気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Ransacked Studios開発、PC/Mac/Linux/海外スイッチ向けに8月26日正式リリースされたツインスティック2Dアクション『Glitch's Trip』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、可愛い主人公グリッチが走って撃つ、高難度2Dアクション。様々なトラップや敵をくぐり抜けながら、全100ステージ攻略を目指します。一定時間透明になる特殊能力も特徴。日本語には対応していますが翻訳が結構怪しいため、日本語ネイティブスピーカーによる手伝いを募集しているとの事です。興味がある方は、公式サイトより直接開発者にご連絡ください。
『Glitch's Trip』は、1,600円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Michael Coletti氏(以下Coletti氏)こんにちは!Michael Colettiです。本作のデザイナーを担当しています。Ransacked Studiosは私を含め、3人で活動しています。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Coletti氏私たちのデビュー作である『Zombie Scrapper』をモバイル向けにリリースした後の2016年、本作のプロトタイプ開発がスタートしました。当時はモバイル向けの開発が流行でしたが、私たちは他のプラットフォーム向けの開発も経験したいと思い、まずはPC向けの開発を始め、その後コンソール向けにも開発することとなったのです。ちょうどツインスティックシューターの開発を終えたということと、私たちが『Super Meat Boy』のような高難度アクションが大好きということもあり、この二つのジャンルをミックスさせたらクールなんじゃないかと思ったのです。
Glenn Montalbo(エンジニア)と私はまずステージエディタを作り、グリッチがどのように動き、攻撃し、特殊能力を使って危機を避けるかというのを実験しました。その当時、私たちは隣同士の州に住んでいたので、数週間に一回顔を合わせ、このプロトタイプの開発を進めていったのです。
それから3年の間、私たちは皆昼間ゲーム業界で別の仕事をしていたので、夜や週末を使って作業を進めました。フルタイムで開発に取り組めなかったのは色々と大変でしたが、なんとかプレイヤーの皆さんのもとに届けることができて嬉しく思っています。ゲームが難しくて私たちを罵倒する声も聞こえてきそうですが(笑)。
――本作の特徴を教えてください。
Coletti氏グリッチの一定時間透明になれるという特殊能力が、本作一番の特徴だと思います。他のゲームではあまり見た事がありませんし、本作をプレイする上でプレイヤーはこの使い方をマスターする必要があります。使いこなせないとチャレンジステージはもちろん、ノーマルのステージのいくつかさえも攻略できないでしょう。
本作を面白くしているのが、ツインスティック操作と昔ながらのアクションゲーム要素を融合させているところでしょう。例えば、重力切り替え、消えるタイル、ワープゲート、無重力というものがあり、無傷で進むためには集中力が重要になってきます。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Coletti氏私たちは任天堂ハードのアクションゲームをプレイして育ちましたので、昔ながらのアクションゲームでありながらも、ツインスティック操作を取り入れた一歩上のゲームを作りたいと思いました。こういった理由から、グリッチはカービィの親族のような見た目をしており、壁ジャンプやステージデザインはロックマン(X)のような感じとなっています。
色合い、ビジュアルエフェクト、操作は『Geometry Wars』のようなゲームから影響を受けています。ツインスティック操作を採用する事で、グリッチには自由に走ったり撃ったりという動きをさせたかったので、変わった操作を採用しました。
他にも操作面で『Bleed』『RIVE: Wreck, Hack, Die, Retry!』『Fenix Rage』といったゲームから多くの影響を受けており、高難度のステージ設計という面では『Super Meat Boy』『Bloody Trapland』『Super Rude Bear』を参考にしています。サウンド面では、何度死んでもめげないようなファンキーな音楽を採用しました。Bluewhale Audioの友人にこのコンセプトを理解してもらい、出来上がったのが軽いEDMやファンキースイングダンスのミックスで、それが各ワールドで流れます。
本作は多くのアイデアを組み合わせる事で、オリジナリティのあるゲームになったと思っています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Coletti氏世界中がこのパンデミックの影響を受けているように、もちろん私たちにも影響はありました!通勤時間がなくなったので、その分本作の開発にかける時間が増えたという面もありますが、リモートワークによりパブリッシャーとの開発スケジュール調整やコミュニケーションが難しくなってしまった面もありました。ともあれ、なんとかしっかりとしたものを完成させる事ができたのは幸運だと思っています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Coletti氏ぜひ配信してください!もしSteam版をお持ちでしたら、ステージを作ってコミュニティとシェアしてみてください。皆さんの作るステージを私たちもぜひプレイしてみたいです。YouTubeやTwitchで配信していただいて結構ですし、ファンの方たちからのサポートを受けながら、私たちが皆さんを倒すために用意したステージを攻略してみてくださいね。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Coletti氏何より、Ransacked Studiosとして皆様からのサポートに感謝いたします。本作を楽しんでいただけると嬉しいです。ぜひレビューを書いていただき、本作のスクリーンショットや動画、ツイートを私たちにお送りください。誰かがチャレンジモードの全100ステージを攻略する日が待ち遠しいですし、もしかしてそれはあなたかもしれません!グッドラック!
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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