穏やかに環境再生…“逆”都市開発『Terra Nil』はお片付けの大切さも学べる素晴らしいゲーム体験だった【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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穏やかに環境再生…“逆”都市開発『Terra Nil』はお片付けの大切さも学べる素晴らしいゲーム体験だった【プレイレポ】

立つ鳥跡を濁さずと言いましょうか……一連のゲームプレイと、荒れ果てた大地の環境を蘇らせそこからそっと立ち去るという世界観が見事にマッチしていて、素晴らしいプレイフィールでした。

連載・特集 プレイレポート
穏やかに環境再生…“逆”都市開発『Terra Nil』はお片付けの大切さも学べる素晴らしいゲーム体験だった【プレイレポ】
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出会いと別れの季節、そして新生活が始まる今日のこの頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今回のプレイレポでは、パブリッシャーDevolver DigitalとデベロッパーFree Livesが日本時間2023年3月29日にSteam/Netflixにてリリースした環境戦略ゲーム『Terra Nil』について紹介したいと思います。テーマとしてはキレイにお片付けできるかな?といったところでしょうか。

『Terra Nil』とは?

とある惑星を舞台に、プレイヤーは荒れ果てた大地を緑豊かな環境に回復して撤収するという、環境に寄り添った“逆”都市開発ゲームな本作。穏やかなBGMに作り込まれたグラフィック、そして何より“逆”都市開発というゲームシステムが本作最大の魅力ですね。

というのも、たいていの都市開発系のゲームでは、資金が許す限り施設の設置や開発に終始しますが、本作は途中から流れが「それまで設置&開発したものを回収する」という方向に変化するのです。その結果「お片付け」のことまで考えてプレイするという、なかなか新鮮なゲーム体験でした。早速やってまいりましょう。

操作・設定・言語

本作はキーボード・マウスで操作を行います。キーバインドも自由に設定可能。その他、設定項目についてはグラフィックやサウンドといったオーソドックスなものが並びます。

ゲームプレイの部分については、プレイに影響を与える項目が調整可能。プリセットはいわゆる難易度に関するもので、「庭師」から「環境エンジニア」にかけて徐々に難しくなっていきます。

なお言語は日本語にバッチリ対応。丁寧な翻訳でゲームプレイに一切の支障はありませんでした。

本編開始

3つある新規プロフィールからひとつを選んで新しくゲームを開始。冒頭に短くムービーが流れて「あの葉が全部散ったとき、私も死ぬのね……」なんてモノローグが添えられそうです。

死んだのね。

冗談はともかく、葉がひらひらと落ちた先、地面に埋まっていたのは「Ecosystem Restoration」という一冊の本でした。この本は今後もゲーム中、何度もお世話になるガイドブックでもあります。

ゲーム開始直後はチュートリアルということもあって鍵マークのついたページが多いですが、進行に合わせてどんどん中身が埋まっていきます。個人的に気に入っているのは、そこに描かれる絵や説明文の暖かさだったり。

大変わかりやすいチュートリアル

まずはチュートリアルで基本操作に慣れつつ、枯れた大地を復活させていくための“イロハ”を学んでいきます。

回復の「イ」、電源となるエコ技術「風力発電タービン」を設置しましょう。荒れ地再生プロジェクト最初の一歩はタービンの設置に始まります。風を受けたブレードが緩やかに回転することで電気を生成し、その電力が以降のエコ技術による各装置に使用されます。ただし設置できる場所は岩場など限られた場所のみなので注意が必要です。

少し脇道にそれますが、本作のユーザーインターフェイスは視覚的にもわかりやすく、どの装置がどういった機能と効果を持つのかわかりやすくデザインされていると感じます。

さて回復の「ロ」として、次のエコ技術「毒素除去装置」を置きます。このとき設置可能なエリアは、先程緑色の枠で表示されたタービン効果範囲内に限ります。チュートリアルではハイライトされた箇所に設置せよとのことです。

除去装置にもタービン同様効果範囲が設定されており、複数設置する際にある程度重なり合っても大丈夫ですが、可能であれば最大範囲を狙いたいところ。ちなみに設置するとタービンからパワーラインが伸びるので、ちゃんと電力が送られていることがわかります。

回復の「ハ」、仕上げに灌水機(かんすいき)を設置しましょう。このエコ技術のおかげで、植物が生い茂り、画面左上部に並ぶ数字が上昇します。簡単に説明すると、8%という数字とゲージは「土地の緑化100%という目標に対して、現在8%の進捗」というものを表します。

