
『World of Tanks』などで有名なWargaming.netよりPC/Mac/Linux向けにリリースされる往年の名作4Xストラテジーのリブート『Master of Orion』。2016年2月26日から日本以外の地域でアーリーアクセスが開始し、3月26日からは日本からでも購入・プレイ可能となった本作のプレビューをお送りいたします。
■スタンダードなシステムながら遊びやすさも
本作は、1993年に初代が発売され、『Civilization』に代表される同様のジャンルが「4X」と呼ばれるきっかけとなった、『Master of Orion』シリーズのリブート作品。今回のリブートでは元となったシリーズを一部簡易化しつつもそのまま活かしたような内容となっている為、その内容はジャンルのお手本とも言えるようなスタンダードなものとなっています。

用意される種族は11種、ポイントを振り分けてカスタムで作ることも
ゲームはマップ上に点在する惑星や小惑星帯、星系の入り口などの幾つかのポイントを指定し、ユニットを移動させながら展開することになります。各々の植民星では現在の人口を研究・人口増加・製造に振り分けることで、自勢力を有利にするための施設開発や研究開発を行うことができます。

マップ画面、ポイントを指定すれば航路は自動設定される

植民星画面、任意の項目に人口を振り分けていく、自動設定もあり
研究画面では兵器だけでなくワープ技術やテラフォーム技術など様々な技術を開発することになります。近年の様々な同ジャンルのゲームでお馴染みのツリー状になった技術一覧だけでなく、現在開発可能な技術だけをリスト形式で見せてくれる方式もあるので、ジャンル初心者でも安心です。SFらしく、他勢力との外交項目には、異種間交流のために必要な技術を開発することでアンロックされるものもあります。

技術開発画面、リスト形式で今開発可能な技術を教えてくれる
ユニットとなる宇宙船はプレイヤーが現在持っている技術から使用可能な装備を選択して設計することとなりますが、設計が面倒なプレイヤーのために既存船の自動アップグレードなども実装されています。

設計画面、船の種類と装備を選択する
このジャンルでは欠かすことのできない戦闘は別マップを用いたRTSとして行われます。技術格差による大きな戦闘力の差を覆すことは難しいですが、同等の戦力であるならば戦術を活かしてより確実な勝利を勝ち取ることも可能なようです。

戦闘画面、平面で展開しわかりやすい作りになっている
本作は全体的にそつがなくまとまった堅実なデザインとなっていますが、それらの堅実なゲームプレイを支えるUIには日本語を含む多国語への対応などゲームを遊びやすくする工夫が見受けられます。大抵の項目には解説付きのマウスオーバーレイが完備され、ゲーム中ヘルプなどに頼ることもなく直感的にプレイできるのは魅力です。ターン内でやり残した項目がある場合、ターン終了ボタンがその項目への移動ボタンに変化しそれを教えてくれるのもありがたい所です。

入植や戦闘開始前などにはカットシーンが入り雰囲気を盛り上げている

勝利条件、現状ではまだ一部未実装となっている
また、ゲーム内の重要イベント等の情報はニュース番組風に流れ、興味を惹かせる作りとなっています。本題となる内容の下に流れる小ニュースはゲーム状況とは関係ないようですが、その分ユーモアある内容となっています。更に『スター・ウォーズ』ルーク・スカイウォーカー役でお馴染み、声優としてもベテランであるマーク・ハミルを始めとした超豪華声優陣も大きな魅力となっています。

下部のニュースに注目、C2H6O = エタノール。きちんとこの後に続く文でネタばらしが入ります
■Collector's Editionにはあの名作『Master of Orion 2』が付属
本作は現在、特典付きCollector's Editionのみが販売される形となっています。これにはPC上で動作する旧作『Master of Orion』『Master of Orion 2』『Master of Orion 3』が含まれており、特に名作と名高い『Master of Orion 2』が付属しているのはファンにはたまらない所です。

名作『Master of Orion 2』がSteamで遊べるのは嬉しい所
Collector's Editionには他にもデジタルアートブック、デジタルサウンドトラック、追加種族などが含まれています。
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
『Master of Orion』は、アーリーアクセスを含む各種特典付きの「Collector's Edition」がSteamにて4,980円で販売中。特典がつかない「Standard Edition」は発売日・価格ともに未定です。