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角川ゲームスが8月1日に発売を予定しているPS3/Xbox 360ソフト『KILLER IS DEAD』をハードモードでAAA評価が得られるほどプレイしたので、レビューをお届けします。
『KILLER IS DEAD』は、『LOLLIPOP CHAINSAW』に続く角川ゲームスとグラスホッパー・マニファクチュアの共同プロジェクト第2弾です。エグゼクティブディレクターである須田剛一氏が過去に手掛けた「殺し屋シリーズ」のDNAを継ぐ本作は、エグゼクティブプロデューサーの安田善巳、ディレクターの新英幸氏、ミュージックディレクターの山岡晃氏、シネマティックディレクターの山口雄大氏などの手によって「殺し屋ゲームの最高峰」を目標に制作されました。
■ゲームの進行とミッションの種類
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本作は、『killer7』や『NO MORE HEROES』とは異なり、ミッション画面でミッションを選択して進行。ミッションは「Episode」「サブミッション」「ジゴロミッション」「スカーレットチャレンジ」の4つに分類できます。「Episode」は、一話完結となっており、基本的には依頼人から処刑の依頼が来てそれをモンドが実行。その過程にプロローグ・ザコ戦・ボスバトル・エピローグがあり、これが1セットになっています。そしてEpisodeをクリアすることにより、クリアした「Episode」に因んだ「サブミッション」、新しい武器や特別なアイテムが貰える「ジゴロミッション」が解放。「スカーレットチャレンジ」は、クリアに条件指定があるチャレンジミッションで、各「Episode」のどこかにいるスカーレットを見つけることにより解放されていきます。そして、これらすべてのミッションにランク付けによる評価機能があり、それをプレイヤー間で競うランキングシステムを搭載しています。
■マニュアル操作なアクション
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主人公であるモンドは、敵の血を吸収する妖刀「GEKKOU」と敵の血を媒体に駆動する「マッセルバック」を攻撃手段として使用し、そこに回避とガードが加わったアクションを行います。基本はスラッシュ(刀による攻撃:□ボタン)を多用することになりますが、コンボのバリエーションは豊富とはいえません。でずかコンボが一定数を超えるとスラッシュの速度やモーションが変化し、より強力なスラッシュを繰り出せるようになるため、如何に攻撃を喰らわずに連続で攻撃するかがカギとなり飽きさせません。
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ポイントとして、スラッシュには敵のガードを崩す能力がなく、ガードの堅い敵には「マッセルバック」によるガードブレイク(マッセルバックによるパンチ:△ボタン)を繰り出すことでガードを正面突破する必要があります。このガードブレイクは、コンボ数に数えられるため、単にガードを崩すだけでなくコンボをリズミカルに重ねるためにも重宝します。また本作では、全方位ガードではなく正面ガードなため、敵の背後に回り込める「ドッジ(避け:方向+○ボタン)」を使うことで敵のガードを掻い潜った連続攻撃が可能となります。本作のドッジは、数あるアクションゲームの中でも特に高性能な回避アクションで、敵の攻撃を見てタイミングよくドッジで攻撃を避けると、敵を高速で切りつける「ドッジバースト」が発動。瞬間的にコンボ数とダメージを稼ぐことが出来ます。この「ドッジバースト」をいかに繰り出すかが重要な要素であり、それは雑魚でもボスでも変わりません。また、ガードにも「ドッジバースト」と同じようにタイミングを見て攻撃をガードすることにより発動する「ジャストガード」というシステムがあります。ゲームを進めていくと、この「ジャストガード」後の派生アクションとして、敵を空中に打ち上げるスキルがあり、これがまた強い。空中に打ち上げてしまえば敵は無防備なのですから、切りたい放題なのです。この「ドッジバースト」と「ジャストガード」の使い分けが難しいように思われるかもしれませんが、プレイした感覚的には「ドッジバースト」のタイミングよりも遅かったり、逆に早かったりすると「ジャストガード」が発動する感覚で、サクサクと自然に必殺の一撃が決まっていきます。
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このように敵を切ることによって、妖刀「GEKKOU」は敵の血を吸収し、「ブラッドゲージ」が溜まっていきます。「ブラッドゲージ」は、「マッセルバック」の換装攻撃(L1ボタンで構え、R1ボタンで撃つ)に使用。敵を氷漬けにして動きを封じる「フリーズシューター」、マシンガンの様にショット(弾)を発射する「バレットショット(ヘッドショットの場合は一撃)」、ショットをチャージすることによって相手の体を「貫通」する強力な一撃を放つ「チャージキャノン」、敵の持つ堅い装甲やシールドを破壊する「ドリル」。といった具合に戦闘のシーンによって使い分けることにより、より戦闘を有利にすすめることができます。
