スクエニは10月の時点でHDタイトル含むデジタルエンターテイメント事業にて138億円の営業利益を予測していたものの、今回の説明会における業績予想は大きく落ち込んで10億円に。この128億円の予想差異のうち、80億円以上がHDゲームで出ていると和田社長は口上で伝えています。
スクエニの発表によれば、2013年3月期の販売本数見込みはダウンロード版を除き『Sleeping Dogs』が175万本程度、『Hitman: Absolution』が360万本程度、『Tomb Raider』が340万本程度。
これに対しジャンルやメタスコアの点数などを踏まえた結果、『Sleeping Dogs』は200〜250万本程度、『Hitman』は450〜500万本程度、『Tomb Raider』は500〜600万本程度のセールスが妥当であると和田社長はコメント。これらのタイトルの予算はこの数値の8割から9割りで立てたものの、更にそれを下回るセールス記録となってしまった事も明らかにされています。
また和田社長は「欧米を中心としたグローバル展開については、高品質のゲーム制作という観点では、ある程度の結果を出しておりますが、収益モデルが旧態依然としたままであり、それに加えて販売力が想像以上に弱く、販売本数が足りなかったという点がございます」とも説明しており、特別損失として製作中のコンテンツの中止と廃棄を行い、収益が上がらないものを一掃していく方針も示しました。
実際には欧州のスタジオで数億円分の廃棄損、欧米で15億円の評価損。国内ではそれぞれ20億円分の廃棄損と評価損。これに米国のスマートフォン向け組織が閉鎖され10億円、また組織再編に関連する損失を加えて、特別損失は合計で約100億円となっています。
和田社長は「今回、環境変化に対応する様々な手は打ってきましたが、2011年度以降、良い業績が出せておりません。やるべきことはやってきたつもりですが、私の力が及ばず、このような結果になっていると思います。アミューズメント事業でマイナスが出て、欧米のコンソールゲームでマイナスが出て、ソーシャルゲーム等は良かったものの、MMOも期待したほど寄与していないという状況です」とコメント。「これまで蒔いてきた種が、偶然か必然か、全部マイナスでシンクロしてしまったため、当期は大きな赤字になっております」と業績不振の説明について締めくくっています。
(ソース: Square Enix Holdings)
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