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あの『M:tG』デザイナーも開発参加のローグライクカードゲーム『Roguebook』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】

今回は『マジック・ザ・ギャザリング』の生みの親であるリチャード・ガーフィールド氏が開発に参加した、ローグライクカードゲーム『Roguebook』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート

「デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回はローグライクカードゲーム『Roguebook』をお届けします。

本作はAbrakam Entertainment SAが開発し、Naconによって2021年6月17日にSteamで配信されました。Abrakam Entertainment SAは2017年3月8日に対戦型カードゲーム『Faeria』をリリースしており、本作はその世界観を引き継いでいます。また世界的に有名なTCG『マジック・ザ・ギャザリング』の生みの親であるリチャード・ガーフィールド氏が本作のゲームシステム開発に携わっています。

ちなみに氏はボードゲームも多数開発しており、東京を舞台に怪獣たちが戦うバトルロワイヤルボードゲーム『キング・オブ・トーキョー』といったユニークな作品もあります。日本語版も発売されており、ルールも分かりやすいので、パーティーゲームにオススメです。

本作の内容ですが、『Slay the Spire』のようなデッキ構築型のローグライクカードゲームになっています。ヘクスマップ上を自由に探索することができたり、2人のヒーローでパーティを組んで戦ったりなど、RPG色を前面に出した作品になっているとのこと。果たしてどんなゲームなのか、さっそくプレイしていきましょう。

仲間と共に戦え!

ゲームを開始すると、何の説明もないまま唐突にヘクスマップから始まります。この白髪の女性シャーラーが主人公のようですね。隣接ヘクスにアライグマのようなのがいます。クリックすると会話が始まりました。アライグマの名はナディムというそうです。

ナディムからもらったを使うと、周囲2タイルの戦場の霧が晴れました。左下にいるモンスターっぽいのが、仲間のソロッコのようです。クリックすることで、その隣接タイルまで移動できます。

ソロッコを仲間にした後、ヘクスマップ上の剣マークのタイルへ向かうと、戦闘が発生。ここからは『Slay the Spire』でお馴染みのカードバトル画面です。ただし、こちらは1人ではなく2人パーティですね。

手札にカードが5枚ありますが、使用できるキャラクターが決まっています。左側の3枚はシャーラー用、左の2枚はソロッコ用ですね。それと敵の頭上に浮かんでいる剣マークと「15」の数字は、「15ダメージの攻撃を仕掛けてくる」という意味です。

ダメージを食らわないよう、まずは防御をしましょう。防御カードを画面中央にドラッグすることで、カードに書かれたブロック力をヒーローに付与することができます。カード左上の数字は、カードを出すためのコストです。画面左下の数字が、このターンに使える合計コスト数です。1枚1コストなので、3枚まで出すことができますね。

シャーラー用の防御カード(+6ブロック)が2枚あるので、どちらも出して合計12ブロック。ソロッコの防御カード(+8ブロック)もあるので、これも出しておきましょう。出したカードは捨て札になります。

ソロッコ用の防御カード(+8ブロック)を出した途端、ソロッコが前衛に出てきました。またシャーラーの12ブロックがソロッコに付与され、合計20ブロックに。カードを出す順番で前衛が入れ替わり、敵の攻撃は前衛が受けるようですね。ブロックが合計20になったので、相手の攻撃(15ダメージ)を防げるようになりました。

敵の攻撃をブロックして、ノーダメージで次のターン。今度は敵の頭上に盾マークが浮かびましたね。防御を意味するものなので、攻撃を仕掛けましょう。ソロッコの攻撃カード(7ダメージ)を敵に使います。攻撃の場合は、カードを出した瞬間に仕掛けます。

ソロッコで2度攻撃を仕掛け、合計で14ダメージ。さらにシャーラーの攻撃カード(7ダメージ)でトドメを刺して戦闘に勝利!後衛でも攻撃は敵に届くようです。まだ最初なので楽勝ですが、ローグライクカードゲームなのでどんどん難度が上がっていきそうです。

マップを探索しよう!

戦闘報酬として、インクを手に入れました。これを使うと、直線3タイルの戦場の霧を晴らすことができます。戦場の霧があるところには進めないので、筆やインクなどのアイテムを使ってマップを開放していく必要があります。

インクを使って3タイルの道を作り、その先で筆を使って周囲2タイルの戦場の霧を晴らしました。左下に落ちているアイテムは「防御の鋳造酒」。ソロッコが前衛の場合、ブロックが+2されるというものです。左上にある剣は「運命の剣」で、シャーラーが前衛の場合に、攻撃ダメージ+3されます。どちらももらっておきましょう。

マップ上に出現する「知恵の金庫」では、ゴールドを支払ってカードを獲得することができます。またマップ上のナディムに話しかけると、カードやアイテムを売ってくれます。ローグライクカードゲームでは、デッキを分厚くし過ぎると、欲しいカードが手札になかなか来てくれなくなるのですが、本作だとカード数に応じてヒーローの「才能」を獲得できるので、序盤は気にせず集めた方が良いでしょう(後述)。

マップを進んでいき、敵のいるタイルで戦闘発生。今回は敵も複数です。先程シャーラーは前衛時にダメージが+3になる「運命の剣」、ソロッコは前衛時にブロック+2の「防御の鋳造酒」を手に入れました。つまり、まず前衛のシャーラーに攻撃させ最後にソロッコにブロックさせれば(ブロック時に前衛になる)、ボーナスを余す所なく使うことができます。攻撃・防御の順番も考えなくてはいけませんね。

