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大手eSports団体Electronic Sports League(ESL)の象徴的な大会として知られるIntel Extreme Masters。先週末、同イベントでは初の開催地となるシンガポールにて、シーズン7のグローバルチャレンジトーナメントが実施。スポンサーを務めるBenQと共に、その体験ツアーに参加することができたので、現地の模様やイベントに携わる関係者を取材してきました。
これまでトーナメント会場の模様、スポンサー、オーガナイザーそれぞれの観点でお伝えしてきましたが、最後に、今回のIEMシンガポール大会『StarCraft II』部門で準優勝を果たした人気プレイヤーGrubby(グラビー)選手の試合前インタビューをお送りします。最新拡張パック『Heart of Swarm』についてのコメント、日本のゲーマーに向けてのメッセージもあるのでぜひご覧ください。
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Grubby: 私の名前はマニュアル、“Grubby”としても知られています。出身地はオランダで、26歳。eスポーツのプロゲーマーとして9年間活動しています。
―今回のIEMシンガポール大会はGrubbyさんにとってどのような位置付けの大会になるでしょうか。
Grubby: 重要な大会の一つですね、何より優勝できる可能性があります。というのも、IEMのイベント自体もシンガポールという国も好きなので、気分的にも落ち着けるからです。
―大会に向けてのコンディションはいかがでしょう?
Grubby: ここに来るすぐ前に2大会出場したばかりで、移動などで体力的には少し疲れいて、コンディションはベストではありません。しかし、メンタル面はかなり良い状態なので、それだけでゲームはうまくやれそうな気がします。
BenQの製品展示会でTerranを使って肩慣らしするGrubby。
―対戦相手の研究をされているということでしたが、どれほど深く研究しているのでしょう?
Grubby: 先日の上海BWCだけでなく、すべての大会前には、まず自分がどんな戦略を使うかリストアップします。そして各対戦相手ごとに、さらなる戦略を追加したり除外したりしていきます。例えばこのプレイヤータイプにはこの戦略が有効、この戦略が苦手、といった具合に練習を積み重ねていくのです。
―プレイヤーの国籍による特徴も何か意識されているのでしょうか?
Grubby: もちろんです。アメリカ人はかなりアグレッシブです。反対にヨーロッパのプレイヤーはディフェンシブで、韓国プレイヤーは、…アグレッシブかつほぼパーフェクトですね(笑)。あとはアメリカのプレイヤーは経済的、効率的なプレイをしますね。ロシア人のプレイはとても異質で、何もかもが変わっています。
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―Grubbyさんは『Warcraft III』時代の有名なオーク(Orc)使いで、今でもそのOrcのイメージが定着していて、『StarCraft II』で使用されているProtos種族は、あくまで個人的な印象ですが、似合わないという感じがしてしまうのですが……。
Grubby: それは理解できますよ、私も未だに自分がOrcだと思う時があります。なぜなら本当に長い間Orcをプレイしてきたので、あなたが考えるのと同じように、とても強いつながりがあるのです。初恋みたいなものです(笑)。
―では、もし将来『Warcraft 4』が発売されたら、やっぱりOrcを使うのでしょうか。
Grubby: それは質問するまでもありません。必ずそうするでしょう。
―Grubbyというニックネーム、プレイヤーネームの由来を教えてください。
Grubby: 10歳にもならない幼少時代から“Grubtor”という名前を使っていました。当時からネットがあるのは知っていて、よく同じようなハンドルネームが使われているのを見たので、他の誰ともの絶対に同じにならないような特別な名前を選びました。そして初代『StarCraft』をプレイしていた頃に、省略されて“Grubby”と呼ばれるようになっていました。
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―来年3月に『StarCraft II』の拡張パック『Heart of Swarm』の発売が決まりました。それについて期待していることや考えを教えてください。
Grubby: 拡張パックは新たな始まり(New Start)だと感じますね。現在の『Wings of Liberty』はシステムも戦術的にも研究され尽くしているので、『Heart of Swarm』によりゲームはさらに興味深くなって、新たな戦術が発見され、革新していくことを期待しています。
―現状日本では『StarCraft II』がローカライズされておらず、言語の壁もあってか、なかなかプレイヤーも増えていないのですが、何かあなたからゲームをアピールするメッセージをお願いします。
Grubby: 『StarCraft II』は簡単に覚えられます。そして大きな深みがあります。日本にはチャンピオンとなるようなプレイヤーが必要です。なぜなら他の全ての国には有名プレイヤーがいますからね。とにかく楽しいゲームで、ベストなRTS作品ですよ。
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※誤字を訂正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます!
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