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発売初日だけで360万本、初週で600万本を売り上げ、リリースから5億ドル(約516億円)以上もの売り上げを叩き出しているGrand Theft Auto IV。約1億ドルと言われる開発費も十分過ぎるほどに回収して、パブリッシャーのTake-Twoも狂喜しているはず。多くのユーザーもパブリッシャーもハッピーな状況の中、あまりハッピーでない人たちがいます。その一人が、主人公のNiko Bellicのボイスアクトを務めたMichael Hollick(マイケル・ホリック)。彼はニューヨークタイムズのインタビューの中で、今のショービジネスが抱える問題に触れ、GTA IVの成功に見合った利益を得られていない現状を語っています。
多くの仕事をこなす中でNiko Bellicは、何十万ドルものお金を手にしますが、(中の人である)マイケル・ホリック氏が15ヶ月間ものボイスアクトとモーションキャプチャーの仕事によってRockstarより支払われたのは、トータルで10万ドル。ロイヤリティーや成功報酬は契約に含まれていません。問題なのは、現時点で5億ドルともいわれるGTA IVがどれだけ成功を収めてもマイケル・ホリック氏にはいっさいの見返りがないということ。どれだけ多くの人がNikoとして仕事をしても、マイケル・ホリック氏にはなんの報酬も支払われません。これにはスクリーンアクターギルドと呼ばれる俳優組合の契約に、ビデオゲームを含む電子メディアに関するものが用意されていないことが原因のようです。
“それほど知名度があったわけでもない私が、このゲームで仕事をする機会を得られてRockStarに非常に感謝しています。しかし、Grand Theft Auto IVが巨大な成功を手にしているのを見ている今、非常に厳しいものがあると感じています。彼らは数億ドルもの収益を手にしていながら、我々はその一切を目にすることができないのです。”
“私はRockstarを非難しません。私が非難するのは、本来ゲームの売り上げを高めるクリエイターたちを保護する場所である組合に、我々を保護する合意がなかったということです。もちろんテクノロジーは重要です。しかしそれ以上に人々に訴えるのは人間によるパフォーマンスです。私はアクターがテクノロジーの中で仕事をする際により一層のリスペクトを得られることを望んでいます。”
こうした不利益はマイケル・ホリック氏だけでなくほかのアクターにも及んでいます。電子メディアと俳優組合の協定の間における不備。これは少し前にハリウッドを悩ませたライターのストライキと同じ原因とのことです。この協定が改善されたとしても、マイケル・ホリック氏に時間を溯って報酬が支払われることはありません。しかし今回こうして大きな話題となったことで、ゲームを含む電子メディアとそれに携わるアクターたちとの契約に何らかの影響があると見られています。
[size=x-small](ソース: [url=http://www.1up.com/do/newsStory?cId=3167910]1UP: GTA4 Voice Actors Complain of Union Follies[/url]) [/size]
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