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90年代に登場したWindows版、あるいは初代プレイステーション版(日本でも発売)から『X-COM』シリーズのファンだった私は、昨年初頭、PCとコンソール向けに新作が発売されるという発表を聞き、心のなかで歓喜したものです。それも、開発を手がけるのは同じストラテジージャンルの『Civilization』シリーズで名高い米国のスタジオFiraxis Games。
『XCOM: Enemy Unknown』は、延期することなく2012年10月に無事リリースされ、PC/Xbox 360/PS3向けのSci-Fiターンベースストラテジーという大変めずらしい作品でありながら、海外の批評家から絶賛され、Metacritic.comでは90点前後のスコアを記録。忘れ去られていた伝説のフランチャイズが見事現代に返り咲きました。日本ではパッケージ販売されていないものの、SteamやAmazonのダンロードPC版はテキストの完全日本語化が実現。
そんな『XCOM』が、いよいよモバイルデバイスでもプレイ可能になります。今年のPAX Eastで正式発表され、間もなくリリースを迎えるiOS版『XCOM: Enemy Unknown』を一足早くプレイしました。
『XCOM: Enemy Unknown』のゲーム内容をおさらい
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さて、iOS版の話をする前に、『XCOM: Enemy Unknown』のゲーム内容をざっとおさらい。世界各国のエリート兵士と研究者が集結した組織“XCOM”が、エイリアンの地球侵略を阻止するというプロット。基本的なゲームの流れは、まず地球上のどこかに現れるUFOを戦闘機で撃墜、XCOM隊員をUFO墜落現場に送り込み、生き残ったエイリアンとターンベースのバトルを展開。他にも人質救出や爆弾解除など様々なミッションが用意されています。
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ターンベース戦闘パートの他に、元祖『X-COM』から受け継がれる重大要素として、XCOM本部の運用パートがあります。ここでは、戦闘で回収(または捕獲)したエイリアンの死体や武器を研究して新たな兵器を開発したり、施設を建設して基地を拡大したり、参加国のパニックレベルをコントロールするといった経営シム的な要素、あるいは戦闘で育てたXCOM隊員の編成といったRPG的システムも備わっています。
ゲーム内容はオリジナルとほぼ同じ、驚きの移植再現度
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まず、原則としてiOS版『XCOM: Enemy Unknown』は、よくあるライト版アプリやスピンオフではなく、オリジナルのPC/PS3/Xbox 360版とほぼ同じ内容に仕上がっています。先日お届けした開発者インタビューでも説明のあったように、マップ数やグラフィック面でいくらかの調整が施されているものの、コンソールクオリティーのタイトルを携帯デバイスでそのままプレイできてしまうのは驚き。時間に追われずにプレイできるターンベースストラテジーというジャンルやタッチコントロールとの相性もばっちりです。
気になるタッチ操作については、改良されたインターフェースにより、直感的に行うことができ、とりわけ戦闘パートでのカメラのズームイン・アウト(2本指でピンチイン、アウト)、回転(2本指でひねる)、隊員やコマンドの切り替え(スワイプ)といった操作が便利です。
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しかし、戦闘パートはフレームレートが低下する場面も見受けられ、レスポンスがやや重たくなったり、2回ほどゲームのクラッシュを経験(iPad使用時)。製品版や今後のアップデートで改善が求められる点です。なお、クラッシュした場合でも、オプションで「オートセーブを有効化」しておけば、直前から再開できます。グラフィックスに関しては、オリジナルのPC版でも、ハイエンドなビジュアルをウリにするような作品ではなかったので、特に差は気にならず。
iOS版『XCOM: Enemy Unknown』は、6月20日に発売予定。日本のiTunesでの価格は1,700円(税込)なります。
※本レビューにはiPadバージョンを使用しました。
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