
現行機を“次世代機”と呼ばなくなってからしばらくが経ち、各所から聞こえてくるのが新たな次世代機の噂。遊び手となる私たちもいろんな期待をふくらませていますが、では作り手となる開発者たちは次世代機に何を望んでいるのか? 海外サイトEurogamerが様々な開発者からのコメントを掲載しています。ここでは抜粋してご紹介。様々な意見がありますが、各デベロッパーのスタイルと照らし合わせてみると、さらに興味深く感じるかもしれません。
*コンソールゲームをつくるときの一番の困難は、非常にメモリに制限があるということです。とりわけPCゲームをつくるときと比べると。メモリが二倍になればハッピーだし、私の人生をもっと安らかなものにしてくれるでしょう。ゲームの開発はもっと簡単になり、今ゲームをつくっている人たちが抱える多くの問題も解決してくれるはずです。
―Dungeon Siege III lead designer Nathaniel Chapman, Obsidian
*ボタン、それとゲームパッド。どうかマイ・ファ○○ング・ゲームパッドを返してほしい。
襲来しそして去っていったWiiが残したもの、それがモーションセンシングです。Wiiで任天堂がつくったリアリー・グッドなゲームはWii Sportsだけ。次のゼルダが良いものになると仮定します。それはWiiリモコンを本当に使いこなせている2番目のゲームとなるかもしれません。
ソニーは次に何をするか? だれでもPlayStation 4を予想します。結局、任天堂だけが素晴らしい周辺機器のためのアイデアを出せるオンリーワンの存在なら、他の誰かがやることは疑わしく思います。同じことはKinectにもいえます。今から10年後、私が友人に「Kinect超面白い!」と言えるほど魅力的になることは、どうやら起こりそうにありません。
重要なのはゲームプレイで、良いゲームデザインです。我々が壁にぶちあたったとき、未知の領域を見つけるためにあらゆるクレイジーな周辺機器を必要とするか? ノー。座ったままで新たなジャンルを見つけるさ。我々は周辺機器を必要としていません。周辺機器は、Rock Bandやらなんやらをプレイするときに買う程度のポジションにとどまるべき。クレイジーな実験的周辺機器のためのゲームデザインを要求しないでほしいのです。
―Super Meat Boy developer Edmund McMillen , Team Meat
*マーカス・フェニックスの大元となるアートを見れば、そこにあらゆるディテール、あらゆる傷跡を刻んだ500万ポリゴンのバージョンがあるのが分かります。我々はそれを1万ポリゴンのモデルに落とし込んでいるのです。ハードウェアが時代を経るごとに、ソース・オブジェクトを有効活用できつつあります。同じ制限に束縛されないという点で、アーティストにとって素晴らしいことです。乗り越えるべきチャレンジや考案すべきワークフローは常にありますが、ハードウェアのあらゆる前進は、アーティストにより多くの自由を与えてくれるのです。
―Epic Games senior technical artist and level designer Alan Willard

*多くの開発者にとって明らかな「(期待ではなく)願望」のひとつは、より多くのRAMです。我々は3Dではなく2D HDヴィジュアルのゲームをつくっていますが、そのテクスチャーシートは、大量のビデオRAMを使います。奇妙に聞こえるかもしれませんが、我々がXbox 360やPS3で今までに出したあらゆるゲームは、それぞれの最大RAMに適応するために大幅に削られなければなりませんでした。より多くのRAMはより多くのテクスチャーを意味し、そしてそれは、我々がつくりたい2D HDで、もっとクレイジーになれるということを意味します。
デジタル配信に関わる開発者としては、コンソール・ゲーマー向けデジタル・ショッピングの改善を期待します。SteamやAppStoreは、上手く設計されたストアが売り上げに貢献することを証明しました。コンソールメーカーはそこから得たあらゆる教訓を活かさなくてはなりません。XBLAやPSNの販売数字は大きいですが、その数字はコンソールを所有する一部の人々によるもの。コアなゲーム体験と簡単に探せるストアを融合させ、その素晴らしいサービスをユーザーにアピールすること。コンソールメーカーはこれに多くの時間(とお金)を費やさなくてはなりません。
我々はまた、コンソールメーカーがゲームのパッチ適用プロセスを合理化するのを見たくもあります。開発者がプレイヤーに対し、もっと速くもっと直観的に反応すること。今でもパッチやアップデートのプロセスが特に悪いというわけではありません。しかし、より多くの権限が開発者に与えられていれば、自ずとゲーマー体験ももっと良いものになるでしょう。
―Might & Magic: Clash of Heroes , Sword & Sworcery developer Nathan Vella , CEO of Capybara Games
*いずれかの時点で物理メディアが完全に廃止されることを私は期待しています。私にとっては、それが新しい世代を歓迎するときです。また5年からそこらで、あらゆるメディアが会費ベースになる未来を想像します。私はSpotify Premiumユーザーですが、1年前にはそうなることを想像できませんでした。他のコンテンツも同じ方法となりそうです。映画はそうなりつつある感じで、TVはすでに一般的、次はゲームということになるでしょう。
―Joonas Laakso , Producer at Bugbear on Ridge Racer Unbounded

*そこ(次世代機)には古いセガMODEL2アーケード基盤のような、使いやすい開発ツールがあります。技術について心配すること無く、手早くゲームを構築することができます。もはや終始レンダリングや物理演算に追われるなんてありえません。もう一度そんなことになるとは考えられないし、そうならないと確信しています。それは信じられないほど遅く、信じられないほど高価で、信じられないほど時間がかかります。それはわずかに丸みの増した車輪で車輪を再発明するようなものなのです。(ソース: Eurogamer: What Devs Want from the Next Gen, イメージ:flicker ; XB720/PS3, PlayStation 4, Xbox 720, )
―Martin Edmonson , Reflections co-founder , currently working on Driver : San Francisco
*正直に言うと、私は「アンチ次世代機」が欲しいです。私個人としても、開発者の仕事としても最悪なのが、自分のゲームをプレイするのに300ポンドもの電気器具が必要だということ。それは大きな障害です。私は4億人もの人々に向けてゲームをつくろうとしていますが、次世代機に300〜400ポンドを費やせる人たちばかりではありません。私が望む最高の可能性はこうです。「これが次世代のゲーム機、価格は50ポンド。HuluやShowtimeなんかがストリームで見られるので、人々はうっかり買ってくれたりします」。私はポリゴンが増えることにはまったく興味がないのです。
―David Amor , executive director Relentless Software
*私はエンターテイメントのためのポータルが欲しいです。正直なところ、私は素晴らしいゲームをつくりたいだけで、箱の中身がどんなものであろうとそんなに困りません。いいゲームをつくってそれを多くの人に遊んでほしいだけです。
―Dave Ranyard , SingStar game director , Sony Computer Entertainment Europe
*私はどんな特定の望みもありません。実際、既存のテクノロジーに適応することこそ私の哲学です。なぜなら、そこにはオリジナルの何かを創りだすための余地がつねに残されているからです。開発者がプログラムしやすくて、プレイヤーが使いやすいものである限りは!
―From Dust creator Eric Chahi
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