これは両社が『Duke Nukem』シリーズの知的財産権および商標やコピーライトを無断で使用し、不当競争および契約違反に当たるとして、Geraboxがテキサス州北地区の地方裁判所に起こした訴訟。インターネット上で公開された訴状によれば、Interceptorらが企画していた新作プロジェクトはやはり『Duke Nukem: Mass Destruction』であった模様で、「実際の『Duke』のIPオーナーであるGearboxに尋ねることなく」この計画を進めようとしていたとも記されています。
訴状では2月25日に公開(リリース)予定とされていた『Duke Nukem: Mass Destruction』ですが、2月13日にもGearboxは3D RealmsのCEOであるScott Miller氏に対し『Duke Nukem』IPの使用停止を求める文章を提出。2月16日にもMiller氏とそのパートナーが書類にサインしたとされています。
Gearboxの代表者Steve Gibson氏は海外メディアPolygonに対し、不可解ながらも3D Realms側は違法であることを知りながら『Mass Destruction』のプロモーションを続けていたようだとコメント。一方でGibson氏は今回残念ながらも形式張った手段を取らざる得なかったとも伝えており、「結末がどうなるかはみんなが知っている」とも「こんなクソみたいなことは誰ももうやりたくない」ともし、裁判へ発展することを望んでいない姿勢を強調しています。
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3D Realmsは初代から『Duke Nukem』シリーズを開発してきたスタジオでしたが、1997年4月に発表したにも関わらず長期間にわたり完成に至らなかった『Duke Nukem Forever』に関しパブリッシャーのTake-Two Interactiveが2010年に同スタジオを訴訟。この裁判の結果、『Duke Nukem Forever』の開発権利とシリーズのIPはGearboxへ、旧作や映画の権利は3D Realmsへと分割されています。
なお3D Realmsは2013年1月にも『Duke Nukem Forever』の売り上げに関し200万ドル以上のロイヤリティが支払われていないとGearboxを訴訟していましたが、この訴えは後に取り下げられ、Scott Miller氏が攻撃的な訴訟であったと謝罪したという事件もありました。
Gearboxの訴状や声明を見る限りでは3D Realms側の不手際から発生したと見える今回の訴訟ですが、3D RealmsおよびInterceptorは現時点で公式声明を出しておらず、詳しい内情は不明なままとなっています。「またForeverか」と思わずボヤいてしまう今回の事案ですが、訴訟が裁判に発展せず無事終結を迎え、『Duke Nukem: Mass Destruction』が世に出ることを願うばかりです。