幻想郷で頻発する不思議の異変を解決せよ!国産ローグライクの存続を陰で支えた東方二次創作伝統的ローグライク『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』【げむすぱローグライク/ローグライト部】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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幻想郷で頻発する不思議の異変を解決せよ!国産ローグライクの存続を陰で支えた東方二次創作伝統的ローグライク『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』【げむすぱローグライク/ローグライト部】

珠玉のローグライク/ローグライトを紹介する特集。第20回は東方二次創作伝統的ローグライク『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』をご紹介します。

連載・特集 特集
幻想郷で頻発する不思議の異変を解決せよ!国産ローグライクの存続を陰で支えた東方二次創作伝統的ローグライク『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』【げむすぱローグライク/ローグライト部】
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自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今週の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第20回では、AQUASTYLEが開発・販売を手がける東方二次創作伝統的ローグライク『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』(以降、『ふし幻TODR』)をご紹介します。


『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』とは

『不思議の幻想郷』シリーズは同人サークルAQUASTYLEが2010年代から継続している、『東方Project』二次創作の伝統的ローグライクのシリーズ作品です。その中でも『ふし幻TODR』は『不思議の幻想郷』第3作をベースに、無数のダンジョンの拡張を行い、現在でもシリーズ最高のボリュームと屈指のゲームバランスを誇るシリーズ随一の作品です。

本作は東方二次創作のお約束通り、『東方Project』主人公の博麗霊夢が様々な異変解決を目指すことが主な目的です。幻想郷の各地にキャラクターのクローンが溢れ、地形の構造が毎回変化する無数の不思議なダンジョンを、霊夢をはじめとしたさまざまな『東方Project』のキャラクターを選んで挑んでいきましょう。

基本は『不思議のダンジョン』を踏襲。でも遊びやすくする要素多し

さて、本作は『不思議の幻想郷』というタイトル通り、スパイク・チュンソフトからリリースされている『不思議のダンジョン』シリーズから強い影響を受けています。ゲームパッドを用いた際の操作性はほぼ『不思議のダンジョン』シリーズそのままですし、アイテムの種別こそ違えど、ほぼ同じ効果のアイテムも多いです。「薬草」ならぬ「緑茶」、「場所替えの杖」ならぬ「場所替えの札」、「保存の壷」ならぬ「保存のスキマ」……『不思議のダンジョン』シリーズの経験者なら、ほぼ違和感なく本作に入っていくことができるでしょう。

しかしながら、本作独自のシステムも数多く存在します。その1つが「弾幕」で、道中に数多く配置される「Pアイテム」(東方ではお馴染みのパワーアップアイテム)を消費することで、キャラクターごとに個性的な弾幕攻撃を行うことができるのです。

主人公の霊夢であれば、正面に遠距離攻撃を放つ「陰陽弾」、3方向に遠距離攻撃を放つ「妖怪バスター」、そして正面に射程無限貫通攻撃を放つ「封魔針」などの扱いやすい弾幕を放てます。

モンスターに囲まれてしまったときには周辺8マスを一度に攻撃する「二重結界」が有効です。但し、強力な弾幕ほどPアイテムの消費量が多いので、Pアイテムの残量には注意する必要があります。幸いPアイテムは道中でかなりの量が拾え、かつ敵がドロップすることも多いので、基本的な遠距離攻撃である「陰陽弾」は『不思議のダンジョン』でいうところの「木の矢」的な感覚でガンガン放っていってもいいでしょう。

さらに本作の特徴的な要素の1つが、メインダンジョン中盤で解禁される「にとフュージョン」です。これは道中に落ちていたり敵がドロップしたりする「にとりポイント」を集めることで、アイテムの合成・生成・識別などが可能になるという機能です。

本作では武器や防具の合成はもちろんのこと、アクセサリーも合成できます。合成した装備品には「印」が移植され、より強力な装備となります。この印の合成システムのみならば『不思議のダンジョン』シリーズにも健在ですが、本作の「にとフュージョン」の特徴は「合成の壷」といったアイテムを使うことなく、ポイントさえあればいつでもどこでも場所を選ばずに即合成が可能なことです。このシステムにより、ポイントさえ溜まれば気兼ねなく合成を試すことができ、より強力な装備を作りやすくなっています。

さらに「にとフュージョン」では装備+消費アイテムといった、いわゆる「異種合成」も可能です。『不思議のダンジョン』シリーズでは「マゼルン」などのモンスターを利用して行うリスクの必要があった異種合成ですが、こちらの異種合成のリスクはかなり少なくなっています。

