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そんなゲーマー必見のハリウッド映画「ピクセル」が9月19日に公開されます。監督は「ハリー・ポッター」や「ナイト ミュージアム」シリーズのクリス・コロンバス氏、主演はアダム・サンドラーさん、ミシェル・モナハンさん、登場作品は『パックマン』『ドンキーコング』『ギャラガ』『スペースインベーダー』などです。
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本稿では、5月18日に開催されたフッテージ上映と、『パックマン』の生みの親である岩谷徹氏(東京工芸大学教授)のトークショウレポートをお届けします。
◆世界を救うのはゲーマーだ
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今回のフッテージは約8分30秒程度の内容で、宇宙人の侵略にアメリカ軍隊が大苦戦する中、敵の弱点……いや攻略方法を知っている男たちが集結するシーンから始まりました。彼らは80年代当時ゲームチャンピオンの名をほしいままにしていた最強の元ゲーマーで、フッテージで描かれたメインターゲットは「パックマン」です。
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現実世界に現れた巨大パックマンは、触れるものを次々と飲み込んでいきます。生身では対抗できないため、彼らはモンスター(アカベエ、ピンキー、アオスケ、グズタ)に見立てたMINIに乗り、実際のルールに則ったバトルを繰り広げます。もちろんパックマンはオバケよりも早く、パワーエサ(クッキー)のギミックも完全に再現。モンスターの追跡パターンと各登場人物の性格が一致しているのかは不明ですが、とても面白い映像表現でした。
また少々身内ネタではありますが、作中の登場人物として岩谷氏がプロフェッサーイワタニとして登場。オーディションで“岩谷氏のそっくりさん”を探した結果、日系俳優のデニス・アキヤマさんが演じる事になりました。そして驚きなのが、岩谷氏ご本人の出演です。とあるワンシーンでゲーム筐体をメンテナンスしているそうですよ。
◆パックマンは悪者じゃありません
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フッテージ上映の後は、岩谷氏のトークショウが行われました。そもそも『パックマン』は、“人に優しく、人の気持ちを考えたゲーム作り”をポリシーに、汚くて暗くて臭いゲームセンターに“カップルでも楽しめるゲームを作ろう”というコンセプトで開発。その方針は見事に成功し、殺伐としたゲームにはない、明るくコミカルなデザインとアニメーション、そして食べるというマイルドな行動が女性層に受けました。
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米国シカゴ郊外の『パックマン』をモチーフとした大型複合エンタメ施設「Level 257」
またアメリカでは、“パックマン=正義の味方”という認識が一般的だとか。実際、パックマンを起用したカジノマシーンを作る企画があった際、アメリカの公的機関は「パックマンは子供の味方だから、カジノで使うなんて駄目だ」と反発したそうです。
そんなパックマンも、映画の中では悪者に。これに対して岩谷氏は「製作の方々のクリエイティブな部分には干渉しないのがポリシーなので、監督にお任せしました」とのことで、普段は見ることのできない“悪役パックマン”も本作の魅力のひとつだといえるでしょう。ただ「パックマンは人だけは食べない」という設定があるそうで、演出や設定から現場のパックマン愛を感じました。因みにアダム・サンドラーさんは『パックマン』の大ファンで、家にアーケード版の筐体があるとか。
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ゲーム原作ではなく、さまざまなゲームキャラクターが現実世界に登場する「ピクセル」。当時はドット絵だったキャラクターたちが3Dになるだけでも感慨深いものがありますが、その演出の一つ一つに小ネタが散りばめられており、シリアルでもありギャグでもある絶妙な演出は、ゲームファンなら必ず楽しめるものだと今回のフッテージで強く感じました。
まだまだ公開は先ですが、今後いくつかのイベントが開催される予定ですので、続報にご期待ください。
映画「ピクセル」は9月19日より全国ロードショーです。
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記事提供元: インサイド