またその隣、葉っぱのマークに並ぶ1518という数字は、現在所持する「緑」を表し、エコ技術を設置する際の「資金」として使用されます。前述の進捗にも関係するので、可能な限り「緑」を稼ぐようにしましょう。

話を灌水機に戻します。このように一部の装置は、回転することで設置する方向を決定できるのですが……。ここで気をつけたいのは、「どの向きが最大効果を得られるのか?」というところ。例えば上の画像だと、ひとつ前とくらべて効果範囲のL字が回転しているのと、数字が+158から+200に変化していることがわかります。

これがまさに最大効果の部分であり、除去装置の範囲内で自由に向きを変えて、数字をできるだけ大きくすることが環境回復の早道になるのです。

学びを活かそう回復パート

チュートリアルでイロハを学び、勘所を掴んだころから本格的に環境回復パートが始まります。タイトルロゴが表示されながらマップ範囲が広がる一連の流れが個人的に大好きな演出。ここからは学習したことを基礎に、少しずつアンロックされる新技術を交えつつ進めてまいりましょう。

新技術は、「緑の回復進捗○○%」「エコ技術設置何個」といった条件を達成することで開放されます。それら条件は大抵の場合、プレイの進行に合わせて達成できるよう設計されており、またガイドブックやヒントで次の行動も表示されるため、何もできずにゲームが詰みになる……といった自体にはならないはず。

さて、土地に枯れた一本筋が伸びていればポンプで水を流し込み川にします。ここでも緑色の範囲が「水がどこまで行き渡るか」を表しており、隅々まで水で満たしたい場合は複数設置する必要もありますね。ポンプを使用するにはタービンに接続して電力を得る必要がありますが、前述の通り、タービン設置可能場所は限定的。水場との位置関係によっては効果範囲外となる場合もあります。

そこで便利なのが「石灰化機」というエコ技術。これは設置後に周囲の数マスを岩場にするという電力いらずの感心な子で、これで電力を確保しつつ川を伸ばしていきましょう。

なお「掘削機」と呼ばれるエコ技術を用いることで、何もない土地に一本線を引くことも可能。このままポンプで川にするのも良いですが、後々のことを考えれば、もともと存在する川に繋ぐよう設置すると良いかもしれません。

ちなみに川や海といった水場には「雲生成装置」も置いてみましょう。この装置はマップの湿度を上昇させる効果を持ち、こういった気候に影響を与えるエコ技術は、もう少しゲームを進めると「温度操作」などの形で増えていきます。

気候を操作することによって、この後の工程がやりやすくなる場合もありますし、また「湿度〇〇%以上でスイレンの開花」といったオプション目標が達成されるのでぜひ狙ってみましょう。

時には火を放つことも

さて結構な規模で緑が回復してきました。画面左上のゲージも、湿原や草原の進捗度になっています。そんな中で森林のゲージが一切進んでいないので、ここで一度「火入れ」を行いましょう。

火入れによって、画像のように設置した装置から火を放ち、大地を焼き払うことで灰を生成します。

灰を……

灰が……

(結構な範囲に燃え広がって言葉を失う筆者)

……はい!このようにして灰が豊富に含まれる大地に「森林製造装置」を設置して木々を生い茂らせました。

火入れは、森林を作るために必要な作業ですが、タービン以外の装置と草原を巻き込んで燃え広がるため、川で区切るなどして火入れの範囲をコントロールすると良いかもしれません。ペイントソフトで1ドットの隙間があったがために、画面全体にバケツをぶちまけてしまったときみたいな事件を未然に防ぐためにも。

環境にバリエーションを持たせる理由

「なんでこんな森林とか生やす必要が?別に草原だけでも良くないですか?」という疑問もあるかもしれません。結論から言うと単一環境でのゲームクリアは難しいので、複数の環境を用意する必要があります。

このゲームは、マップごとに細部が異なりますが、大筋の流れとして、まず荒れた土地を回復させ、その次に環境に多様性をもたらし、最後にエコ技術を回収しながら動物を呼び戻して撤収するという3段ステップを踏みます。

動物の生息にはそれぞれ適切な環境が用意されている必要があり、そのためにはそもそもの環境に草原、湿原、森林、川など(各マップごとに種類が異なる場合もある)といったバリエーションが求められるのです。

撤収だ!

