先日、京都で開催された「BitSummit 4th」2日目のステージにて、「Made With Unity Contest with PlayStation VR」という企画の詳細が発表されました。SIEJAソフトウェアビジネス部の秋山賢成氏がモデレーターとして登壇。そして、ゲストスピーカーとしてCygames取締役CTOの芦原栄登士氏、Unity Technologies Japan日本担当ディレクターの大前広樹氏、SIE WWSプレジデントの吉田修平氏が登壇し、セッションを行いました。
「Made With Unity Contest with PlayStation VR」とはSIEが主催、Cygames、Unity Technologies Japanが協賛するVR開発者をサポートするためのコンテスト。Unityを使用したVR企画を2016年7月15日~8月31日(予定)で公募し、9月中旬にその中から選ばれた優れた企画にはパブリッシャーの決定とVR開発機材の提供が行われます。
これに対して、ゲストスピーカーの3人はコンテストの応募者へのコメントを送りました。
「VRっていうのは新しい体験を生み出すもので、アイデアがあればいくらでも作れるなっていう期待がすごく大きいです。だから、皆さんもいいアイデアをどんどん出して欲しいなと思っています。今はUnityがあれば一人でも作れますし、PSVRを使って世界の人たちに楽しんでもらえるコンテンツを出せる可能性が大いにあります。なので、この中から最高のVRコンテンツが出てくることを期待しています。」(芦原氏)
「VRは作るのは楽しいけれど、難しいし大変ですよね。でも、この企画を機会にチャレンジしてもらいたいです。僕たちもゲームを作りやすくするために、できる限り難しい部分を解決しながら環境を整えています。OculusやViveで作ったものがPSVRでもスムーズに動くような環境作りもしているので、どの環境でもいいからとりあえず面白いものを作ってくれたらいいなと思っています。応募者は企画書だけではなくて、是非実際に動くものを作ってきて欲しいですね。」(大前氏)
「ここ何年かで、VRで出てきた面白いゲームは少人数で作られているっていうのがすごく多いんですよね。今VRの技術を使えば初めてのゲーム体験を作ることができて、無名の人でも世界で勝負するコンテンツを生み出せるんです。そういった夢を持って作ってみて下さい。VRの制作に必要のは、短いサイクルでプロトタイプをどんどん作って回していく、その中でいいものを残していくという流れです。実際に動くものを作る、それを自分で確認する、そして人に遊んでもらう、これを短いサイクルとして繰り返していくのがいいと思っています。」(吉田氏)
次に、VRについてのトークセッションが行われました。大前氏は技術的にはまだ難しい問題が残るとのことですが、VRで作るマルチプレイヤーゲームの可能性を非常に強く感じていると語ります。それに対して吉田氏は「他の人の存在感が半端ないですよね」と述べ、E3でOculus Touch『Toybox』を遊んだ感想を、そこに居ないはずの人の部屋で遊んだ記憶になっているとまで話します。そして、「VRはまだ新しいメディアで、新しいハードだからこそ簡単なシステムでも皆が楽しいと感じてくれる段階にある」と大前氏は話します。時間が経っていくと大手が資金や人材を投じてゲームを作るようになるので、今こそ小規模チームがアイデア一発で勝負する時期だと改めて述べました。
そして、先日PSVRタイトル『アイドルマスター ビューイングレボリューション』の発表したCygames芦原氏はゲームのキャラクターの存在感と、世界に自分が入ったんだという感覚を生み出すことに最も力を入れていると語りました。「没入を超える存在感」(秋山氏)「センス・オブ・プレゼンス」(吉田氏)は今後のゲームコンテンツにおける新しい1つのテーマとなりそうです。
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