最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は台湾のインディーデベロッパーVisualnovelerが、2020年12月16日にSteamにてPC(Windows)向けに正式リリースした製品版『Eternal Radiance』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Eternal Radiance』とは?
本作は、随所にJRPGから影響を受けたデザインが見られるアクション・アドベンチャー。真の騎士を目指す主人公の少女セレステが、見習いの騎士として特別任務を受けてから大きく動き始める物語。道中に知り合った仲間であるヴァラナ、ルビーと共に様々な経験を通じて彼女は成長していきます。
王道なストーリー展開に、可愛らしいキャラクターデザインでカジュアルに楽しめる本作。基本的な操作方法はキーボード&マウス、またはコントローラで、今回筆者はXboxコントローラでプレイ。早速紹介してまいりましょう。
はじまりの任務
ゲーム開始とともに表示されたイベントCGには、剣の練習をする少女が。彼女こそ本作の主人公であるセレステ、“灰の騎士団”の見習い騎士です。元気いっぱいで一直線、正式に入団して騎士になることを目指して今日も稽古、稽古、稽古。ひとたび稽古を始めると周囲の音が聞こえなくなるくらい没頭してしまいます。
そこへ様子を見に現れたのは友人であるクィン。彼もまた見習い騎士で、剣のセレステとは対象的で魔法に明るい青年のようです。仲が良いからこそ楽しめる軽口の掛け合いが良いですね。彼は攻略対象なのでしょうか……いやゲームのジャンルが変わりますね。
さらに現れたのは鎧を着込んだカトリーナという女性。彼女はセレステたちの教官で、ユーモアセンスが独特であるため、しばしば周囲を面食らわせます。現にセレステもジョークがわからず、真面目に受け取って青ざめてしまう場面も。ここで筆者の個人的な感想をお許しいただくなら、本作ではカトリーナ教官をぜひ攻略させてくださいお願いしm(自制)
ともあれザカリアス卿が呼んでいるとのことなので部屋に向かうセレステ。なんと灰の騎士団への入団試験も兼ねた特別任務を命ぜられました。任務成功の暁には憧れの正騎士という話、ややお転婆気味のセレステですが表情を引き締め臨みます。まさかここからあんな事態に発展するとは知らずに……。
ここからゲームの進行は、「街での会話・準備」と「ワールドマップでの探索・戦闘」の2つのパートに大きく分けられます。
「街での会話・準備」パート
このパートではお馴染みのテキストアドベンチャー式で進行。行き先を選択し、表示されたキャラクター達と交流を深め、メインクエストとサブクエストのフラグを立てたり、装備品などを準備していきます。
登場するキャラクターは豊富で、個性豊かなキャラとの会話テキストが充分に用意されており、本筋とは関係なくとも楽しい掛け合いを見ることができます。(一部モブはベースとなるデザインが見え隠れしますが……)
キャラクターといえば今後仲間になるパーティーメンバーを紹介しましょう。
こちらはルビー。ピンクの髪にお召し物のどこか浮世離れした感じのお嬢さん。とある組織について調査中で魔法が得意。ダンジョンにおいては敵に火炎玉をぶち当てる割とアタッカー気質な子でした。主人公が初めて降り立った土地で最初に仲良くなるキャラクターですが、パーティー加入はもう少し先になります。
イベントCGがとにかく可愛い。どうでも良いことですが、この子に対する会話選択肢は、優しく気遣うものを中心に選んでいます。
こちらの緑色の女性はヴァラナ。一匹狼的な傭兵で、とある目的のために行動しています。そのことに固執するあまり周囲の人間に対して冷たい言動が目立ちますが、本当は心優しく、セレステとルビーに対してもなんやかんやと世話を焼いてしまう素直になれない感じ。
そもそも砂漠で行き倒れていたセレステを助けてくれたことが交流の始まりですしね。戦闘では弓による直線的な遠距離攻撃を得意としています。
これまたどうでも良いことですが、この娘は所謂ツンデレなので、こちらの会話選択肢ではあえて冷たくあしらうことで「おもしれー女」を演出し、好感度を稼いでいく作戦に出ています。(そんなシステムは無いはずですが……それでも……!)