敵が4体でかなり厳しい戦いになるかと思いましたが、先程購入したカード「ファイアブレス」を引き当てました。ソロッコ用のカードで、コストが2必要ですが、敵全体に15ダメージを与えます。これで敵を一掃して勝利!強いカードがあると戦闘が楽になりますね。

『Slay the Spire』のように、「エリート」と呼ばれる強力な敵も出現します。戦闘では苦戦を強いられることになりますが、その見返りとして、倒した時に普段よりも多くのアイテムをゲットすることができます。

ジェムを獲得すると、カードのスロットに取り付けることで、カード効果をパワーアップさせられます。画像のジェムは「ルビーの原石」。取り付けたカードのダメージを+3上げてくれます。全体攻撃「ファイアブレス」のカードに取り付けたことで、ダメージは18。さらに強力になりました。

カードをたくさん集めることで、「才能」をアンロックすることができます。才能は個々のキャラクターのものと、パーティ全体のものがあります。一度に選べるのは1つだけで、選ばなかった才能は消滅してしまいます。慎重に選択しましょう。ここではソロッコの「強欲」を選びました。今後入手するカードは、ジェムスロットが2つになります(デフォルトは1つ)。

イベントの発生するタイルもあります。ここでは守護者の像を発見したので、どうするかの選択です。「剣になって欲しいと祈る」を選ぶと「コバルトのガーゴイル」が、「盾になって欲しいと祈る」を選ぶと「コバルトガーディアン」が手に入ります。戦闘中に常駐し、ダメージアップなどの効果を与えてくれます。

さらなる戦いの場へ!

敵キャラは、プレイヤーに不利益を与えるばかりではありません。こちらへは一切攻撃をせず、殴るとゴールドをまき散らしてくれるというボーナスモンスターもいます。見つけたらどんどん攻撃しましょう。ちなみに3ターンが過ぎると逃げ出してしまいますので、それまでに倒し切ってしまいたい所です。

ボスのいるタイルまでたどり着きました。ボス戦前には警告が入りますので、マップでまだ行っていない場所があれば、先に探索を済ませてしまいましょう。ゴールドがあれば、ショップに戻って買い物をするのもいいですね。後戻り自由なので気楽です。

「知恵の金庫」が左下にありますが、戦場の霧を晴らすための筆が尽きてしまったので、行くことができません。筆は数が限られているため、計画的に利用した方がいいですね。探索はだいたい終わったので、ボスの元へ向かいます。

ボス戦開始!さすがにボスだけあって、体力がかなりありますね。本作では、味方のHPは戦闘後も回復しません。これまでのザコ敵との戦いで、味方のHPが半分ぐらいまで減らされてしまっています。ちょっと厳しいかもしれませんね。

敵の体力を半分ほど減らした時に、敵が怒り状態になりました。ガードしても防ぎきれないほど攻撃力が上がり、ソロッコは敢え無く撃沈。戦闘からリタイアしてしまいますが、カード「ソロッコの復活の歌」を5枚出すことで、蘇らせることができます。しかしこのターンにシャーラーが攻撃を食らったら終わりですね。

結局シャーラーも倒され、ゲームオーバーになりました。敵の体力が残り8だったので、攻撃カードが手元に来ていれば勝てたのですが、防御カードしかありませんでした。ツキが無かったですね。やり直しましょう。

やり直しですが、先程取ったソロッコのアイテム「防御の鋳造酒」と、シャーラーの「運命の剣」は固有スキルなので残ったままです。ただしそれ以外のアイテムはすべてロストし、デッキカードも初期化されています。もう一度2人でパーティを組み、マップを探索していきます。

死んだ後の救済措置として、死亡までのゲームの進行具合に対して「ページ」が与えられ、それを消費して特典の得られるツリー(装飾)を解除していくことができます。マップ上に設置される財宝が多くなったり、レアカード出現率を上げたりなど、様々な効果があります。クリア出来ないときは、ひたすら何度もプレイしてツリーを解除していくのもいいかもしれませんね。

ボス撃破で次のステージへ。先程のボス「サイファー」は仲間になり、死亡後の再スタート時に仲間に加えることができます。ただし、パーティは2人までなので、誰と組むかを考える必要がありますね。それとステージが進んでも、死ねば1ステージから再開になります。

シャーラーを外し、新たな仲間のサイファーと共に冒険に出るソロッコ。見るからに脳筋コンビですが、果たして勝ち残ることができるのか。この続きはぜひとも自身の手でプレイしてみてください。

仲間と戦うローグライクカードゲーム

本作の肝は、やはり仲間をどう使いこなすかという点でしょう。シャーラーやソロッコのように、前衛になった時にダメージやブロックにボーナスが付くキャラクターを、どういう手順で切り替えていくかが攻略の鍵となってきます。手順を間違えると、一気に戦況が崩れてそのままゲームオーバーになったりすることもあるので注意が必要です。

それとタイトル画面から「一覧」を選択すると、それぞれのヒーローのカード一覧を見ることができます。イラストに味があるので、筆者としてはこれらを見ているだけでも結構楽しいですね。

ヒーローはゲームオーバー時に経験値を獲得し、一定以上貯まるとレベルが上がり、新しいカードをアンロック出来ます。ゲームオーバーになっても諦めず、何度もプレイして装飾やカードをアンロックし、勝利を目指しましょう。

本作はPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチでもリリース予定です。中毒性のあるゲームなので、『Slay the Spire』好きな方はぜひ本作もプレイしてみてください。

製品情報

『Roguebook』
開発・販売:Abrakam Entertainment SA、Nacon
対象OS:Windows
通常価格:2,570円(Deluxe Edition:3,286円)
サポート言語:日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)など12カ国語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1076200/Roguebook/

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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