11月18日にSteam版が、海外では同日にPS4とXbox One版が発売されたパズルアクションゲーム『Never Alone (Kisima Ingitchuna)』。アラスカのイヌイット民族であるイヌピアットをモチーフにしたこのゲームが、失われつつあるイヌイット文化を守ることができるかもしれないと米ニューヨーカー紙が報じています。
数年前にアラスカの先住民やイヌピアットによって構成されるNPO、Cook Inlet Tribal Council代表のGloria O’Neill氏が、近代化によって失われつつあるイヌピアットの文化を若者に伝えていく手段としてビデオゲームが良いのではないかと提案したことから、同NPOとゲーム会社E-Line Madiaと共同でゲーム会社Upper One Gamesを立ち上げ、『Never Alone』の開発が始まったとしています。
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文字を持たないアラスカのイヌピアットは、1000年の間、口頭だけで知識や知恵を伝承してきており、それらをゲームに再現するために、イヌピアットの85歳の長老や語り部、アーティストや現地の高校生などを開発者として招き入れたと述べられています。ゲームのストーリーはイヌピアットに伝わる民話「クスーサユカ」をベースとし、アートワークも伝承に準じたものとなっています。
そうして試行錯誤の末に完成した『Never Alone』は、ビジュアルや設定だけでなくゲームデザインも魅力的に仕上がっており、C.I.T.Cはこのゲームを購入した世界中のプレイヤーにも自分たちの文化や知恵などが伝わっていくと信じていると語っています。
イヌイット民族であるイヌピアットの文化を伝えていくことから開発がスタートした『Never Alone (Kisima Ingitchuna)』。本作の日本語版はSteamとXbox OneではE-Line Mediaより販売中、PS4版はUnity Games Japanから近日販売予定となっています。
※日本での販売状況など一部修正、加筆しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。