サブクエストはこんな感じ
サブクエストはこのように、相手との会話から発生します。例えば今回は、武器を売るためにサクラとして一芝居売って欲しいというもの。
そのためにはまず装飾の剣を購入し、実際に装備してから、街の通行人たちに見せびらかさなくてはなりません。
主人公セレステには、会話だけでなく行動の選択肢も用意されていたりします。今回であればサクラとして剣の素晴らしさを伝えるのですから、実際に剣技を見せたほうが良いだろうと判断。さあ稽古で磨いた腕前をご覧あれ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
狂人扱いされてしまいました。おもしれーどころかヤバい女です。
しかしそのおかげで人々の自衛意識が高まり結果的に店は繁盛。めでたくクエスト完了となりました。いいのかそれで。
ともあれこれ以外にも後述するマップの探索時において、敵との戦闘やアイテムの回収を要求するサブクエストもあります。それらのいくつかは、探索中あちこち回っているうちに勝手に条件を満たすことがしばしばなので、可能な限り全て受諾しておくと良いでしょう。
「ワールドマップでの探索・戦闘」パート
一方でこちらのパートでは、ワールドマップの中からそれぞれのエリアを選択し、エリア内ではTPSでアニメ調のキャラクターを操作して探索とアクション豊富な戦闘を楽しめます。
メンバーは、最初はセレステだけですが、ストーリーの進行によってヴァラナ、ルビーも加わった3人パーティーになります。彼女らの戦闘スタイルはそれぞれ異なり、パーティスキルも使用可能になるため、敵との戦い方が変化していくのが本作の面白いところ。
セレステの戦闘スタイルは基本的には剣を用いた近接攻撃で、アビリティを使用することで氷の弾を当てる遠距離攻撃も可能。戦闘中はガードや回避をタイミングよく行うことで、一時的なステータスアップもあるため、積極的に狙うと良いでしょう。
また敵を倒すことで経験値やアイテム、回復オーブ(?)などが手に入り、経験値が一定以上になるとレベルが上がり、アビリティやスキルアップポイントが解放されていきます。
雑魚敵は、小型中型大型の3種類。攻撃は近距離と遠距離を使い分けてくるため、囲まれると意外と手こずることもあったり。そんな時、フィニッシュゲージが満タンであれば周囲を薙ぎ払い大ダメージを与えるフィニッシュアビリティを使うと良いでしょう。
このアビリティはボス戦でも有効ですね。
また先程も少し触れましたが、敵の討伐数や取得アイテムがクエストの進行に影響を与えるため、マップは隅々まで探索し、敵は殲滅していくのがおすすめ。結果的にレベル上げにも繋がりますしね。とはいえ、これは必須ではなく、すべての敵を倒さなくても探索が楽しめるようカジュアルな設計がされています。
探索について、強いて惜しい点を挙げるとするならば、通常であれば時間経過で歩行からダッシュに移動速度が上がるのですが、近くに敵が存在する際はそれができず歩行に固定されてしまうことくらいでしょうか。雑魚敵を無視して先に進みたい場面で、強制歩行は少々ストレスを感じました。まあローリング回避連打で一応なんとかできるのですが……。
おわりに
王道の世界観と展開に沿って、可愛らしい少女達が織りなす成長と冒険の物語である本作。そういった同ジャンルの“お馴染み”とも言える要素があちこちにあるため、安心してプレイができますね。もしこの記事をお読みの方で、JRPGライクに興味がある方がいれば、是非プレイすることをお勧めします。
対応機種:PC(Windows)、今後PS4/ニンテンドースイッチ向けにもリリース予定
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2020年12月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:5.6時間
価格:通常価格2,050円、セール価格1,640円(2021年1月6日まで)