『Child of Light』連載型レビュー企画(2)
当分ご無沙汰なRPGを遊んでみました
Text by 土本学(インサイド編集長)
当分ご無沙汰なRPGを遊んでみました
Text by 土本学(インサイド編集長)
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RPG、久しぶりに遊びました。
社会人になって月日が流れ、子供も生まれ、家庭用ゲームにどっぷり浸かるのも難しくなっていくと、真っ先に遠ざかってしまうのがいわゆるRPGというジャンルではないでしょうか。綿密に構成された世界、主人公たちの成長を体験し、壮大な物語を紐解いていく。典型的なRPGはゲームへの没入と時間をプレイヤーに求めます。
『チャイルド オブ ライト』を手掛けるユービーアイソフトのモントリオールスタジオは世界でも指折りのAAAタイトルを手掛ける超一流スタジオです。筆者が『チャイルド オブ ライト』に惹かれたのは、そうしたスタジオには似つかわしくない、そして今どきのRPGとは一線を画しそうな作品であったからです。
ビジュアル表現は本作の核です。ファンタジー世界で、幻想的に描かれるビジュアルは、ユービーアイソフトが開発した独自のゲームエンジン「UbiArt Framework」によるものです。その特徴はビジュアル表現とレベルデザインの融合であり、「絵は綺麗になったけど遊びにくいよね」という有りがちな失敗とは無縁です。そして、是非ヘッドホンを使うべきサウンドは必聴。ビジュアルとサウンドの組み合わせが『チャイルド オブ ライト』の魅惑的な世界を作り、筆者を引き止めたと言ってもいいでしょう。
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RPGとしてのゲームプレイは「シンボルエンカウント」と「アクティブタイムバトル制」のバトルとの組み合わせ。バトルは時間が鍵に。相棒イグニキュラスのライトで敵の動きを遅らせたり、攻撃を繰り出す直前の敵を殴ることで攻撃をキャンセルしたり、時間を上手く使うことで戦っていきます。レベルアップ、スキルツリーなどRPG的な育成要素もありつつ、上手いゲームテクニックで勝っていくこともでき、手に汗握ります。美しい世界、それと対照的な熱いバトルがゲームを印象的なものにします。
当分RPGとは無縁だった筆者ですが『チャイルド オブ ライト』に出会い、先に進みたい、でも終わりに近づくのは寂しい、という体験が久しぶりに出来そうです。