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ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、9月1日に都内で、日本国内におけるプレイステーションプラットフォームの販売戦略発表会「SCEJA Press Conference 2014」を開催。昨年と同じく東京ゲームショウ前というタイミングで、ハードウェアの新製品と新サービス、そして年末から来年初頭にかけて発売される新作ソフトウェアラインナップを披露しました。
今回、発表会の進行役ならびにプレゼンターを務めたのは、先日電撃退任した河野弘氏の後を継いで、9月1日付けでSCEJAプレジデントに就任した盛田厚氏。このカンファレンスが、まさに就任後の初仕事という形。同氏は、過去8年間プレイステーションビジネスに従事していたとのことで、自信の伺えるプレゼンだったと言えます。
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まずハードウェア関連の発表では、今年2月市場に投入した新型PS4と、前世代機PS3を合わせた国内据置機販売台数シェアが、78%(2014年2月4週から8月3週の期間)に達したとの報告が。PS4の販売台数は欧米ほどの勢いはないものの、9月11日にPlayStation独占で国内発売される『Destiny』とPS4本体バンドルの登場でローンチ以来の盛り返しを狙います。また、携帯機PS Vitaにはライトユーザー層や女性をターゲットにした新色「ライトピンク/ホワイト」が発表されました。
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本カンファレンスの主役はなんといってもソフトウェア。PlayStation対応のファーストならびにサードパーティの44タイトルにおよぶ新作が順番に披露され、未発表タイトルも多数あったのが印象的です。なかでも注目は、みんゴル最新作『New Mingol Project』(PS4)、カプコンの『バイオハザード リベレーションズ2』、コーエーテクモ『ゴッドイーター2 レイジバースト』(PS4/PS Vita)、『魔界戦記ディスガイア5』(PS4)、『ペルソナ5』(PS4版が追加発表)など。
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『Bloodborne』や『The Order 1886』などのPS4専用タイトル、『Far Cry 4』や『The Witcher 3: Wild Hunt』といった海外産の新作トリプルAタイトルも続々と国内発売日が決まり、2014年秋から2015年2月にかけてリリーススケジュールが賑やかになってきました。
何より、バンダイナムコやコーエーテクモが複数の対応タイトル参入を発表したのは、国内市場におけるPS4ハードの命運をわける動きだったと言えます。鉄拳プロジェクト原田氏の手がけるProject Morpheus対応作『Summer Lesson』も、これまでのVRゲームにはなかった日本独自の試みで、TGSでの展示が注目を集めるはず。
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発表会のフィナーレを飾ったサプライズは、堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちの黄金トリオでおくる、スクウェア・エニックスのドラクエ新作タイトル『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』(PS4/PS3)。ただし、純粋なRPG作品ではなく、ω-force(無双シリーズ)が開発するアクションRPGジャンルの作品です。“メタルスライム エディション”のオリジナルPS4本体もお披露目されました。
ソニーの盛田プレジデントは、バックステージの階段からゆっくりとステージに降り立った堀井雄二氏に、「おかえりなさい」と一言。ジャンル違えどスピンオフだろうと、「ドラクエはドラクエ」といったところでしょうか。
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約2時間にせまる長丁場となった本カンファレンス。ハード世代をまたいだマルチプラットフォームタイトル(通称 縦マルチ)が依然として多い、という懸念点を除けば、国産タイトルを中心とした充実のラインナップが出揃い、サプライズも複数用意されていて、日本のゲーマーにとって大変有意義な発表内容だったと言えるでしょう。
SCEJA新プレジデント盛田氏は発表会ラストで、「今、日本のコンソール市場は欧米市場に遅れを取っている」「SCEJAチーム一丸となってゲーム業界を盛り上げいく決意を新たにしていく」と就任の決意を語っていました。
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