2015年に電撃的な発表が行われた『シェンムー3』。クラウドファンディングの資金調達が成功したことで、現在もPC/PS4向けに開発が進められている本作の情報をまとめとしてお届けします。
■概要
毎年E3が開催される度に噂が囁かれていた『シェンムー3』は、E3 2015のSCEプレスカンファレンスにて電撃的に発表。Kickstarterのクラウドファンディングにて資金調達を開始し、目標金額200万ドルにわずか約9時間で到達しています。
この到達速度は最も短時間で100万ドルを集めたビデオゲームとしてギネス記録を達成し、最終的にKickstarterにおいてビデオゲーム最高調達額である633万3296ドル(約7億8千万円)とバッカー69,320人を記録しました。Kickstarterによる資金調達が終了した後も、PayPalにて予約購入が可能となっており5月13日の時点で660万5887ドルと72,381人のサポーターを集めています。また2016年12月15日より公式サイトでPC版の予約販売も開始しました。29ドル/60ドル/100ドルのリワード向けに2017年夏にPS4かPC版を選べるアンケートが予定されています。

PC/PS4向けに開発されているオープンワールドアクションRPGの『シェンムー3』は、シリーズの権利を持つセガゲームスから承諾を得てネイロが開発。ゲームエンジンはUnreal Engine 4を採用しており、現時点でも開発の進捗状況を伝えるスクリーンショットが複数公開されています。
日本語版には主人公・芭月涼の声優に、初代と『2』で主人公を演じた松風雅也氏を引き続き起用。さらに、英語版などの制作も進められており、前2作の英語版で涼を演じたコーリー・マーシャル氏が抜擢されています。また、他のキャラクターのキャストは決まり次第今後のアップデートで報告されるとのことです。
現時点で決定している登場キャラクターは、芭月涼や玲莎花、原崎望、チャイ、紅秀瑛、刃武鷹、斗牛、ユアン、藍帝(蒼龍) と炎帝(鳥隼)の10名です。本作の詳細なあらすじは、現在も伝えられていませんが芭月涼と玲莎花の2人に焦点を合わせたものになるようです。また『シェンムー』の物語は『3』で完結せず、次回作に続くことも語られています。

クラウドファンディングのストレッチゴールでは、『シェンムー』と『シェンムー2』のストーリーダイジェストが達成。ゲームシステムでは好感度やスキルツリー、アドバンスドバトルとフリーバトル、ラグドールアクションの実装が決定しています。他にも、日本語/英語だけでなく、ポルトガル/ドイツ/フランス/イタリア語も字幕としてサポートします。言語切替機能については詳細な仕様を確立できない状態であるため、現時点では決定されておらず開発後半に決まる予定です。
また、クラウドファンディングのストレッチゴールとして、エリアの追加も掲げられています。追加されるのは、三国志を連想させる籠城戦をゲームで再現させる「白沙(バイシャ)」と、南拳の老師との出会いやイベントが繰り広げられる「鳥舞(チョウブ)」、そして『シェンムー2』のラストで訪れたエリアの本格的な探索が可能になる「白鹿村(ハッカソン)」の3つ。ストレッチゴール達成によって実装が決まっているのは白沙エリアです。

2015年10月のインタビューで、鳥舞エリアに関しては、横須賀の「どぶ板」ぐらいの広さにしたいことが伝えられており、他の村については検証中。好感度システムは、涼とシェンファ向けに開発したもので、他のキャラにも使用するかどうかは検討中である他にも、ストーリーやゲーム進行への影響も検討中であることが伝えられています。さらに写真機能も検討されています。10月末には実機でのテストにおいて、街やフィールドの大きさを調整中であるほかにもバトルシーンにおけるテストスクリーンショットが公開されていました。
PC/PS4向けに開発されている本作は2017年12月の発売を目標に開発が進行中です。
- ●2016年12月15日時点での開発進捗報告
・現在の開発状況
様々な要素の研究開発も順調に進んでおり、徐々に本制作期間に移行しつつあります。メインシナリオもほぼ完成し、俳優さん、声優さんを起用したモーションやボイスのレコーディングテストも進めております。ミニゲームやイベント、バトルなどについても、鈴木裕をはじめ、開発スタッフ一同が楽しみながらも真剣に開発を進めております。発売まで期待してお待ちください!
・鈴木裕氏のコメント
「ゲーム作りに没頭して、良く開発事務所に泊まるようになって来ました。寝ても覚めてもシェンムー一色になって来ました」
■対応プラットフォーム
- ・PS4
・PC
■発売日
- ・2017年12月を予定
・公式サイトで予約販売も開始
■『シェンムー3』までの軌跡
第1章となる『シェンムー 一章 横須賀』は、セガが制作費70億円という巨額の資金を投入して開発され1999年12月末にドリームキャストで発売されたタイトルです。あらすじは、1986年の神奈川県横須賀市に住む主人公芭月涼が、殺された父の仇である藍帝と奪われた鏡を巡り中国へ旅立つというもの。当時では独創的かつ革新的だった新ジャンルFREE(Full Reactive Eyes Entertainment、現在のオープンワールドゲームに近い)を前面に押し出した作品でした。
2001年1月31日にドリームキャストの生産中止が発表されるも、同年9月には『シェンムー2』が発売し、舞台は香港へと移行。涼は上陸後に鞄を盗まれ全財産を失ってしまうも、ジョイという女性と出会い、彼女の支援を受けながら藍帝の足取りを追います。しかし、その後の続編の開発は2003年に『シェンムー3』の開発が未定なことが伝えられていたため、ストーリーが完結していないことからも長い間求められていました。
2010年には『シェンムー3』の実現に関して絶対に不可能ではないことと、鈴木裕氏から『3』のコンセプトが既に存在することが報告。2012年には、インタビューで同氏が『シェンムー』のライセンスに関してセガから受けることができると回答。2013年にはクラウドファンディングを思案していることが伝えられていました。
なお関連作として2004年にはMMORPGの『シェンムーオンライン』が発表されるも正式サービスには至らず終了。2010年12月にはソーシャルゲームの『シェンムー街』がサービス展開するも2011年12月に終了しています。
■スクリーンショット
※次ページ: 『シェンムー3』関連映像とニュースをひとまとめ!