味深いストーリー、豪華声優陣が総出演するキャラクターの魅力など、20歳を超えた日本人なら必ずプレイしておきたい完成度の高い国産タイトルです。
要所で発生する質問、メールの返信で展開が変化し、物語がどのような結末を迎えるかもプレイヤー次第。本格的なアニメーションパートのクオリティも相まって、一夜の過ちを巡る登場人物たちの迫力に思わず引き込まれるでしょう。


『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』
◆これ抜きにFPSは語れない!ゲーマーとしての必修科目。

全世界に衝撃を与えた伝説の現代戦FPS。アメリカ海兵隊、イギリス特殊部隊などに所属する複数の主人公の視点から、ロシアや中東の過激派が握る核兵器を巡って、リアルで緊張感あふれる激しい戦いが描かれます。


実績のある開発会社が手掛けたシンプルで洗練されたシステムにより、本能に訴える面白さの銃撃戦を快適な操作性で楽しめるのが特徴。夜間戦闘や市街戦、少数による潜入、さらにはガンシップによる砲撃まで幅広い内容のミッションが用意されています。
シリーズ伝統の“一兵士の視点”で語られる映画的演出で派手なシーンも多く、FPSの基本をしっかり学べるので、初心者にもオススメしたい名作中の名作です。


『DARK SOULS II』
◆多対多のソウルライク!?中身が濃すぎてロードも長いのはご愛嬌。

死んで覚える元祖ソウルライクシリーズの一角。不死の呪いを解くべく失われた王国に辿り着いた主人公が同じように集った人々と出会い、亡者や怪物と戦いながら、恐るべきソウルの業と滅びた国の真相に迫る“死にゲー”の名作です。


所詮は人でしかない主人公をはるかに超越した巨大なボス、モブ敵にすら無慈悲に殺されてしまう高難易度に惹きつけられるファンも多く、勇者も救いも存在しない硬派なダークファンタジーです。
喋るネコや魔物、女騎士などの印象深い個性的なキャラクター、オフラインでも召喚できる味方NPCがシリーズの中でも多く登場し、ストーリーや世界観に深みを与えています。鐘守、青警察、鏡の騎士といったロールプレイの豊富さでも抜きん出ていました。


『Mass Effect 2』
◆銀河の命運はキミ次第!問題は暴力で解決するレネゲイドプレイが面白い。

伝説のスペースオペラ三部作。キャラクターの生死をも左右する重大な決断を繰り返し、広大な宇宙を巡りながら各種族が誇る最強のスペシャリストを集め、銀河を脅かす圧倒的な脅威に立ち向かいます。


三部作を通じて、プレイヤーの選択が大きな影響を及ぼすシステムとなっており、PS3版では前作の内容を確認できるデジタルコミックを収録。アクション要素が強化されて爽快感が増した『2』から始めても問題ありません。
作り込まれたSFの世界観の上に成り立っている壮大な物語、バイオティックなどの超能力も駆使した迫力のある戦闘、経験を通じて成長するRPG的なシステムなど。ストーリー重視でじっくり楽しみたいゲーマーなら特にプレイ必須の大名作です。


なお、筆者が確認した価格は記事執筆時点のものであり、変動することがあります。オンラインサービスが終了している場合もあるので、基本的にはオフラインでの使用を前提とした説明文です。マルチプレイなどに関しては事前にご確認ください。
スパくんのひとこと
こうして見ると、ホントに面白いゲームが溢れてた良い時代だったスパね!この特集のおかげで『アイマス』シリーズに復帰して雪歩とも和解できたし、いつまで経ってもPS3にはお世話になりっぱなしスパ!