新作SRPG『マーベル ミッドナイト・サンズ(Marvel's Midnight Suns)』が12月2日発売を迎えます。
本作は『XCOM』の開発スタジオ・Firaxis Gamesが贈る、新作シミュレーションRPGです。最大3人のヒーローを出撃させ、カードゲームの要素が組み込まれたターン制戦闘で敵を倒していきます。Game*Sparkでは先行プレイレポも掲載しています。
本稿では、開発チームであるFiraxis Gamesにメールインタビューを実施。本作の特徴的なシステムや、登場するキャラを選んだ理由など気になる点を聞きました。
――『XCOM』ではいかに敵からの被弾リスクを回避するかという「守り」の意味で位置取りが重要でしたが、本作はキャラの位置取りによってリスクを負うことはほぼありません。基本的にうまく攻撃を連鎖させる「攻め」のための仕様はストラテジーとしてはかなり大胆な仕様と感じるのですが、このようにした理由は何故でしょうか。
Firaxis Gamesこれは、各ゲームで我々が実現しようとしているプレイヤーの皆さんの持つ理想と、その理想を実現するために戦闘システムがどのように機能するか、というお話になるかと思います。例えば『XCOM』では、エリートエイリアンの脅威と戦う新米兵士の部隊を操作します。つまり、操作キャラは普通の人間ですから撃たれるのを恐れて身を隠し、人間であるがゆえに仕留め損ね、そして死ぬこともあります。
しかし本作での操作キャラはスーパーヒーローです。そこで『XCOM』にはマッチしていた要素でも、スーパーヒーローのゲームには不要なものは取り除くことにしました。防御がないのは、スーパーヒーローに守りは要らないからです。キャプテン・アメリカのスイングが空振りしたら最高に格好悪いので、そうなることもありません。また、今回私たちはキャラクターを使った物語を描いていますので、そのヒーローたちが死んでストーリーが破綻することも避けなければいけませんでした。

――登場するヒーローはどのように決定されたのでしょうか?
Firaxis Gamesマーベルファンにもし好きなキャラクターを選べるとしたら、どんなヒーローたちの参戦が理想かを聞いてみると、一人一人が違った答えになるでしょう。誰もが納得するリストを作るのは難しく、なぜあのヒーローが選ばれなかったのか?という思いも完全に理解できます。
そこで私たちは、いくつかの要素を念頭に置いて参戦リストを作成しました。一つはシンプルに知名度、本作にはみんなが大好きでプレイしたいと思うようなヒーローがいるようにしたかったのです。次に、ヒーロー達の能力です。つまり、ゲームとしてのプレイ感が十分に異なるようにするため、例えば剣を使うヒーローが多すぎるような事態は避けたいと思いました。
そして最後、魔術サイドのキャラクターを多く採用するということ。コミックの「Rise of the Midnight Sons」が物語のベースになっていますので、ドクター・ストレンジやブレイドのような超常的力を扱うヒーローを参戦させました。また、ニコ・ミノルやマジックのような比較的新しい作品の魔術系ヒーローも取り入れ皆さんに新たなヒーローの魅力に触れてもらう機会も設けました。

――本作のユニークな要素の1つとして、大聖院でヒーローと交流して仲を深められるという要素があります。『ファイアーエムブレム』のようでこの要素もお気に入りなのですが、『FE』のように恋愛関係まで発展することはできますか?もしくは『マスエフェクト』などのようにより踏み込んだ内容もあるのでしょうか?
Firaxis Games 本作にはロマンスはありませんが、かなり親密な仲にはなれるでしょう。また、ヒーローたちとの友情を深める中でどんなストーリーを展開しても良いのです。つまりその気になれば、仲間のヒーローの部屋に入って肖像画を外して、代わりに自分の写真を貼る、なんてことも可能です。
友情の構築は、戦場でも大きな効果を発揮します。仲が深まることで、各ヒーロー固有の強力なパッシブスキルがアンロックされ、ゲームの流れを大きく変えることもできるのです。ヒーローとの友情レベルが最大に到達してミッドナイト・サンズ・チャレンジミッションを完了すると、そのヒーローにとって最強のカードとなるミッドナイト・サンズ戦闘スーツとアルティメットアビリティがアンロックされます。
――原作がコミック「Rise of the Midnight Sons」であることからもわかるように、本作のキャラクター設定は映画版(MCU)よりも原作コミック寄りだと感じたのですが、映画版からの影響を受けた要素はありますか?
Firaxis Games『マーベル ミッドナイト・サンズ』で遊べるのは私たち独自のマーベル・ユニバースです。そして、アイアンマン、ドクター・ストレンジ、ブレイドなども私たちの独自の解釈を含んだキャラクターとなっています。そういった点から見ると、マーベルの映画やゲーム、コミック、テレビシリーズのファンであれば、私たちが描くヒーローたちに違和感を覚えることもあるかもしれませんが、それでも素晴らしい彼らの魅力を感じていただけることは保証します。
――ゲームクリアまでのボリュームはどの程度を想定しているのでしょうか?また「ニューゲーム+」のようなものは考えられているのでしょうか。
Firaxis Gamesプレイスタイルにもよりますが、40時間から60時間はかかるかと思います。「ニューゲーム+」モードでは、アンロックされたキャラクターがすべて引き継がれますので、1周目ある程度プレイしてから仲間になるウルヴァリンやキャプテン・アメリカなどを早く仲間にすることができます。

――シーズンパスではデッドプールやモービウスなど近年映画などで有名なキャラクターが参戦します。他にも新ミッションや新たな敵の追加も予告されていますが、彼らが絡んでくるストーリーの追加はありますか?
Firaxis Gamesはい、あります!それぞれのヒーローと共に、プレイヤーの皆さんがプレイできる彼らのミッションが追加されます。ミッションをクリアすれば新しいアップグレードが大聖院に追加されます。

――12月2日の発売時点ではPC/PS5/Xbox Series X|S版のみが発売され、PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチといったプラットフォームは後日発売されます。近年のゲームの延期としては珍しい形態かとおもうのですが、ずばりこのようなリリース形態を決断した理由は何でしょうか?
Firaxis Gamesファンの皆さまが『マーベル ミッドナイト・サンズ』を心待ちにしてくださっている中で、発売日を分けることにより、今年中に該当のプラットフォームで確実にゲームを提供することが可能となったためです。
――Modへの対応予定はあるのでしょうか?
Firaxis Games公式によるModサポートは行っておりません。
シンプルでとっつきやすい戦略バトルが楽しい『マーベル ミッドナイト・サンズ』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2022年12月2日発売予定。PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ版は後日発売予定です。