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現代を舞台としたオープンワールドのサードパーソンアクションということで、『GTA』シリーズを引き合いに出されることも多い、Ubisoftの新規IP『Watch Dogs』。gamescom 2013のクローズドエリアではじめて本作のハンズオンセッションを体験し、そのコアゲームプレイが全く異なる作りであることが実感できました。
セッションはPlayStation 4バージョンを使って行われ、主にゲーム中に用意された多彩なサブイベントにフォーカスして進められます。まず最初は、主人公エイデンが、町外れの倉庫内にあるサーバールームからデータを盗み出そうとするミッションに挑戦します。この付近は厳重に警備員が配置されており、単純なステルスプレイや正面突破で挑むのは困難。そこで、シカゴのCtOS(セントラル・オペレーティングシステム)を介した“ハッキング能力”を最大限に活用することになります。
■ ハッキングを大前提としたコアゲームプレイ
手始めは、施設内にある監視カメラをハッキングして、周囲の状況や実際には見れない地点を確認。その後も、シャッターやゲートを開閉して敵の注意をひきつけたり、リフトを動かしてカバーにしたりと、目につくあらゆる設備や機器を利用して有利な状況を作り出します。Xボタンのカバーリングや△ボタンのよじ登りを駆使した軽快な移動アクションは『Assassin's Creed』シリーズと通ずるところもあります。
無事サーバールームのデータを入手後、エイデンは車に乗ってシカゴの中心部へ移動。本作のドライビングパートは、『Driver』シリーズのUbisoft Reflectionsが共同開発しているそうで、車のモデリングや操作感は一般的なレースゲームと比較しても違和感がありません。プレゼンを行ったUbisoftの担当者いわく、ドライビング系のミッションだけでも約50種類が用意されているのだとか。
■ 意表をつくサイドミッションがエイデンを待ち受ける
エイデンは通行人をターゲットすることで、氏名、年齢、特徴などの情報や、所持するデバイスをハッキング可能かを知ることができ、通りすがりの見知らぬ人間から銀行の口座情報を盗みとり、近くにあったATMで大金を引き落とすという犯罪行為も(Reputation=評判を犠牲にするなら)お手のものです。
ふと通りかかったマンションのネットワークをハッキングしたら、部屋の一室でマネキンと同棲する怪しいフィギュアコレクターをタブレットのカメラ越しに目撃したり、ドラッグストア内で強盗に出くわして自分まで襲われてしまったり……。そうした意表をつくサブイベントや仕掛けが町の至るところに点在していて、マップは広くても“ゴーストタウン”のようになりがちなオープンワールドゲームの難点が解消されていると期待したいです。
■ マルチプレイのハッキング合戦、コンパニオンAppでも対戦できる
開発者プレゼンでは、『Watch Dogs』のマルチプレイ要素も目にすることができました。直接銃撃戦を行うようなありがちなものではなく、ハッキングを扱った本作ならではの対戦システム。プレイヤーは自分のゲーム内ではエイデンとして存在していながら、通行人のNPCとして他のプレイヤーのゲームに侵入し、データバッキングを試みることができます。ハッキングを受けた側のプレイヤーは、ミニマップ上の指定された範囲内から、通行人になりすました相手ハッカーを制限時間内に見つけ出せねばなりません。
さらに、ゲーム本編と同時に無料配信されるという、iOS/AndroidのコンパニオンApp『CtOS Mobile』とのマルチプレイチャレンジも体験。このアプリを使うことで、『Watch Dogs』のゲーム内にいるプレイヤーに対して、タブレットやスマートフォンのユーザーが自分で詳細にカスタマイズしたミニミッションで挑戦することができます。
ミッション自体は、「3分以内に目標地点へ向かえ」といったシンプルなもので、『CtOS Mobile』のユーザーはミニマップ型のインターフェースで操作を行い、ヘリやパトカーを送り込んだり、進路に障害物を設置するなどしてエイデンを妨害します。モバイル専用とはいえ、クロスプラットフォームかつリアルタイムでこうしたマルチプレイに対応しているのは、本作の世界観にもぴったりな非常に珍しい試みだと言えるでしょう。