気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Super Sexy Software開発、PC向けに4月22日リリースされた一人称サイコスリラー『The Shattering』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、白色がテーマの一人称視点サイコスリラー。プレイヤーはJohn Evansの精神の中で過去と現在のかけらを集め、昔何が起こったのか、嘘に隠された真実、そして「彼女」の名前を思い出そうとします。記事執筆時点では日本語未対応。
『The Shattering』は、2,050円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Super Sexy Software私たちは、ポーランド、スイス、パリを拠点に活動しているインディー開発者のチームです。Super Sexy Softwareという名の下、デビュー作となる本作を作りました。本作は一人称視点のストーリー主導のサイコロジカルスリラーです。John Evansの精神の中を舞台に、過去と現在のかけらを集めることとなるのです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Super Sexy Software本作の開発は4年前に始まりました。当初私たちは小さな学生のグループで、本作のためにゲームエンジンの使い方や様々な3Dテクニックを学んでいました。
まずは本作のタイトルと、「白」「精神病」「ミステリアス」という基本的なテーマができました。それから、私たちはトラウマというものがどういうものなのか、それが人にどんな影響を与えるのかを勉強し始めました。トラウマとなるような出来事は、人々に過去を忘れさせてしまうのです。真実に向き合うのは痛みを伴いますが、それが唯一の治療法です。そして「真実を見つける」ことと「嘘を打ち砕く(Shattering)」というのが、本作のテーマとなったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Super Sexy Softwareまず、真っ白に描かれる、美しくリアルな環境が特徴です。孤独と狂気の感情を描けることから、私たちは白という色を選びました。ある意味、暗黒よりも恐ろしさを描けるのではないでしょうか。
2つ目の特徴は、4つの章に分かれた魅力的なストーリーです。先に進むにつれ、過去と現在が交差していきます。
3つ目の特徴は、本作のオリジナリティのある部分です。目の前で起こる不可思議な現象(The Shattering)や、見ているそばから周りが変化していくという点です。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Super Sexy Software何か仕事をしている時、本、映画、ゲームなど、常にインスピレーションは必要です。本作においても同様で、私たちが最も影響を受けた映画は「シャッター アイランド」「マシニスト」「1408号室」「ジェイコブス・ラダー」「インセプション」です。ゲームでは、『サイレントヒル』『The Stanley Parable』『Dear Esther』『Gone Home』『Layers of Fear』『Datura』そして『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』から影響を受けています。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?
Super Sexy Software本作が日本語に対応する姿を早く見てみたいです!日本語対応の計画はありますが、お手伝いいただける方がいらっしゃいましたら私たちのウェブサイトからご連絡ください。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?インディーゲーム開発者への支援はどのようにして行えばいいでしょうか?
Super Sexy Software私たちのスタジオにおいて、新型コロナが開発に影響を与えるということはありませんでした。すでにリモートで仕事をしていましたし、準備ができていたのです。それに、本作の作業があったからこそ、私たちは平常心でいられたとも思っています。家で退屈する暇がありませんでしたので。(笑)
インディーゲーム開発者への支援で最も大事なのは(特に私たちのような小さなスタジオにとっては)、そのゲームを購入し、他の人とその体験を共有することです。世の中にはとても多くのゲームがあるので、最近は特に気付いてもらうというのが難しくなっています。どのようなサポートでも大歓迎ですよ!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Super Sexy Software本作は私たちが情熱を注ぎ、何年もかけて完成させたプロジェクトです。これを読んでくださっている方にも、プレイしていただけると幸いです。本作ではJohn Evansと彼の精神のかけらの物語が描かれ、そのかけらをつなぎ合わせることができるのは、あなただけなのです。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に250を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
20年ぶりシリーズ新作SFRTS『Homeworld 3』プレイレポ―現代的に強化されたグラフィック、ロード時間の短さやバグの少なさも満足度大
-
海外レビューハイスコア『V Rising』―太陽から隠れるのがこんなに楽しいとは思わなかった
-
Steamの“作業支援ツール”ジャンルにドット絵スタイルのフォロワーが登場。女の子と一緒に作業に没頭するチル系アプリ『Chill Pulse』【今週のインディー2選】
-
海外レビューハイスコア『Cryptmaster』―ブラックユーモアに満ちた冥界と、古き良きタイピングの融合はプレイ必須
-
【漫画じゃんげま】419.「私の手!」の巻
-
海外YouTuber開発の無料ホラーADVが配信中!アライグマのマスコットとともに夜の廃遊園地を探索―採れたて!本日のSteam注目ゲーム11選【2024年5月20日】
-
『アサシン クリード シャドウズ』エデンの剣の行方や如何に?戦国ロマン滾るセッティングを分析【ゲームで世界を観る#76】
-
【吉田輝和の絵日記】魔女っ娘のところには猫ちゃんと変なおじさんがよく集まる!『サガ エメラルド ビヨンド』
-
【クラフトサバイバル名鑑】人喰いサメと旅する海洋サバイバル『Raft』リソース収集と建築、冒険のバランス感覚が秀逸!小さなイカダはやがて唯一無二の拠点に育つ
-
日本舞台のシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』を「操作できる弥助」が登場するゲームでしばし待つ―史実の外国人武士の姿を既存ゲームに求めてみた【特集】