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そして同じく「ブラッドゲージ」を消費して発動する「アドレナリンバースト(R1ボタン+◯ボタン)」というものがあります。「アドレナリンバースト」は、「ブラッドゲージ」を大量に消費する代わりに、敵を一撃で仕留める技です。しかも敵との間合いがある場合は高速で詰めることが出来るので、ミッションクリアの時間がぐんっと縮まります。ですが、一撃が故にコンボ数は溜まらず「ブラッドゲージ」も消費してしまうので、敵配置に応じて適切な発動タイミングで発動する必要があるようです。
■成長要素
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戦闘中にコンボをつなげていき、上昇するコンボレベルがMAXの状態で敵を攻撃すると「ファイナルジャッジメント」が発動します。「ファイナルジャッジメント」は、敵の殺し方を決められるシステムで、ボタンによって「執行」「虐殺」「処罰」「暗殺」の4つから選択が可能。「執行」の場合はウェポンのアップグレード/スキルの取得に使える「ムーンクリスタル」が、「虐殺」の場合は一定数を集めるとモンドのHPがあがる「ヘルスジェム」が、「処罰」の場合は体力が一定量回復する「ワイヤーシナプス」が、「暗殺」の場合は一定数を集めるとブラッドゲージが上がる「ブラッディローズ」が敵からドロップするようになります。このように、今の自分に「何が必要なのか」によってアイテムを選べるのがこの「ファイナルジャッジメント」なのです。なおスキルの取得は、新アクションやパッシブスキルのアンロック、既存攻撃の強化など、豊富な選択肢の中から選ぶことができます。
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■敵のバリエーションやボスの遊び
予想以上にいやらしい敵が出てくる本作。遠距離の敵もいれば、空中を飛んでる敵もいるし、堅い装甲で覆われている敵、動きの素早い敵など幅広いバリエーションがあるだけに、囲まれると厄介です。また、ボス戦は比較的人型が多く登場し、それぞれ個性的な攻撃を仕掛けてきます。中にはシチュエーションバトル(刻々とシチュエーションが変わる中での戦闘)も織り込まれており、いずれもプレイヤースキルで圧倒できるシステムで構築されているため、あとは腕次第だと言えるでしょう。
■独特のグラフィックとステージ
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見た瞬間に「おお!?」となる本作のグラフィック。黒と影をやり過ぎと言わんばかりに協調した独特のシェーダーは、見た瞬間に「殺し屋シリーズ」を思い浮かび上がらせると同時に、他の作品にないセンスを感じさせます。このハイコントラストなシェーダーは、キャラクターだけではなくステージにも利用されているわけですが、これはメリットでもありデメリットでもあります。メリットとしては、キャラクターとステージの一体感が生み出す画面が絵としても、動いてみても素晴らしいこと。ただデメリットもあって、その独特のグラフィック表現ゆえに、少し見づらいシーンができてしまうこと。この点は、好き嫌いが分かれそうです。
■まとめ
基本アクションはボタン3つ。このシンプル操作がゆえに、「何でもできる」アクション性は、使いこなせばボスすらも圧倒出来るほど。その分ゲーム全体の難易度は高く設定されており、ただ単にミッションをクリアするだけだと、評価はせいぜいB。最高ランクのAAAを狙うためには、かなりの努力を必要とします。その反復も、モンドの育成やクリア報酬によるアイテム購入、1話完結のミッション構造によって難なくこなすことが出来ました。そして須田氏のゲームと言えばストーリー。とにかく「謎」の一言に尽きる本作なのですが、あまりに謎すぎて広報の方に問い合わせたところ、「須田ゲーとはそういうものです。謎はプレイヤーが埋めるものなんですよ」と言われてしまい、まさにその通り。この謎を共有し、個々の解釈に早く触れたくてうずうずしておりますが、その日ももう間もなくです。
角川ゲームスとグラスホッパー・マニファクチュアが贈る愛と処刑のファンタジー『KILLER IS DEAD』は、8月1日に7,980円(税込)で発売予定です。
(C) GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. / Published by KADOKAWA GAMES