本作ではメインダンジョンの最初から「パートナー」を連れてダンジョンに挑むことができるのも特徴です。序盤からパートナーに選べる「物部布都」は霊夢同様、アイテム装備も可能で、しかもアホの子っぷりを全開で見せているシナリオ面とは裏腹に、攻撃力も防御力もバランスよく、しかもときには強力なスペルカードで霊夢を援護するという頼れる存在です。彼女をパートナーにせずともメインダンジョンに潜ることはできますが、ローグライク初心者なら彼女をパートナーにするとメインダンジョンの冒険が楽になるでしょう。

また、本作においては自分が操作するキャラクターは「武器の二刀流」が可能です。防御力は犠牲になりますが、攻撃力が大きく増すため敵を殲滅しやすくなります。また、キャラクターレベルのみならず武具にもレベルがあり、敵を倒して経験値を稼ぐことで武具もレベルアップ・パワーアップします(この辺の武具強化は『風来のシレン5』にも近いものがありました)。

「白楼剣」「楼観剣」といった、東方原作で妖夢が使っていた「二刀流で使え!」と言わんばかりの武器も登場します。「武具の共鳴」要素も『不思議のダンジョン』シリーズから受け継がれており、こうした武器の二刀流や、似たような素材の武器と防具を装備すると共鳴してパワーアップすることがあります。

さて、本作で登場する一般の敵は「東方キャラクターのクローン」という設定で、それぞれに個性的な能力を持っています。例えば原作・紅魔郷の3面ボスだった美鈴は、痛恨を繰り出してくる上に体術でこちらの弾幕を避ける……という厄介な能力を持っています。また、敵には「(キャラ名)ちゃん」→「(キャラ名)」→「(キャラ名)さん」→「(キャラ名)さま」→「でかい(キャラ名)」といったネーミングでレベルが設定されており、高レベルの敵ほどHPや攻撃力が強力に、そして能力も厄介になる傾向があります。

東方原作からある程度能力が想像がつく敵もいれば、原作のイメージからは意外な能力を持つ敵もいるので、こればかりはプレイを繰り返して敵の能力を覚えていくしかありません。「東方ミリしら」な方はもっとイメージが湧かないかと思いますが、そこは「まったく新しいローグライクRPG」に挑む感じで頑張りましょう。

でもなぜ(筆者推しの東方キャラである)パチュリーが本作では常時匍匐前進+爆弾岩的なキャラクターなのか。それは誰にもわからぬ……。

敵の中にも、カットインエフェクト有りで特技を発動してくるものもいます。たとえばキャーイクサーン。

それはともかく、国産ローグライクにおける本作の立ち位置について語ってみましょう。国産ローグライクの雄と言えば『不思議のダンジョン 風来のシレン』シリーズですが、同作は2010年の『5』、2015年の『5Plus』を区切りに、長らく展開が止まっていました。

その間、同人で『不思議のダンジョン』ライク作品として地位を固めていたのが、この『不思議の幻想郷』シリーズです。初期作はゲームのボリュームも少なかったものの、次第に『不思議の幻想郷』はそのボリュームの増大と独自の方向性を見出していき、2017年配信開始の『ふし幻TODR』で一つの到達点に達しました。

その後、『風来のシレン』は2020年のSteam版で復活の狼煙が上がり、2024年に完全新作の『6』をリリースしてシリーズ復活を遂げるわけですが、筆者としては『不思議の幻想郷』と『風来のシレン』の間に因果関係がある……と主張するわけではありません。

とは言え、『風来のシレン』の空白期間の間、熱意を持て余していたローグライク愛好家がそのスキマを埋める形で進化してきたのが『ふし幻TODR』だ……とは言えると思います。『ふし幻TODR』はそれだけの熱意が詰まった、完成度の高い伝統的ローグライク作品であることは確かです。

今回連載で取り上げるにあたり、本作を改めて遊んでみましたが、本作の伝統的ローグライクとしての遊びやすさは発売から8年を経ても色褪せないものがあります。今から遊んでみても遅くない、傑作ローグライクだと筆者は思います。


『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』は、PC(Steam)/PS5・PS4/ニンテンドースイッチでそれぞれ配信中です。


不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録 -Switch
¥5,482
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ずんこ。,編集:宮崎 紘輔

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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