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フロム・ソフトウェアが送る、2016年初頭に発売予定のPS4/Xbox One/PC用ダークファンタジーアクションRPGシリーズの最新作『ダークソウル3(Dark Souls 3)』のプレスカンファレンスが開催されました。今回のプレゼンテーションは先日米国にて開催されたE3のカンファレンスと基本的には同じものとなっており、国内のプレスや関係者に向け本作の概要が実機プレイを交えて紹介されました。なお、国内での販売はフロム・ソフトウェアが担当、海外での販売はバンダイナムコエンターテインメントが担当します。
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まずは、KADOKAWAの代表取締役社長である松原眞樹氏が登壇。ゲームは自社にとって根幹となる戦略の1つであり、本作ではバンダイナムコエンターテインメントやハードメーカーと協力してアピールを行っていきたいことを感謝の意とともに伝えました。
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続いて、株式会社フロム・ソフトウェア取締役の中島英一氏が登壇。フロム・ソフトウェアは設立30周年を迎えたこともあり、これまで手掛けたタイトルをまとめたPVを放映。94年のPS『キングスフィールド』でゲーム業界に参入後様々な作品を手掛けましたが、今後も真摯に取り組んでいきたいと宣言してました。
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中島氏は、改めて『ダークソウル』のシリーズの変遷について説明。PS3で発売された『ダークソウル』は新規IPでしたがコアユーザーの支持を受け280万本を突破。2013年にPS3/Xbox360/PC向けに『ダークソウル2』を発売。2014年にリリースされた『SCHOLAR OF THE FIRST SIN』で、シリーズ累計出荷数が全世界800万本、国内は94万本を超えたとのことです。
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それに続く完全新作となる『ダークソウル3』は、2016年初頭にPS4/Xbox One/PC向けに発売予定となっており、「宮崎英高氏がディレクターとして製作指揮をしており、彼らしい尖ったものになるのでご期待ください」と締めました。
続いて、株式会社フロム・ソフトウェア『ダークソウル3』ディレクター宮崎英高氏が登壇。はじめに『ダークソウル3』の特徴である「世界のスケール感、没入感」、「終末の世界と英雄の物語」、「コンセプトの継承と深化」の3点について説明をしました。
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「世界のスケール感、没入感」については、シリーズ独特の立体探索マップのスケール感が大幅にアップ。さらにダークファンタジー世界への没入感を高めるためのインタラクション要素が加えています。
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「終末の世界と英雄の物語」は、単に暗いばかりではない、色あせた太陽など枯れた美しさを持った独特の画作りを行っており、シリーズの象徴的な英雄「薪の王」と王殺しのダークヒーローを描いた物語が描かれます。
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「コンセプトの継承と深化」としては、達成感を得るために手強い難易度や独特のオンラインシステムは継承し、その上で新しい要素と変化を積んでいくとしています。本作では、剣戟バトルのアクション戦術と多様性と深めつつ、ロールプレイングゲームとしてのキャラクタービルドの幅の拡張を行うとのことです。
◆実機プレイでのプレゼンテーション
いよいよ、実機プレイでのプレゼンテーションがスタート。マップは、視界に入る眼下に広がった街並みや遠くにそびえ立つ高い城も探索が可能となっています。枯れた太陽、祈り続ける亡者たち、舞い散る灰、早贄のような死体やかつて城を守っていたドラゴンの亡骸──など、美しくも枯れた世界が描かれていました。インタラクティブな表現としては、風に揺れる火の粉や松明の灯りなどの光源、ドラゴンの死体から舞い上がる灰などが見られました。また、小さな墓碑という新要素があり、火を灯すことで明かりとして活用できるのみならず、物語の断片を楽しめるので探索の楽しさが増しているようです。
最初の城のマップでドラゴンを出してユーザーを殺すという宮崎氏作品の定番要素は今回も継承されており、「シリーズユーザーは喜んで死んでいただける」とコメント。『ダークソウル』シリーズらしく、敵は殺す気満々の配置となっており難易度は高いですが、プレイヤーが理解・学習することで上手く攻略ができるようになっています。例えば、プレイヤーに向けブレスを吹いてくるドラゴンは、狭い所に潜んでいた亡者たちを一網打尽することができるなど、一見脅威となるものをうまく観察・利用することで、別のシチュエーションを切り抜けることができるシーンもあるようです。逆に言えば、そうした状況を想定した高い難易度になっているとも伝えていました。
キャラクターアクションの調整の方向性については、過去作品よりも軽くて素早く、ストレスない軽快な動きを実装しています。理由は、強敵に対してプレイヤーが全力で悔いなく挑んで欲しいからとのこと。
プレゼンテーションでは、いくつかの武器の追加アクションについての説明もなされました。長剣の新アクションは「構え」で、2種類の特殊攻撃が行え敵の盾が崩せるようになり、1対1の対戦における万能性、戦術オプションの広さをさらに拡張するという狙いがあるそうです。特大剣には「踏み込み」というアクションが追加。肉を切らせて骨を断ち、相打ちダメージを覚悟で自分の最高の攻撃を叩き込む豪快さを楽しめます。ショートボウは「速射性」がアップし、ローリングから速射など敵を翻弄しながら戦うことができるようになりました。二刀流の曲剣には「回転アクション」が追加。回転から周囲に大きく切り裂くモーションによって、弱い敵がわらわらと集まってくるというシチュエーションを切り抜けやすくなっています。
プレイ中、印象に残った敵は騎士。過去作品よりも攻撃力が高くて硬く、隙も少ないキャラクターになっており、激しい剣戟アクションでの戦いが楽しめるとのこと。剣と槍をもつ騎士が2体同時に出現した場面では、槍は動きが遅く剣は動きが早いことを利用した各個撃破をする様子も見られました。しっかり付け入る隙を作りフェアな高難度を目指して開発を進めているとコメントしていました。
ボスである「冷たい谷の踊り子」は、歪んだ武器や炎、花嫁のようなベール、ゆっくりと踊るような動きが読みにくいキャラクター。炎の武器を振り回す中でマップにも火が渡り、ボスが変化してより強敵になる様子と相まって激闘感が高まり、より多くの達成感を得られる工夫が随所になされていると感じました。
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最後に、株式会社バンダイナムコエンターテインメント常務取締役の浅沼誠氏が登壇し、「全世界に向け『ダークソウル3』が多くのユーザーに愛されるようにがんばります」との熱いメッセージで発表会を締めくくりました。
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