『MirrorMoon EP』は、『FOTONICA』で知られるイタリアのSanta Ragioneの一人称視点のアドベンチャーゲーム。2012年のグローバルゲームジャムで制作された作品をベースとして、2013年にリリース。IGFのNuovo Awardにノミネートされるなど、評価が高い作品です。
ローポリを駆使したフラットな絵作りと、ミステリアスなゲーム内容から今年のBitSummitでも一際異彩の放っている『MirrorMoon EP』。今回、Santa Ragioneのスタジオディレクター、Nicolo Tedeschi氏が訪れていたので、ショート・インタビューを行いました。
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――まず『MirrorMoon EP』を簡単に説明してもらえますか?
Tedeschi:
『MirrorMoon EP』は空間を探索するゲームだ。とても奇妙なゲームだね。というのは、探索そのものをテーマにしたゲームだからだ。プレイヤーには一切何も語られない。すべてがミステリーとなっている。プレイヤーの乗っている宇宙船も謎だし、訪れる惑星も謎だ。
それぞれの惑星にはパズルが用意されていて、プレイヤーはそれを解く必要がある。惑星にあるすべてのパズルは、場所や位置に基づいたパズルだ。プレイヤーはそれらのパズルから自分がどこにいるのか、惑星と月の間で何が起こっているのかを理解する必要がある。そして、惑星と月の関係がパズルを解くための鍵となっている。
――ありがとうございます。とても興味深いゲームですね。
Tedeschi:
本当に奇妙なゲームだと思う。ゲームメカニクスもとても実験的だ。
――視点がとっても変わっていますよね。広角レンズのためか、地平線が丸く見えます。そして、一人称視点であるにもかかわらず、マウスでカメラを動かせない。
Tedeschi:
そうだね。というのも、プレイヤーを迷わせることを意図しているからだ。そして、惑星にある仕掛けを利用して、自分がどこにいるのか理解させるようにできている。プレイヤーが自由にに周り見回すことができると、それらの仕掛けを利用せずに移動ができてしまう。
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――どういった作品から影響を受けたのでしょうか?
Tedeschi:
このゲームは古いイタリアのインディーゲーム『Noctis』に影響を受けている。またSFからの影響も強い。主にスタニスワフ・レムの『ソラリス』や『主の声』といった作品。もちろん、タルコフスキーの映画の方にも影響を受けてるし、ミュージシャンの友達たちにも影響を受けた。サウンドトラックは『ブレードランナー』みたいな持続音のアンビエント・ミュージックだ。ゲームの中では、水口哲也氏の作品にも影響を受けている。それから、90年代後半から00年代のローポリのグラフィックスにもね。
――確かにこの3Dでありながら、フラットなグラフィックスはとても現代的ですよね。ありがとうございました。