
パッケージイラストに惹かれてゲームを買っていざプレイしてみると、パッケージに描かれたキャラクターとゲーム画面のキャラクターがまるで別人に見える……なんてことがファミコンのゲームではよくありましたね。
DYA Gamesが贈るPC向けソフト『Evil Tonight』は、タイトルイラスト、キャラクターアイコン、ゲーム画面のドットキャラクターのどれもが別人レベルで違います!

タイトル画面は、僕が大好きなイラストレーター・弘司氏による美麗イラストが描かれています。
弘司氏は、僕が中学生の頃に買ったRPG『黄昏のオード』のキャラクターデザインを担当しており、その素晴らしいイラストに一目惚れしていました。まぁゲーム内容はあまり褒められたものではありませんでしたが……と、話を戻して。

ゲーム画面のキャラクターはデフォルメされたドット絵で、キャラクターアイコンは90年代のアニメのような絵になっています。
ただ、どのビジュアルにしてもクオリティが高いので、これはあえてそう表現しているんでしょうね。レトロゲームっぽさを出すために。
気になる本作の内容は、悪魔払い師の主人公が廃墟を探索し、様々なギミックや謎を解き明かしていく『バイオハザード』ライクな2Dサバイバルホラーです。
2Dの『バイオ』といえば、フリーゲームの『のび〇のBIOHAZARD』を思い出します。あれは怖かったなあ……。
主人公は悪魔払い師。より大きな悪意を探せ!

主人公シルビアは現代の悪魔払い師だ。
心霊スポットにいる悪しきものを実体化する能力を持った彼女は、とある廃墟に蔓延る呪いを解くためにやって来た。

初期装備はナイフとハンドガン。敵に攻撃をするには、まず武器を構える必要がある。初期の『バイオ』シリーズを彷彿とさせる操作だな。
バックステップで素早い回避も可能だ。

どす黒い光を放つ玉は悪意の源。儀式を行うのに必要らしく、シルビアはさらに大きな悪意の源を求めているようだ。

そもそも悪意の源って……こんなのかな?

廃墟の中で巨大な悪意の源を見つけ、早速儀式を行う。
「恋はスリル、ショック、サスペンス」的なポーズで踊るシルビア。それが儀式なのか……。

儀式を行うと赤い光に包まれ、ボロボロだった部屋は家具まで綺麗に修復されていた。
おそらく過去の世界か別の次元にワープしたのだろう。

部屋の外も綺麗に修復されているな。
これがこの場所の本来の姿だったのだろうか……って何かいるぞ!

幽霊かモンスターかは定かでないが、目玉に羽が生えたピンクのコウモリが襲いかかってきた!
とりあえず武器を構えて臨戦態勢を取る!

ハンドガンは無限に撃てるわけではなく、マップ上に落ちている弾薬を拾って補充する必要がある。
いざという時のために弾薬は残しておきたいし、節約してナイフで攻撃を試みるが……

何回斬りつけても倒せないぞ……!一応ダメージは通ってはいるが……ナイフの攻撃力が低すぎ!
物陰から狙え!安全に……

弾薬をケチってナイフで敵に応戦するも、追い詰められて結局ハンドガンを使ってしまった。しかも結構HP削られちゃったな……。
「もしかしてこのナイフって自決用?」と思うほどに攻撃力が低いが、優れているところもある。

攻撃の当たり判定が大きいので、敵との間に障害物があっても攻撃が届くのだ!
安全地帯からの攻撃を喰らえ!

廃墟には、ピンクのコウモリ以外にも植物に擬態した敵や、包丁を持って襲いかかってくるメイドなど、恐ろしい敵が存在する。

しかし、こいつらはシルビアに向かって愚直に突撃してくるので、時折障害物に引っかかって身動きが取れなくなることがある。

敵を誘導してボコボコにすることも可能!こうなったらもうこっちのもんよ!
ホラーが苦手な僕は、ビクビクしながら廃墟を探索していたが、恐ろしい敵のちょっとマヌケな一面を見たおかげで恐怖心がかなり薄れてきた。
「それにエリアの外に出れば、敵は追って来れないしな!」と思っていたのだが……

画面が暗転して次のエリアに移動する一瞬の間、まさかの当たり判定あり……!
『バイオ』ライクな謎解き&ギミック!

廃墟の中を進んでいると、包丁を持ったメイドに襲われている少年を発見した。
「まさか少年も敵の幽霊なのか?」と思ったが、どうやら生きたままこの世界に迷い込んでしまったようだ。

シルビアのことも敵だと勘違いした少年は、「失せろと言ったんだ、モンスター!」と口汚く罵った。シルビアはその言葉にブチギレる。

……と思えば、ウインクしながら海外コメディのような言い回しのジョークを放つ。
このようにキャラクターの口調が変わり、情緒が不安定になることがある。翻訳のクオリティが低いためなのかもしれない。
この世界に迷い込んだ子供が他にもいるらしく、少年はシルビアの静止を振り切って去って行った。言うことを聞かない餓鬼……!まあいい。探索を続けよう。

廃墟には様々なギミックや謎解きが用意されている。
探索ゲームでは定番の「ヒューズの外れた装置」も登場するぞ!

他にも絵合せパズルの謎解きや……

石像を指定された場所に動かすものなど、定番の謎解き&ギミック揃いでちょっとニンマリしちゃう。
どれも本格的なギミックなので、素人が日曜大工のノリで作れる物ではないだろう。こういったギミックを専門とする業者が居ることはもはや疑いない。

架空の謎解きギミック専門業者に思いを馳せる。

謎を解いて鍵を入手し、鍵のかかったドアを開いてその先でまた謎を解くのが、ゲームの基本的な流れだ。

探索を進めていくと、呪いの元凶であるボスも登場するが……

やはり翻訳のせいか口調が変わり、情緒が不安定に見える!
初回は、3段階の難易度の中で1番簡単なカジュアルでプレイして5時間程度でクリア、2周目はノーマルにあたる難易度で3時間でクリアできました。
カジュアルでは敵の体力が少ないので弾薬が尽きることはありませんでしたが、難易度が上がると敵も固くなるので弾薬管理が重要になります。僕は、出てくる敵は殲滅しないと気がすまないタイプなので、常に弾がカツカツ……!
「昔のレトロなサバイバルホラーゲーム」と謳っている通り、敵を攻撃するのに武器を構える必要があったり、廃墟内の地図機能がなかったりと、あえて不親切にしているであろう箇所があります。僕はまあ、そこに不便さを感じつつも手書きでマッピングをして地図機能が無いことを逆に楽しんでいました。そういう不便さを「ゲームの味」として楽しめないとちょっとストレスが溜まるかもしれません。
ホラー要素は、思ったより薄めなので、「『バイオハザード』系のゲームは好きだけど、怖いのは苦手なんだよな」なんて人にもおすすめです!
『Evil Tonight』はPCを対象に配信中です。
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