マップを見渡すと結構バリエーション豊かに環境が育ってきたので、そろそろ「エアシップ」を設置しましょう。これは最後に土地から撤収するための乗り物で、設置後はエコ技術装置のリサイクルによって建造が進みます。

本作のゲームデザインが優秀なのはまさにこの部分で、「再生完了後は大自然だけを残してそっと立ち去りましょう」という世界観に見事にマッチしているのです。

装置の回収にはこちらの「リサイクルサイロ」を設置します。こちらも効果範囲が設定されており、範囲内のエコ技術装置が回収されます。しかし、これだけではエアシップ建造に繋がりませんし、そもそもリサイクルした資材をさらに集めてシップまで運ぶ必要があります。

そこで登場するのが「ローディングドック」と「リサイクルドローン」の2つ。ドックは川などの水場に設置し、その効果範囲に存在するリサイクルサイロをドローンへ搭載します。

そしてドローンはドックからシップへリサイクルしたものを運搬するのですが、川が繋がっている限り結構な長距離も移動できたり。

その傍ら、「動物観測所」を設置して音波探知によって動物を探します。マップごとに出現する動物は異なり、また前述の通り、各動物が生息する環境も異なります。「?」アイコンは動物を発見するとアンロックされるので、説明文をヒントにマップ上をクリックして根気よく探しましょう。

ところで、ふとマップ全体を見渡すと、川や水場の周辺は良いとして、森林地帯や草原エリアなどは、ドローンが奥まで入り込めないためリサイクルサイロを設置しても回収が難しいことが判明します。

そう、ここで「撤収パート」がそれまでの回復パートと違ったアプローチになると気がつくのです。少なくとも、手当たり次第に装置を置いて環境回復のゴリ押しをしてきた筆者は、手の届かない範囲にあるサイロを眺めて「詰んだか……?」となりました。

しかしここで「掘削機」の存在を思い出し、川がなければ作ればいいじゃないの精神で環境破壊しながら本流につなげます。

そうするとご覧の通り、かゆいところに手が届く。未回収の装置は赤い矢印でハイライトされるので、マップ上で見つけやすいのがありがたいですね。

こちらの森の奥地もドカンと一発。

環境が回復し、装置類もリサイクル、そして動物が戻り全目標達成すると、画面左上のゲージが切り替わります。これをクリックしてマップクリア。荒れ地の再生完了という表示とともにエアシップが飛び去ります。

その後は、次のマップに進みたい場合は「続行」を、回復した土地を眺めたいのであれば「鑑賞」を選択できます。

マップは結構な倍率でズームでき、そうやって見渡すと動植物のグラフィックが作り込まれていることがわかりますね。なんにせよ、こうして蘇った大地を見られるのは良いものです。

おわりに

島を復活させよう!
火山地帯は溶岩がキーになります

ひとつのマップだけでも結構な情報量でしたね。今回のレポでは他のマップまで紹介しきれませんでしたが、新技術とさらにバリエーション豊かな環境の再生ができるので、楽しみはまだまだ続きます。ちなみにそんなマップの再生進行状況パーセンテージは、アンロックした動物、気候特性などが増えるほどに上昇していき……

最終的には地球規模での進行状況につながっていきます。規模がすごい。

都市開発ゲームといえば、資金や電気量に注意しつつインフラを整えては自然災害と財政破綻に見舞われたりと、とにかく「数字に追われながら行う管理ゲーム」という印象があるかもしれません。本作も一応は数字を気にするものではあるのですが、ガチガチに徹底管理というわけではなく、ある程度の緩さがあり、個人的にはだいぶ遊びやすく感じました。

スパくんのひとこと

環境回復では装置をどんどん広げて、撤収ではそれらをどんどん畳んでいくという、頭の切り替えが面白い新鮮なプレイ体験だったスパ!

筆者『私もお部屋掃除とか得意で綺麗好きなんですよ』

うるせえスパ

  • タイトル:『Terra Nil』

  • 対応機種:Windows PC(Steam/ Epic Gamesストア/ GOG.com)/ Android/ iOS

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC

  • 発売日:2023年3月29日(日本時間)

  • 著者プレイ時間:4時間

  • サブスク配信有無:Android/ iOSでプレイの際はNetflixメンバーシップ加入が必要

  • 価格:2,800円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの


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《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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